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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第60話「放課後の観覧車」

体育祭から二週間。

季節は少しずつ秋へ近づいていた。

放課後。

一年二組。

玲美愛 「終わったー!」

雅也 「何がだ」

玲美愛 「今日の授業!」

賢太郎 「毎日言ってるな」

真優 「確かに」

美優 「聞き飽きた」

玲美愛 「ひどい!」

教室にはいつもの空気が流れていた。


その日の帰り。

将規は駅前のショッピングモールへ立ち寄っていた。

将規 「ノート買うだけなんだが」

文房具店へ向かう。

すると。

後ろから声がした。

真衣 「発見」

将規 「うわ」

真衣 「その反応なに」

将規 「なんでいる」

真衣 「買い物」

将規 「俺もだ」

真衣 「奇遇だね」

将規 「そうだな」


数十分後。

なぜか。

二人で行動していた。

将規 「なんでこうなる」

真衣 「流れ」

将規 「便利な言葉だな」

真衣 「好き」

将規 「知らん」


ショッピングモール屋上。

小さな観覧車が見える。

真衣 「あ」

将規 「ん?」

真衣 「観覧車」

将規 「あるな」

真衣 「乗る?」

将規 「乗らない」

真衣 「即答」

将規 「当たり前だろ」

真衣 「じゃあ一回だけ」

将規 「なんで」

真衣 「思い出になる」

将規 「ならん」

真衣 「なる」

押し切られた。


十分後。

観覧車。

将規 「……」

真衣 「……」

狭い。

とにかく狭い。

真衣 「静かだね」

将規 「お前が珍しく静かだからな」

真衣 「失礼」

少し笑う。

観覧車はゆっくり上昇していく。


真衣 「ねぇ将規」

将規 「ん?」

真衣 「体育祭楽しかった?」

将規 「またその話か」

真衣 「大事だから」

将規 「楽しかったよ」

真衣 「そっか」

嬉しそうな顔。

将規 「お前は?」

真衣 「すごく楽しかった」

将規 「そうか」

真衣 「将規と一緒だったから」

将規 「……」

真衣 「冗談じゃないよ」

将規は言葉に詰まる。

観覧車は頂上へ近づいていた。


その頃。

別の場所。

真優と美優。

二人は図書館帰りだった。

真優 「あれ?」

美優 「?」

真優 「将規くんじゃない?」

美優 「……」

二人が見上げた先。

観覧車。

そこに。

将規と真衣がいた。

真優 「……あ」

美優 「……」

言葉が出ない。


真優 「二人で?」

美優 「たぶん」

真優 「そっか」

胸が少しだけ痛む。

美優も同じだった。


真優 「ねぇ」

美優 「うん」

真優 「私」

美優 「うん」

真優 「もう待たない」

美優 「!」

真優 「このままじゃだめだと思う」

美優は驚いた。

今までの真優なら言わなかった。

でも。

美優も小さく頷く。

美優 「私も」

真優 「え?」

美優 「負けたくないから」

真優 「……そっか」

二人は笑う。

双子。

だけどライバル。

そんな関係になっていた。


一方。

観覧車。

頂上付近。

真衣 「景色きれい」

将規 「まぁな」

真衣 「将規」

将規 「ん?」

真衣 「今度また来よう」

将規 「なんで」

真衣 「楽しいから」

将規 「……」

真衣 「返事は?」

将規 「考えとく」

真衣 「進歩した」

真衣は笑う。

以前なら即答で断られていた。

それだけでも嬉しかった。


観覧車が地上へ戻る。

二人が降りる。

将規 「じゃあ帰るか」

真衣 「うん」

並んで歩く。

自然な距離。

その姿を。

少し離れた場所から双子が見ていた。

真優 「負けない」

美優 「うん」

その瞳には。

今までになかった強い意志が宿っていた。


恋は少しずつ動いている。

まだ誰も告白していない。

まだ誰も結ばれていない。

それでも。

確実に前へ進んでいた。

第60話 完

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