第54話「体育祭・開幕」
朝。
空は晴れ渡っていた。
まさに体育祭日和。
校庭にはすでに生徒たちが集まり、ざわめきが広がっている。
玲美愛 「きたぁぁぁ!!体育祭!!」
雅也 「朝から元気すぎる」
賢太郎 「逆に怖い」
葉山龍太郎 「緊張で胃が痛いっす」
玲美愛 「え、大丈夫!?!」
葉山龍太郎 「たぶん!」
玲美愛 「たぶんは禁止!」
開会式。
朝倉先生 「全員、整列」
校庭に静寂が走る。
朝倉先生 「ケガなく、全力でやれ」
玲美愛 「短い!」
雅也 「それでいいんだよ」
賢太郎 「分かりやすい」
そして。
ついに競技が始まる。
最初は徒競走。
次々とクラスメイトが走る中――
玲美愛 「まだ?まだ?」
美優 「落ち着いて」
真優 「先長いよ」
玲美愛 「長すぎる!」
真衣 「楽しみだね」
その横で。
将規は静かにストレッチしていた。
真衣 「準備OK?」
将規 「お前が一番危ない」
真衣 「失礼な」
そして。
いよいよ。
二人三脚。
放送 『一年二組、準備してください!』
空気が変わる。
玲美愛 「来た来た来た!」
葉山龍太郎 「胃が……」
玲美愛 「気合い!」
スタートライン。
ペアが並ぶ。
真衣 × 将規
真優 × 賢太郎
美優 × 雅也
玲美愛 × 葉山龍太郎
真衣 「勝つよ」
将規 「体育祭な」
真衣 「でも勝つ」
真優 「緊張するね」
賢太郎 「普通にやればいい」
美優 「うん」
雅也 「足合わせろよ」
玲美愛 「よし龍太郎!いくよ!」
葉山龍太郎 「はいっす!」
ピストルの音。
パン!
スタート。
最初に飛び出したのは真衣ペア。
真衣 「いくよ!」
将規 「速い!」
真衣 「もっと!」
将規 「無理!」
観客席 「速い!」
玲美愛 「え、速っ!」
雅也 「アイツらバケモンか」
真優ペアは安定型。
賢太郎 「ペース守れ」
真優 「うん」
静かだが崩れない。
美優ペアも同様。
美優 「合わせて」
雅也 「はいはい」
無駄がない動き。
そして問題の玲美愛ペア。
玲美愛 「いくよ龍太郎!」
葉山龍太郎 「はいっす!」
しかし
玲美愛 「わっ!」
開始5秒でバランス崩壊。
玲美愛 「きゃぁぁ!」
葉山龍太郎 「だから言ったじゃないっすか!」
玲美愛 「ごめーん!」
観客 「笑」
雅也 「やっぱりな」
賢太郎 「予想通り」
一方。
真衣ペアはトップ争い。
真衣 「ラストいくよ!」
将規 「まだ序盤だろ!」
真衣 「気持ち!」
将規 「気持ちで走るな!」
しかし。
不思議と息は合っている。
真衣 (やっぱり一緒だと楽しい)
将規 (なんでこいつこんな速いんだ)
その時。
真優はふと前を見る。
真衣と将規のペア。
その距離。
そのスピード。
真優 「……すごいね」
賢太郎 「気にするな」
真優 「うん」
でも視線は外れない。
美優も同じだった。
美優 「速い」
雅也 「まぁあれは反則だろ」
美優 「うん」
静かに息を吐く。
そしてゴール直前。
真衣ペアがトップ争い。
真衣 「いくよ!」
将規 「だから無理だって!」
真衣 「いける!」
ゴールテープへ
その瞬間。
第54話 完




