第47話「二学期スタート!」
夏休みが終わった。
長かったようで短かった休み。
そして。
今日から二学期。
朝。
一年二組の教室。
玲美愛が勢いよく扉を開けた。
玲美愛 「おはよーーー!!」
雅也 「朝からうるさい」
玲美愛 「二学期だよ!?」
雅也 「知ってる」
賢太郎 「元気だな」
玲美愛 「夏休みパワー!」
賢太郎 「そのうち切れるぞ」
玲美愛 「切れません!」
そんなやり取りをしていると。
真優 「おはよう」
美優 「おはよう」
玲美愛 「真優ちゃん!美優ちゃん!」
真優 「近い近い」
美優 「暑い」
玲美愛 「二学期もよろしく!」
真優 「こちらこそ」
美優 「よろしく」
穏やかな空気。
いつもの一年二組だった。
……一人を除いて。
ガラッ。
教室の扉が開く。
真衣 「おはよう!」
玲美愛 「来た!」
雅也 「実況するな」
真衣は迷うことなく教室へ入り、
真っ直ぐ将規の席へ向かった。
真衣 「おはよう!」
将規 「おはよう」
真衣 「二学期だね」
将規 「そうだな」
真衣 「隣の席最高」
将規 「知らん」
真衣 「私は嬉しい」
将規 「そうか」
玲美愛 (近い)
雅也 (近いな)
賢太郎 (近い)
真優 「……」
美優 「……」
双子は顔を見合わせた。
やっぱり積極的だ。
―――
ホームルーム。
朝倉先生が教室へ入ってくる。
朝倉先生 「席につけ」
全員が着席する。
朝倉先生 「二学期は行事が多い」
玲美愛 「文化祭!」
朝倉先生 「終わった」
玲美愛 「あっ」
雅也 「記憶消えたのか」
教室に笑いが起きる。
朝倉先生 「体育祭」
玲美愛 「それだ!」
朝倉先生 「最初からそう言え」
再び笑い声。
朝倉先生 「体育祭実行委員も決める」
その瞬間。
玲美愛の目が光った。
―――
休み時間。
玲美愛 「決めた!」
雅也 「何を」
玲美愛 「体育祭実行委員!」
賢太郎 「やるのか」
玲美愛 「もちろん!」
そして。
玲美愛は真優の肩を掴んだ。
玲美愛 「真優ちゃん!」
真優 「え?」
玲美愛 「一緒にやろう!」
真優 「私?」
玲美愛 「うん!」
真優 「どうしようかな」
その時。
真衣 「私もやる!」
玲美愛 「え?」
真衣 「面白そう!」
雅也 「理由が軽い」
賢太郎 「真衣らしい」
そして。
真衣は将規を見る。
真衣 「将規もやろう」
将規 「やらん」
真衣 「えー」
玲美愛 「やろうよ!」
将規 「嫌だ」
玲美愛 「ノリ悪い!」
雅也 「巻き込むな」
しかし。
その会話を聞いていた真優は少し考えていた。
体育祭実行委員。
もしやれば。
将規や真衣と関わる時間が増える。
真優 「……」
その隣で。
美優も同じことを考えていた。
―――
放課後。
教室。
実行委員の立候補が始まる。
男子はすぐ決まった。
問題は女子。
玲美愛 「やります!」
朝倉先生 「一人目」
真衣 「私も!」
朝倉先生 「二人目」
これで決まりかと思った。
その時。
真優 「……はい」
教室が少しざわつく。
玲美愛 「真優ちゃん!?」
真衣 「おお!」
朝倉先生 「三人目か」
そして。
さらに。
美優 「私も」
全員 「!?」
真優 「美優!?」
美優 「やってみたい」
玲美愛 「すごい!」
雅也 「珍しいな」
賢太郎 「本当にな」
朝倉先生は眼鏡を押し上げた。
朝倉先生 「女子四人か」
玲美愛 「全員やりたいです!」
朝倉先生 「相談して決めろ」
教室は盛り上がる。
その中で。
将規だけが少し困惑していた。
将規 (なんでみんな急にやる気なんだ……?)
もちろん。
本人だけは気付いていない。
真優も。
美優も。
真衣も。
少しでも将規の近くにいたいと思っていることを。
そして二学期。
体育祭という新たな舞台で、
三人の恋はさらに動き出そうとしていた。
第47話 完




