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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第43話「初めての嫉妬」

夏祭りから数日後。

夏休み。

一年二組のグループチャットは相変わらず賑やかだった。

玲美愛 『暇ー!』

雅也 『宿題やれ』

玲美愛 『嫌です』

賢太郎 『即答か』

真優 『ちゃんとやろうよ』

美優 『うん』

将規 『正論』

玲美愛 『将規くんまで!』

いつものやり取り。

いつもの空気。

でも。

美優の心の中には、少しだけ引っかかっているものがあった。

それは夏祭りの日のこと。

将規と真優が二人で歩いていた時間。

花火を見ながら楽しそうに話していた姿。

本来なら気にならないはずだった。

でも。

なぜか思い出してしまう。

夜。

双子の部屋。

真優 「今日は暑かったね」

美優 「うん」

真優 「そういえば」

美優 「?」

真優 「将規くんから連絡来た」

美優 「……そう」

真優 「宿題のことで」

美優 「へぇ」

真優 「今度図書館で一緒にやるかって」

美優 「……」

一瞬だけ。

胸がざわついた。

真優は気付いていない。

いつも通り話しているだけ。

真優 「美優も来る?」

美優 「行かない」

真優 「え?」

即答だった。

真優が驚く。

美優自身も驚いた。

真優 「予定あるの?」

美優 「ない」

真優 「じゃあ」

美優 「気分」

真優 「そ、そっか」

少しだけ変な空気になる。

真優は首を傾げていた。

翌日。

美優は一人で近所を散歩していた。

将規と真優。

二人で図書館。

別におかしいことじゃない。

友達なのだから。

それなのに。

美優 「……」

面白くない。

そんな自分に戸惑っていた。

その時。

後ろから声がした。

賢太郎 「美優?」

美優 「!」

振り返る。

賢太郎だった。

美優 「どうしたの?」

賢太郎 「それはこっちの台詞」

美優 「?」

賢太郎 「元気ない」

美優 「そんなことない」

賢太郎 「ある」

即答だった。

美優は少し黙る。

賢太郎 「何かあった?」

美優 「……」

言葉が出ない。

賢太郎は急かさなかった。

ただ隣を歩く。

しばらくして。

美優 「変な気持ちになる」

賢太郎 「変な気持ち?」

美優 「うん」

賢太郎 「例えば?」

美優 「分からない」

本当に分からなかった。

賢太郎は少し考える。

そして。

賢太郎 「嫉妬とか?」

美優 「!」

心臓が跳ねた。

図星だった。

美優 「……」

賢太郎 「当たり?」

美優 「分からない」

賢太郎 「なるほど」

美優は俯く。

賢太郎 「相手は?」

美優 「言わない」

賢太郎 「だろうな」

少し笑う。

その優しい笑顔に、美優の肩の力が少し抜けた。

賢太郎 「でもさ」

美優 「?」

賢太郎 「嫉妬するってことは」

美優 「……」

賢太郎 「その人が大事なんじゃないか」

美優は返事ができなかった。

夜。

部屋。

真優は本を読んでいた。

美優はベッドの上で天井を見ている。

真優 「ねえ」

美優 「うん」

真優 「昨日、ごめんね」

美優 「?」

真優 「何か嫌な言い方しちゃったかなって」

美優 「違う」

真優 「本当?」

美優 「うん」

真優は安心したように笑う。

真優 「ならよかった」

その笑顔を見て。

美優は少し胸が痛くなった。

真優は何も悪くない。

それは分かっている。

だからこそ。

この感情をどうしたらいいのか分からない。

美優 (嫉妬……)

賢太郎の言葉が頭に浮かぶ。

もし本当にそうなら。

それは。

自分が将規を――

そこまで考えて。

美優は顔を枕に埋めた。

真優 「?」

美優 「何でもない」

真優 「変なの」

美優 「うん」

でも。

その夜。

美優はなかなか眠れなかった。

そして初めて。

双子の姉妹としてではなく。

一人の女の子として。

恋という感情を意識し始めていた。

第43話 完

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