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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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242/434

第42話「夏祭りの夜」

夏祭り当日。

夕方。

駅前広場。

待ち合わせ時間の三十分前。

将規はすでに到着していた。

将規 「早く来すぎたな……」

人混みの中で待っていると。

後ろから元気な声が聞こえた。

玲美愛 「将規くーん!」

将規 「うるさっ」

玲美愛 「浴衣どう!?」

雅也 「まず挨拶しろ」

賢太郎 「順番がおかしい」

玲美愛は明るい色の浴衣を着ていた。

いつも以上に楽しそうだ。

玲美愛 「今日は夏祭りだから!」

雅也 「知ってる」

賢太郎 「昨日から十回は聞いた」

玲美愛 「もっと聞いて!」

そんなやり取りをしていると。

真優 「お待たせー!」

将規 「!」

振り向く。

そこには浴衣姿の真優がいた。

以前一緒に選んだ浴衣。

夕日に照らされてとても綺麗だった。

真優 「どうかな?」

将規 「似合ってる」

真優 「即答!?」

玲美愛 「おおー!」

雅也 「騒ぐな」

玲美愛 「でも聞いた!?」

賢太郎 「聞こえた」

その直後。

美優もやって来る。

美優 「待った?」

落ち着いた色合いの浴衣。

普段の雰囲気によく似合っている。

将規 「美優も似合ってる」

美優 「ありがとう」

少しだけ微笑む。

玲美愛 (これは進展してる!)

雅也 「顔に出てるぞ」

玲美愛 「出してます!」

賢太郎 「開き直るな」

こうして六人は祭り会場へ向かった。

―――

会場。

屋台が並び。

提灯が灯り。

祭り囃子が聞こえる。

まさに夏祭り。

玲美愛 「全部回る!」

雅也 「無理だ」

玲美愛 「頑張る!」

賢太郎 「そういう問題じゃない」

真優 「まず何食べる?」

美優 「たこ焼き」

玲美愛 「焼きそば!」

雅也 「フランクフルト」

賢太郎 「食べ過ぎだろ」

将規 「まず一つにしろ」

結局。

たこ焼きを買うことになった。

食べ歩きしながら祭りを楽しむ。

射的。

金魚すくい。

輪投げ。

様々な屋台を巡る。

その途中。

玲美愛が突然立ち止まった。

玲美愛 「今だ」

雅也 「何が」

玲美愛 「作戦開始」

賢太郎 「嫌な予感しかしない」

玲美愛はニヤリと笑った。

数分後。

人混みの中。

将規が気付く。

将規 「あれ?」

真優 「どうしたの?」

将規 「玲美愛たちがいない」

真優 「え?」

周囲を見る。

確かに。

玲美愛。

雅也。

賢太郎。

美優。

四人がいない。

真優 「はぐれた?」

将規 「いや……」

将規は何となく察した。

絶対に玲美愛だ。

一方その頃。

少し離れた場所。

玲美愛 「成功!」

雅也 「お前な」

賢太郎 「絶対わざとだろ」

美優 「分かりやすい」

玲美愛 「これが青春!」

雅也 「意味が分からん」

―――

将規と真優。

二人だけ。

祭りの中を歩く。

少し気まずい。

真優 「探す?」

将規 「どうせそのうち会う」

真優 「確かに」

二人は苦笑した。

少し歩く。

真優 「あ」

将規 「?」

真優 「りんご飴」

将規 「好きなのか」

真優 「好き」

将規 「買うか」

真優 「いいの?」

将規 「迷子になった記念」

真優 「何それ」

笑いながら二人で買う。

その時間は不思議と心地良かった。

―――

夜。

花火大会開始。

六人は無事合流していた。

玲美愛 「見て見て!」

雅也 「静かに見ろ」

賢太郎 「始まるぞ」

ドーン。

夜空に大輪の花が咲く。

真優 「綺麗……」

美優 「うん」

将規も空を見上げる。

花火の光が皆の顔を照らしていた。

その時。

真優 「今日は楽しかった」

将規 「そうだな」

真優 「海も楽しかったけど」

真優 「今日も好きかも」

将規 「俺も」

二人は自然に笑った。

花火は次々に打ち上がる。

そして少し離れた場所では。

美優も静かに夜空を見上げていた。

その横顔を見ながら。

賢太郎が言う。

賢太郎 「綺麗だな」

美優 「花火?」

賢太郎 「それも」

美優 「?」

賢太郎 「いや何でもない」

美優は少し首を傾げた。

夏の夜。

花火の下。

それぞれの気持ちは少しずつ変わり始めていた。

まだ誰も答えを知らない。

でも。

確実に前へ進んでいる。

そんな気がした。

第42話 完

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