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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第28話「文化祭のあと、訪問者たち」

文化祭から三日後。

一年二組。

教室にはまだ文化祭の余韻が残っていた。

玲美愛 「終わっちゃったなぁ……」

雅也 「何回目だその台詞」

玲美愛 「だって寂しいんだもん」

賢太郎 「昨日も言ってた」

真優 「楽しかったからね」

美優 「うん」

将規 「次は体育祭とかあるだろ」

玲美愛 「おお!」

一瞬で元気になる。

雅也 「単純だな」

ガラッ。

教室の扉が開く。

朝倉先生 「ホームルーム始めるぞ」

生徒達 「はーい」

朝倉先生は出席簿を閉じると、少しだけ笑った。

朝倉先生 「今日は来客が来る」

玲美愛 「来客?」

雅也 「誰だ?」

朝倉先生 「午後になれば分かる」

玲美愛 「気になる!」

朝倉先生 「授業に集中しろ」

玲美愛 「はーい……」

しかし全然集中していなかった。

昼休み。

玲美愛 「誰だろう!」

真優 「卒業生とか?」

美優 「かも」

賢太郎 「講演会じゃないか」

将規 「ありそう」

雅也 「朝倉先生が言うくらいだしな」

そして午後。

体育館。

全校生徒が集まっていた。

ざわざわとした空気の中。

司会の先生がマイクを持つ。

司会 「本日は特別講師として来ていただきました」

生徒達 「?」

司会 「地域で活躍されている皆様です」

すると。

体育館の入口から数人の大人が入ってきた。

先頭にいたのは兼次郎だった。

玲美愛 「あっ」

真優 「すごい人だ」

美優 「緊張する」

将規 「本当に来たのか」

兼次郎のほかにも数人の来賓がいる。

壇上へ上がった兼次郎は落ち着いた表情で生徒達を見渡した。

兼次郎 「こんにちは」

全校生徒 「こんにちは」

兼次郎 「そんなに固くならなくて大丈夫です」

少し笑いが起きる。

兼次郎 「今日は皆さんに一つだけ伝えたいことがあります」

体育館が静かになる。

兼次郎 「失敗を怖がらないでください」

真優 「……」

美優 「……」

兼次郎 「学生時代は失敗してもいい」

将規 「……」

兼次郎 「挑戦しなければ見えない景色があります」

玲美愛は真剣な顔で聞いていた。

普段とは違う。

本当に集中している。

兼次郎 「自分に自信がなくてもいい」

兼次郎 「将来が決まっていなくてもいい」

兼次郎 「でも前を向くことだけは忘れないでください」

体育館は静まり返っていた。

講演が終わる。

大きな拍手が響く。

放課後。

一年二組。

玲美愛 「かっこよかった……」

雅也 「珍しく真面目だったな」

玲美愛 「失礼!」

賢太郎 「でも良い話だった」

真優 「うん」

美優 「元気もらった」

将規 「確かに」

その時。

コンコン。

教室のドアがノックされた。

朝倉先生 「どうぞ」

すると。

そこに立っていたのは兼次郎だった。

玲美愛 「ええええ!?」

雅也 「マジか」

真優 「本物だ」

美優 「すごい」

兼次郎 「少しだけ挨拶をと思いまして」

朝倉先生 「ありがとうございます」

兼次郎は教室を見渡した。

そして文化祭の写真が貼られた掲示板を見つめる。

兼次郎 「いいクラスですね」

朝倉先生 「自慢のクラスです」

玲美愛 「えへへ」

兼次郎 「文化祭も成功したそうですね」

将規 「はい」

兼次郎 「仲間を大切にしてください」

真優 「はい」

美優 「はい」

兼次郎 「学生時代の時間は思っているより短いですから」

その言葉は不思議と胸に残った。

数分後。

兼次郎は教室を後にする。

玲美愛 「すごかった……」

雅也 「近くで見ると迫力あるな」

賢太郎 「分かる」

真優 「優しい人だったね」

美優 「うん」

将規は窓の外を見る。

校門の方へ歩いていく兼次郎の姿が見えた。

その背中は大きく見えた。

朝倉先生 「さて」

全員 「?」

朝倉先生 「感想文だ」

玲美愛 「えええええ!?」

教室が爆笑に包まれた。

こうして。

文化祭後の特別な一日は終わる。

しかし兼次郎の言葉は、

一年二組の生徒達の心に静かに残り続けるのだった。

第28話 完

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