第27話「文化祭開幕!一年二組の縁日カフェ」
文化祭当日。
朝。
一年二組の教室は開場前から大騒ぎだった。
玲美愛 「文化祭だぁぁぁぁ!!」
雅也 「朝からうるさい」
将規 「まだ八時前だぞ」
賢太郎 「近所迷惑レベル」
玲美愛 「今日は特別!」
真優 「楽しみだね」
美優 「うん」
そこへ教室の扉が開く。
朝倉先生 「おはよう」
生徒達 「おはようございます!」
朝倉先生は教室を見回した。
入口の看板。
輪投げコーナー。
射的コーナー。
飾り付け。
どれも綺麗に仕上がっている。
朝倉先生 「すごいな」
玲美愛 「でしょ!」
朝倉先生 「お前が全部やったみたいに言うな」
教室が笑いに包まれる。
玲美愛 「半分くらいは!」
雅也 「絶対違う」
将規 「むしろ騒いでた割合の方が多い」
玲美愛 「ひどい!」
朝倉先生も小さく笑った。
朝倉先生 「まあいい」
先生はクラス全員を見る。
朝倉先生 「ここまで頑張ったんだ」
静かになる教室。
朝倉先生 「今日は思い切り楽しめ」
玲美愛 「はい!」
真優 「はい!」
美優 「はい」
将規 「了解です」
賢太郎 「はい」
雅也 「任せてください」
朝倉先生 「それと」
玲美愛 「?」
朝倉先生 「問題だけは起こすなよ」
玲美愛 「なんで私を見るんですか!?」
爆笑。
そして――。
文化祭開幕。
開始から三十分。
一年二組の縁日カフェは大盛況だった。
お客さん 「輪投げやりたい!」
お客さん 「射的空いてますか?」
お客さん 「飲み物ください!」
真優 「こちらどうぞー!」
美優 「ありがとうございます」
雅也 「次のお客さんどうぞ」
賢太郎 「景品補充するぞ」
将規 「了解」
みんな走り回っていた。
玲美愛はというと――。
玲美愛 「いらっしゃいませー!」
お客さん 「元気だね」
玲美愛 「文化祭ですから!」
お客さん達が笑う。
朝倉先生 (あいつ一人で客寄せになってるな)
昼前。
少し落ち着いた時間。
将規は飲み物の補充を運んでいた。
その時。
真優 「あ」
将規 「ん?」
真優 「手伝う」
将規 「重いぞ」
真優 「大丈夫」
二人で箱を運ぶ。
真優 「すごい人だね」
将規 「ああ」
真優 「成功しそう」
将規 「だな」
真優は嬉しそうに笑った。
将規も自然と笑う。
そこへ。
玲美愛 「発見!!」
将規 「うわっ!」
真優 「びっくりした!」
玲美愛 「二人きり!」
将規 「仕事中だ!」
玲美愛 「青春!」
真優 「玲美愛ちゃん!」
玲美愛は大笑いしながら逃げていった。
将規 「元気すぎるだろ」
真優 「本当にね」
二人は顔を見合わせて笑った。
午後。
今度は美優が景品整理をしていた。
美優 「これで最後」
将規 「手伝う」
美優 「ありがとう」
二人で箱を片付ける。
静かな時間。
美優 「今日楽しい」
将規 「よかったな」
美優 「将規は?」
将規 「楽しい」
美優 「うん」
少しだけ微笑む美優。
その表情を見て。
将規の胸がまた少し高鳴った。
しかし。
その瞬間。
玲美愛 「発見!!」
将規 「またか!」
美優 「玲美愛ちゃん」
玲美愛 「今度はこっち!」
将規 「仕事しろ!」
玲美愛 「してる!」
賢太郎 「してない」
雅也 「してないな」
玲美愛 「味方がいない!」
夕方。
文化祭終了。
閉会の放送が流れる。
一年二組の教室。
みんな疲れ切っていた。
玲美愛 「終わったぁぁぁ……」
雅也 「燃え尽きたな」
賢太郎 「同感」
真優 「楽しかった」
美優 「うん」
将規 「あっという間だったな」
そこへ朝倉先生が入ってくる。
朝倉先生 「お疲れ」
生徒達 「お疲れ様でした!」
朝倉先生 「大成功だったらしいな」
玲美愛 「やりました!」
朝倉先生 「頑張った成果だ」
みんなが少し照れながら笑う。
朝倉先生 「先生も嬉しい」
静かになる教室。
朝倉先生 「いい文化祭だった」
その言葉に。
みんなの顔に笑顔が広がった。
帰り道。
夕暮れ。
六人は並んで歩く。
玲美愛 「終わっちゃったね」
真優 「少し寂しい」
美優 「うん」
雅也 「分かる」
賢太郎 「疲れたけどな」
将規 「それも含めて文化祭だろ」
玲美愛 「おおー!」
そして。
将規はふと双子を見る。
真優は楽しそうに笑っている。
美優は穏やかに微笑んでいる。
どちらも大切な存在。
その気持ちは以前より強くなっていた。
だが――。
答えはまだ出ない。
文化祭は終わった。
しかし。
将規の恋は、ここから少しずつ動き始めようとしていた。
第27話 完




