第23話「文化祭の出し物会議!玲美愛、大暴走!?」
文化祭まで約一か月。
一年二組では、ついに出し物を決めるホームルームが始まろうとしていた。
昼休みから玲美愛はずっとそわそわしている。
雅也 「落ち着け」
玲美愛 「無理!」
将規 「まだ始まってないぞ」
玲美愛 「でも文化祭だよ!?」
真優 「楽しみなんだね」
玲美愛 「もちろん!」
美優 「元気」
賢太郎 「いつも通りだな」
チャイムが鳴る。
朝倉先生が教室へ入ってきた。
朝倉先生 「さて」
教室が静かになる。
朝倉先生 「今日のホームルームは文化祭の出し物を決める」
クラス中がざわつく。
朝倉先生 「何か案がある人は挙手」
その瞬間。
ビシッ!
玲美愛が光の速さで手を挙げた。
雅也 「早い」
将規 「予想通り」
朝倉先生 「玲美愛」
玲美愛 「お化け屋敷!」
教室 「おおー!」
玲美愛 「絶対楽しい!」
雅也 「まあ定番だな」
将規 「悪くない」
真優 「楽しそう」
美優 「怖そう」
玲美愛 「美優ちゃん脅かす係ね!」
美優 「無理」
即答だった。
教室が笑いに包まれる。
別の男子が手を挙げる。
男子A 「喫茶店!」
女子達 「いいかも!」
男子B 「メイド喫茶!」
女子達 「却下!!」
男子B 「なんで!?」
雅也 「当然だろ」
賢太郎 「即死だったな」
さらに案が出ていく。
・喫茶店
・縁日
・迷路
・劇
・脱出ゲーム
黒板がどんどん埋まっていく。
朝倉先生 「結構出たな」
玲美愛 「全部やろう!」
将規 「無理だ」
玲美愛 「えぇー!」
その時。
真優が小さく手を挙げた。
朝倉先生 「真優」
真優 「カフェと縁日を合わせるとか?」
教室 「おお」
雅也 「なるほど」
将規 「面白いかもな」
玲美愛 「天才!」
真優 「そこまでじゃない」
美優 「真優らしい」
さらに話し合いは進む。
最終的に候補は三つになった。
・お化け屋敷
・喫茶店
・縁日カフェ
玲美愛 「勝負だ!」
雅也 「お前のじゃない」
玲美愛 「心はお化け屋敷代表です!」
投票開始。
結果は――
お化け屋敷 8票
喫茶店 6票
縁日カフェ 18票
玲美愛 「負けたぁぁぁぁ!!」
教室中が爆笑した。
将規 「大げさ」
真優 「惜しかったね」
玲美愛 「悔しい!」
美優 「泣いてる」
賢太郎 「泣いてない」
玲美愛 「泣いてる!」
放課後。
文化祭実行委員の玲美愛と賢太郎を中心に準備会議が行われた。
玲美愛 「よし!」
賢太郎 「何だ」
玲美愛 「最高の縁日カフェにしよう!」
真優 「何する?」
雅也 「輪投げとか?」
将規 「射的とか」
美優 「金魚すくい?」
玲美愛 「全部!」
賢太郎 「場所が足りない」
玲美愛 「うっ」
真優 「少しずつ決めよう」
美優 「焦らず」
玲美愛 「はい……」
珍しく大人しくなる。
雅也 「効果抜群だな」
将規 「双子強いな」
その後も話し合いは続いた。
気付けば外は夕焼け色になっていた。
帰り道。
六人は並んで歩く。
玲美愛 「でもさ」
真優 「ん?」
玲美愛 「文化祭楽しみだね」
美優 「うん」
雅也 「まだ準備だらけだけどな」
将規 「それも文化祭だろ」
賢太郎 「確かに」
玲美愛 「青春って感じ!」
真優 「好きだね、その言葉」
玲美愛 「だって青春だもん!」
全員が笑った。
その時だった。
玲美愛がふと前を向いたまま言う。
玲美愛 「そういえば将規くん」
将規 「ん?」
玲美愛 「最近真優ちゃんと美優ちゃんと仲良いよね」
将規 「……」
真優 「え?」
美優 「?」
雅也 「おい」
賢太郎 「始まった」
玲美愛 「どっちが好きなの?」
将規 「ぶっ!?」
真優 「!?」
美優 「!?」
雅也 「直球すぎるだろ!」
将規 「何聞いてんだお前!」
玲美愛 「気になったから!」
真優 「ちょ、ちょっと玲美愛ちゃん!?」
美優も珍しく顔を赤くしている。
玲美愛 「で?」
将規 「答えるか!」
玲美愛 「ケチ!」
将規 「当たり前だ!」
大騒ぎになる帰り道。
夕焼けの中。
将規は慌てながらも思う。
――本当に、どっちなんだろう。
その答えはまだ見つからない。
だけど。
少しずつ。
確実に。
双子との距離は近づいていた。
第23話 完




