第21話「はじめてのトリプルデート?」
文化祭準備が始まって数日後。
昼休み。
将規は自分の席で珍しく悩んでいた。
雅也 「どうした」
将規 「別に」
雅也 「嘘だな」
賢太郎 「悩み顔してる」
将規 「そんな顔してない」
玲美愛 「してる!」
将規 「お前ら人の顔見すぎだろ」
真優 「何かあるの?」
美優 「困ってる?」
将規 「いや…」
真優と美優の顔を見る。
将規 「二人とも今度の休み空いてるか?」
真優 「え?」
美優 「?」
玲美愛 「おお!?」
雅也 「おい」
賢太郎 「急だな」
将規 「うるさい」
真優 「休み?」
将規 「ああ」
美優 「空いてるけど」
真優 「私も」
将規 「じゃあ遊びに行かないか」
玲美愛 「きゃーーー!」
将規 「うるさい!」
教室中が振り返る。
玲美愛 「デート!?」
将規 「違う!」
玲美愛 「本当に?」
将規 「本当に!」
真優 「どこ行くの?」
将規 「カラオケとか」
美優 「カラオケ」
将規 「ゲーセンとか」
真優 「楽しそう」
将規 「ボウリングとか」
美優 「行ったことない」
将規 「じゃあ決まりだな」
真優 「うん」
美優 「行く」
玲美愛 「え、待って」
将規 「何だ」
玲美愛 「私は?」
将規 「誘ってない」
玲美愛 「ひどい!」
雅也 「まあまあ」
賢太郎 「今回は諦めろ」
玲美愛 「ぐぬぬ……」
休日。
駅前。
将規は少し早めに来ていた。
将規 「……」
落ち着かない。
なぜだろう。
二人と遊ぶだけなのに。
すると。
真優 「お待たせー!」
美優 「おはよう」
将規 「おう」
真優 「待った?」
将規 「そんなに」
美優 「よかった」
真優 「じゃあ行こう!」
三人はまずカラオケへ向かった。
カラオケ店。
真優 「久しぶり!」
美優 「少し緊張する」
将規 「そんなに気負わなくていいだろ」
真優 「将規は何歌うの?」
将規 「普通の曲」
真優 「雑!」
美優が少し笑う。
将規 「美優も歌うよな?」
美優 「たぶん」
真優 「歌う歌う」
将規 「勝手に決めるな」
真優 「双子だから分かる」
美優 「歌う」
将規 「本当だった」
カラオケは予想以上に盛り上がった。
真優は明るい曲を歌い。
美優は優しいバラードを歌う。
将規はその意外な歌声に少し驚いていた。
将規 「上手いな」
美優 「ありがとう」
真優 「美優は歌うまいんだよ」
美優 「真優も」
真優 「えへへ」
その後。
三人はゲーセンへ。
真優 「あ!」
将規 「どうした」
真優 「あのぬいぐるみ可愛い!」
美優 「猫だ」
将規 「欲しいのか?」
真優 「欲しい」
将規 「取ってみるか」
真優 「いけー!」
数分後。
将規 「……」
真優 「……」
美優 「……」
取れない。
真優 「難しいね」
将規 「難しいな」
美優が静かに前へ出る。
美優 「やってみる」
将規 「え?」
真優 「珍しい」
一回。
二回。
三回。
コロン。
ぬいぐるみが落ちた。
真優 「取れたーーー!?」
将規 「マジか」
美優 「取れた」
真優 「すごい!」
将規 「才能あるな」
少しだけ。
美優が嬉しそうに笑った。
そして最後。
ボウリング場。
真優 「人生初!」
美優 「私も」
将規 「まず投げてみろ」
真優 「えいっ!」
ゴロゴロゴロ。
ガーター。
真優 「あー!」
将規 「惜しい」
真優 「全然惜しくない!」
美優の番。
コロコロ。
一本だけ倒れる。
美優 「……」
真優 「一本!」
将規 「まあ最初だしな」
その後も笑いながら続く。
将規はフォームを教えたり。
真優が変な投げ方をしたり。
美優が少しずつ上達したり。
気付けば夕方になっていた。
帰り道。
真優 「楽しかったー!」
美優 「うん」
将規 「それならよかった」
真優 「誘ってくれてありがとう」
美優 「ありがとう」
将規 「気にするな」
真優 「また行こうね」
美優 「行こう」
将規 「ああ」
夕焼けの中。
二人の笑顔を見る。
真優の明るい笑顔。
美優の優しい笑顔。
将規 (やっぱり……)
答えはまだ出ない。
けれど。
今日一日で分かったことがある。
二人とも大切な存在だということ。
そして。
もっと知りたいと思っていること。
そんな気持ちを胸に。
三人は並んで駅へ向かうのだった。
第21話 完




