第12話「伝説世代、襲来」
実力テスト返却から数日後。
一年二組。
朝。
教室はいつも以上に騒がしかった。
理由はもちろん――
卒業生との勉強会。
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玲美愛「無理無理無理無理」
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雅也「朝からうるさい」
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玲美愛「だって伝説世代だよ!?」
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将規「まあ緊張はするな」
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真優「私は楽しみ」
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美優「楽しみ」
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玲美愛「その余裕どこから来るの!?」
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真衣「私もちょっと会ってみたいな」
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賢太郎「話聞くだけでも勉強になりそうだしな」
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その時。
ガラッ。
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朝倉先生が入ってきた。
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朝倉先生「おはよう」
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全員「おはようございます!」
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朝倉先生「今日は元気だな」
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玲美愛「緊張してるだけです!」
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朝倉先生「そうか」
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先生は笑いながら教卓へ立つ。
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朝倉先生「では予定通り」
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「卒業生との勉強会を行う」
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教室が静まる。
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朝倉先生「今から講堂へ移動」
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玲美愛「心の準備が!」
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雅也「諦めろ」
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数分後。
講堂。
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一年生全員が集まっていた。
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ざわざわと落ち着かない空気。
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すると。
壇上の扉が開く。
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最初に現れたのは――
兼次郎。
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高身長。
落ち着いた雰囲気。
自然と空気が変わる。
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女子たち。
「かっこいい……」
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玲美愛「本物だ……」
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続いて。
茉優。
瑠姫愛。
龍也。
玲緒菜。
翼。
そして伝説世代の卒業生たち。
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会場がどよめく。
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「うわぁ……」
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「オーラすごい……」
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「先輩たちだ……」
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壇上へ並ぶ卒業生たち。
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学年主任がマイクを持つ。
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学年主任「紹介しよう」
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「この学校の歴代最高成績を記録した世代」
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「通称――伝説世代だ」
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大拍手。
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玲美愛「すごい……」
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真衣「本当に伝説なんだね」
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賢太郎「圧があるな」
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学年主任「では兼次郎から」
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兼次郎が前へ出る。
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兼次郎「そんなに緊張しなくていい」
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穏やかな声。
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会場が少し和らぐ。
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兼次郎「勉強は才能だけじゃない」
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「継続できる人が強い」
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「俺も最初からできたわけじゃない」
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一年生たちが真剣に聞く。
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兼次郎「毎日少しずつ積み上げる」
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「それだけで大きく変わる」
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玲美愛「なんか説得力ある……」
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雅也「実績が違うからな」
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次に茉優。
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茉優「質問ある人?」
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いきなり会場が静かになる。
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茉優「ないの?」
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玲美愛。
勢いよく手を挙げる。
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玲美愛「はい!」
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周囲。
「おお」
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茉優「どうぞ」
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玲美愛「平均点79点なんですけど!」
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茉優「うん」
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玲美愛「褒めてもらえますか!?」
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一瞬沈黙。
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そして。
会場爆笑。
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茉優「平均超えたなら偉い」
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玲美愛「やったーー!」
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雅也「何しに来たんだお前」
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将規「平常運転だな」
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続いて龍也。
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龍也「勉強で大事なのは失敗だ」
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「間違えた問題を放置するな」
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「できなかった理由を考えろ」
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真優「なるほど」
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美優「なるほど」
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玲緒菜も前へ出る。
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玲緒菜「私は昔、人前で話すの苦手だった」
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一年生たちが驚く。
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玲緒菜「でも少しずつ挑戦した」
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「だから皆も苦手なことから逃げないで」
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真衣が小さく頷く。
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講話が終わり。
休憩時間。
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卒業生たちが各グループへ分かれる。
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そして。
一年二組の前へ――
兼次郎たちがやって来た。
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玲美愛「来たーーーー!!」
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雅也「落ち着け」
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兼次郎は笑う。
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兼次郎「聞いたぞ」
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玲美愛「何をですか」
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兼次郎「79点」
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玲美愛「うわあああああ!」
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全員爆笑。
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兼次郎「おめでとう」
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玲美愛「ありがとうございます!」
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満面の笑顔。
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兼次郎「次は85点だな」
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玲美愛「えっ」
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兼次郎「できるだろ?」
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玲美愛。
固まる。
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真衣「期待されてるね」
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賢太郎「頑張れ」
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雅也「逃げるなよ」
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将規「次の目標決まったな」
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玲美愛「プレッシャーが重い!」
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再び笑いが起きる。
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こうして始まった勉強会。
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だが。
この日をきっかけに――
一年二組はさらに大きく変わっていく。
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そして玲美愛には。
新たな目標が生まれていた。
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「次は85点」
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伝説世代との出会いが。
彼女たちの未来を少しずつ動かし始めていた。
☆
第12話 完




