第11話「平均点78点」
実力テストから一週間。
一年二組は朝から落ち着かなかった。
理由は一つ。
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テスト結果返却日。
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玲美愛 「帰りたい」
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雅也 「まだ朝だぞ」
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将規 「現実逃避が早い」
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真優 「気持ちは分かる」
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美優 「分かる」
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真衣 「私も少し怖いかも……」
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賢太郎 「まあなるようになるだろ」
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その時。
ガラッ。
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朝倉先生が教室へ入ってきた。
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教室全員の視線が集まる。
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朝倉先生 「おはよう」
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誰も返事をしない。
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朝倉先生 「重いな」
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玲美愛 「結果ですよね?」
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朝倉先生 「結果です」
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教室。
「うわぁ……」
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朝倉先生はプリントを置く。
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そして少し驚いたような顔をした。
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朝倉先生 「まず全体の結果から話そうか」
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全員が身構える。
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朝倉先生 「今回の特進クラス合同実力テスト」
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少し間を置く。
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朝倉先生 「学年平均点は――」
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静寂。
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朝倉先生 「78点」
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教室。
「え?」
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「高くない?」
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「思ったより高い!」
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朝倉先生 「先生たちも驚いてる」
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「例年よりかなり高い」
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教室がざわつく。
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朝倉先生 「特に一年二組」
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全員が固まる。
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朝倉先生 「学年トップのクラス平均」
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教室。
「えええええ!?」
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玲美愛 「嘘でしょ!?」
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雅也 「マジか」
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将規 「すごくないか?」
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真優 「意外」
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美優 「意外」
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玲美愛 「失礼!」
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教室に笑いが起きる。
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朝倉先生 「しかもな」
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「学年上位十名のうち」
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「一年二組が六人」
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教室がさらに騒がしくなる。
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真衣 「六人!?」
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賢太郎 「結構いるな」
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朝倉先生 「では返却する」
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いよいよ個人結果。
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名前が呼ばれていく。
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真衣。
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真衣 「……82点」
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思わず目を見開く。
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賢太郎。
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賢太郎 「84点か」
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落ち着いている。
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雅也。
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雅也 「81点!」
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ガッツポーズ。
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将規。
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将規 「83点」
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満足そうだ。
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玲美菜。
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玲美菜 「85点……」
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真優。
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真優 「80点」
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美優。
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美優 「80点」
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ぴったり同じ。
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そして。
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玲美愛。
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結果を見る。
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固まる。
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全員が見る。
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玲美愛 「79点」
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教室。
「おおおおお!」
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玲美愛 「平均超えたーーー!!」
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大歓声。
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雅也 「何その優勝したみたいな反応」
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玲美愛 「だって平均超えたんだよ!?」
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将規 「まあ確かに」
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真衣 「おめでとう」
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玲美愛 「ありがとう!」
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その様子を見ながら朝倉先生が笑う。
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朝倉先生 「みんなよく頑張った」
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「ただし」
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教室が静まる。
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朝倉先生 「ここで満足するな」
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「来週は卒業生との勉強会だ」
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教室。
「あっ……」
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完全に忘れていた。
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朝倉先生 「ちなみに」
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ニヤリと笑う。
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「兼次郎たちは結果を知る予定です」
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全員。
「なんでですか!?」
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朝倉先生 「学年主任が教えるから」
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教室中から悲鳴が上がる。
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玲美愛 「逃げたい!」
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雅也 「無理」
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将規 「諦めろ」
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真優 「終わった」
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美優 「終わった」
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放課後。
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帰り道。
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真衣 「でもさ」
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賢太郎 「うん」
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真衣 「平均78点ってすごくない?」
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賢太郎 「確かにな」
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真衣 「ちょっと自信ついたかも」
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賢太郎 「俺も」
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春の風が吹く。
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結果は悪くなかった。
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そして次は――
卒業生との勉強会。
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伝説世代との再会が、また近づいていた。
☆
第11話 完




