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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第3話「それぞれの春」

卒業式から数日後。

三月の終わり。

少しずつ暖かくなった風が街を吹き抜けていた。

真衣は自室で制服を見つめていた。

机の上には卒業証書。

中学校の制服も、もう着ることはない。

真衣 「……終わったんだなぁ」

卒業式の日はあっという間だった。

泣いて。

笑って。

写真を撮って。

気づけば終わっていた。

コンコン。

結衣 「入るよー」

真衣 「どうぞ」

結衣が部屋へ入ってくる。

手には買い物袋。

結衣 「高校の教科書買ってきた」

真衣 「もうそんな時期か」

結衣 「来週入学式だしね」

高校。

新しい環境。

新しい生活。

真衣 「緊張する」

結衣 「卒業生代表やった人が?」

真衣 「それとこれとは別」

結衣 「あはは」

二人で笑った。

同じ頃。

賢太郎の家。

賢太郎はソファに寝転びながらスマホを眺めていた。

クラスのグループチャット。

卒業後も通知が止まらない。

玲美愛

『みんな元気!?』

雅也

『昨日も話しただろ』

真優

『暇』

美優

『暇』

将規

『宿題終わらん』

玲美菜

『高校始まる前から終わってる』

賢太郎 「相変わらずだな」

通知がまた鳴る。

真衣

『みんな暇なんだね』

玲美愛

『いたー!!』

雅也

『本人登場』

真優

『代表』

美優

『代表』

真衣

『やめて』

賢太郎が少し笑う。

卒業したのに。

何も変わっていない。

数日後。

高校入学説明会。

真衣たちはそれぞれ新しい制服に袖を通していた。

玲美愛 「どう!?」

真優 「似合ってる」

美優 「うるさい」

玲美愛 「褒めて!?」

雅也 「似合ってる似合ってる」

玲美愛 「雑!!」

周囲から笑い声が上がる。

その時。

真衣 「わっ」

足元の段差に気付かずバランスを崩す。

ガシッ。

賢太郎 「危ない」

真衣 「あ」

腕を支えられる。

真衣 「ありがとう」

賢太郎 「説明会前に怪我するなよ」

真衣 「しないよ」

賢太郎 「今した」

真衣 「……」

賢太郎 「した」

真衣 「しました」

少しだけ笑う。

その様子を見ていた玲美愛たち。

玲美愛 「見た?」

真優 「見た」

美優 「見た」

雅也 「見た」

将規 「見た」

玲美菜 「完全に見た」

真衣 「何が!?」

全員 「別にー」

真衣 「絶対何かある!」

さらに笑い声が広がる。

説明会終了後。

帰り道。

桜が少しだけ咲き始めていた。

真衣 「もう春だね」

賢太郎 「だな」

真衣 「高校生かぁ」

賢太郎 「実感ない」

真衣 「それは分かる」

しばらく歩く。

中学生だった日々。

楽しかった思い出。

卒業の寂しさ。

そして。

これから始まる新しい日々。

真衣 「ねえ」

賢太郎 「ん?」

真衣 「高校でもよろしく」

少し照れながら言う。

賢太郎は一瞬驚き、

そして小さく笑った。

賢太郎 「こちらこそ」

風が吹く。

舞い始めた桜の花びらが二人の間を通り過ぎていった。

新しい春。

新しい学校。

新しい毎日。

それはまだ始まったばかりだった。

第3話 完

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