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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第97話「自分で決めた場所」

十月。

放課後の教室は、いつもより静かだった。

廊下から聞こえるのは、三者面談を待つ保護者たちの声。

真衣は進路希望調査票を握ったまま、小さく息を吐く。

第一志望。

そこには、結衣の母校の名前が書かれていた。

何度も消して、何度も書き直した文字。

でも最後に残ったのは、やっぱりその名前だった。

教室。

担任が資料を見ながら頷く。

担任 「第一志望、公立○○高校か」

真衣 「はい」

隣には母。

そして少し遅れて、結衣も来ていた。

担任 「理由、聞いてもいいか?」

真衣は少しだけ緊張する。

でも、逃げたくなかった。

真衣 「最初は……姉が通ってたから気になってました」

結衣が少しだけ目を丸くする。

真衣 「でも、それだけじゃなくて」

真衣は調査票を見る。

真衣 「文化祭とか、授業体験とか行って」

真衣 「自分に合ってる気がしました」

担任は静かに聞いている。

真衣 「教育系の進路も強いし」

真衣 「ちゃんと勉強したいって思えたので」

その言葉は、前よりずっと自然に出た。

担任は小さく頷く。

担任 「いいと思う」

真衣 「……え?」

担任 「ちゃんと“自分の言葉”で話せてる」

真衣は少しだけ息を止める。

担任 「誰かに流された感じじゃない」

その一言が、胸に残る。

面談後。

廊下。

真衣 「……疲れた」

結衣 「顔固すぎだったけどね」

真衣 「無理」

結衣は少し笑う。

結衣 「でも、ちゃんと自分で決めた顔してた」

真衣は少しだけ黙る。

真衣 「……そうかな」

結衣 「うん」

帰り道。

夕方の風は少し冷たい。

真衣はスマホを取り出す。

送信先は賢太郎。

『進路決めた』

すぐ既読。

『どこ?』

真衣は少しだけ立ち止まる。

そして打つ。

『お姉ちゃんの高校』

数秒後。

『そっか』

『真衣が決めたなら、それが一番いいと思う』

真衣は画面を見たまま、小さく息を吐く。

少し前の自分なら、 その返事に寂しさを感じていたかもしれない。

でも今は違う。

“自分で決めた”

その実感が、ちゃんとあった。

夜。

自室。

机の上には高校案内と参考書。

真衣はベッドに座りながら、今日のことを思い返す。

賢太郎と同じ道じゃないかもしれない。

でも。

それでも、自分で選んだ場所へ行きたいと思った。

真衣 「……これでいいんだ」

小さく呟く。

未来はまだ不安だ。

でも。

今日の選択だけは、ちゃんと自分のものだった。

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