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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第91話「夏祭りの約束」

八月。

街は完全に夏の色になっていた。

蝉の声。強い日差し。夕方になっても残る熱気。

真衣は自室の床に寝転びながら、スマホを見つめていた。

通知欄には、グループメッセージ。

『今年の夏祭りどうする?』

送信者は龍也。

真衣 「……夏祭りか」

小さく呟く。

去年までは、ただ友達と行くイベントだった。

でも今年は少し違う。

そのとき、スマホが震える。

賢太郎。

『夏祭り、行く?』

真衣は画面を見たまま止まる。

少し考えてから返す。

『行くと思う』

数秒後。

『一緒に回る?』

真衣 「うわ……」

顔を伏せる。

心臓が少しだけうるさい。

リビング。

結衣は飲み物を飲みながらスマホを見ていた。

真衣が降りてくる。

結衣 「なんかあった顔」

真衣 「最近そればっか」

結衣 「当たってるし」

真衣はソファに座る。

真衣 「夏祭り誘われた」

結衣 「賢太郎くん?」

真衣 「うん」

結衣は少しだけ笑う。

結衣 「行きたい?」

真衣はすぐに答えられない。

真衣 「……行きたいとは思う」

結衣 「じゃあ行けば?」

真衣 「でも、二人ってなるとなんか違う」

結衣 「違うね」

即答。

真衣 「そこ否定しないんだ」

結衣 「だって実際違うでしょ」

真衣はクッションを抱える。

真衣 「なんか最近、“選ぶ”こと多すぎない?」

結衣 「増える時期なんだよ」

真衣 「めんどくさい時期だ」

結衣 「それはそう」

夜。

グループ通話。

なぜか真衣まで参加させられていた。

龍也 『夏祭り!!集合な!!』

瑠姫愛 『うるさい』

一将 『毎年同じテンションだな』

雷斗 『学習しない』

龍也 『なんで俺だけ!?』

真衣は少しだけ笑う。

こういう空気は嫌いじゃない。

玲緒菜 『真衣ちゃんも来るんだよね?』

真衣 「あ、はい」

龍也 『賢太郎も来るらしいぞ』

真衣 「……は?」

一瞬で空気が変わる。

龍也 『え、知らなかった?』

瑠姫愛 『龍也』

龍也 『あ』

真衣は静かに顔を覆う。

結衣 「最悪」

龍也 『ごめんって!!』

通話の向こうで笑い声が広がる。

でも真衣だけは笑えない。

通話が終わったあと。

真衣は自室のベッドに倒れ込む。

真衣 「なんで夏祭りでこんな緊張するの……」

スマホが震える。

賢太郎から。

『龍也がごめん』

真衣は少しだけ笑ってしまう。

『別にいい』

送信。

数秒後。

『でも、ちゃんと一緒に回りたい』

真衣は画面を見たまま固まる。

夏祭り。

浴衣。

人混み。

並んで歩く距離。

想像しただけで、落ち着かない。

でも。

嫌じゃなかった。

真衣 「……ほんと、ずるい」

小さく呟く。

窓の外では、夏の風がゆっくり揺れていた。

祭りの日は、少しずつ近づいている。

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