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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第73話「はじまりの予定表」

春が終わって、少しだけ季節が曖昧になった頃。

大学の講義室は、まだ新しい匂いがしていた。


玲緒菜はノートを開きながら、静かにペンを走らせる。

そこに書かれているのはレポートではなく

予定表だった。


玲緒菜 「……多いな」


バイト、講義、課題、実習準備。

そして、その隙間に小さく書かれた文字。


『再会(9月)』


そのときスマホが震える。

『今週、少し空いてる?』

龍也。


その後に続く。

『みんなで飯行くぞ』


玲緒菜 『行ける』


即答。


大学の廊下。

結衣は講義後の教室で、ノートをまとめていた。


結衣 「先生になるって、忙しいな」


一将 「まだ学生だろ」


結衣 「それ言う?」


一将は隣で淡々とスマホを見ている。


一将 「予定、増えすぎだな」


結衣 「うん。でも……悪くない」


その“悪くない”は、少しだけ嬉しそうだった。


駅前のカフェ。

瑠姫愛はコーヒーを飲みながら笑う。


瑠姫愛 「ねぇ雷斗」


雷斗 「なんだ」


瑠姫愛 「みんなさ、ほんとにバラバラになったね」


雷斗 「今さらだろ」


瑠姫愛 「でもさ」


少しだけ間。


瑠姫愛 「まだ集まってるの、変だよね」


雷斗 「変だけど、続いてる」


瑠姫愛は少し笑う。


瑠姫愛 「それでいいか」


その頃。

龍也はスマホを見ながら叫んでいた。


龍也 「おい!全員返事早すぎるだろ!」


大将 「お前が遅いだけだ」


龍也 「うるせぇ!!」


夜。

駅前の広場。

六人が揃う。


龍也 「はい集合!!」

結衣 「毎回うるさい」

瑠姫愛 「でも来るんだよね」

一将 「習慣だな」

雷斗 「ただの定期会合だろ」


玲緒菜は少しだけ笑う。


玲緒菜 「予定表、増えたね」


龍也 「なんかもうスケジュール管理ゲーじゃね?」


結衣 「人生はゲームじゃない」


一将 「でも似てるかもな」


少しの沈黙。


瑠姫愛 「じゃあさ」


全員が見る。


瑠姫愛 「次の予定も決めよっか」


龍也 「またかよ!!」


でも、誰も反対しない。


玲緒菜は思う。


「予定があるって、安心だな」


そして小さく書き足す。


『次:未定(でも必ずある)』


それが、この関係の今だった。


“はじまりの予定表”は、まだ白紙のまま続いていく。

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