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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第71話「最後の帰り道」

卒業式終了後。

校舎の外。

春の風。

桜はまだ満開ではない。

でも。

確かに春の匂いがしていた。

校門前は、人で溢れていた。

写真。

保護者。

泣き声。

笑い声。

“卒業”という言葉が、 あちこちに転がっている。

龍也

「集合写真!!!」

また叫んでいた。

瑠姫愛

「さっきからずっと撮ってるじゃん」

龍也

「最後だからだよ!!」

結衣

「今日だけで写真フォルダ終わりそう」

一将

「容量なくなるぞ」

玲緒菜は笑いながらスマホを見る。

通知。

茉優

『写真送れぇぇぇ!!!』

兼次郎

『龍也泣いた?』

玲緒菜

「秒で来てるんだけど」

龍也

「送るな!!」

瑠姫愛

「もう動画あるけど?」

龍也

「誰だ撮ったやつ!!」

爆笑。

その空気が、 愛しかった。

担任も校門へ出てくる。

龍也

「先生!!!」

担任

「うるせぇな」

でも。

顔は笑っていた。

結衣

「先生、一緒に写真撮りましょう」

担任

「はいはい」

全員集まる。

龍也

「先生もっと真ん中!!」

担任

「なんで俺主役なんだよ」

瑠姫愛

「うちのクラス実質先生込みで完成形だから」

担任

「意味分からん」

カシャ。

シャッター音。

その一枚が、 “高校生活最後のクラス写真”になった。

しばらくして。

少しずつ生徒たちが帰り始める。

「またな!」

「大学でも頑張れよ!」

「連絡しろよー!」

笑顔。

でも。

どこか寂しい。

龍也

「……帰るか」

その一言で、 六人が静かになる。

帰る。

つまり。

“高校生としての帰り道”が終わる。

六人で歩き出す。

いつもの通学路。

何百回も歩いた道。

コンビニ。

交差点。

公園。

全部見慣れている。

でも今日は、 全部が少し違って見えた。

龍也

「うわー……」

瑠姫愛

「また始まった」

龍也

「だってもう制服でここ歩くことないんだぞ!?」

結衣

「確かに……」

玲緒菜は制服の袖を見る。

三年間着た制服。

嬉しい時も。

苦しい時も。

ずっと一緒だった。

一将

「なんだかんだ、あっという間だったな」

雷斗

「長かったけどな」

龍也

「どっちだよ」

雷斗

「両方」

少し静かになる。

玲緒菜

「……ねえ」

全員が見る。

「もしさ」

「また高校生活やり直せるって言われたら、やる?」

龍也

「やる!!!」

即答。

瑠姫愛

「早っ」

龍也

「だって楽しかったもん」

結衣は少し考える。

「……私は、もう一回頑張れる自信ないかも」

一将

「受験がキツすぎたな」

瑠姫愛

「でも、このメンバーならちょっとやりたい」

玲緒菜は笑う。

そして。

視線を雷斗へ向けた。

玲緒菜

「雷斗は?」

雷斗は少し黙る。

風が吹く。

制服の裾が揺れる。

そして。

小さく言った。

「……まあ」

全員待つ。

「悪くなかった」

数秒。

龍也

「お前それ最高評価だろ!!」

爆笑。

雷斗

「うるせぇ」

でも。

少しだけ笑っていた。

駅前。

別れ道。

ここで、 いつも解散していた。

龍也

「……じゃあな」

誰もすぐ動かない。

結衣

「また会えるのにね」

瑠姫愛

「でも今日だけ特別感ある」

玲緒菜はみんなを見る。

この時間は、 もう戻らない。

でも。

だからこそ綺麗なんだと思った。

龍也

「また集まろうぜ」

一将

「当たり前だ」

雷斗

「騒がしいのは勘弁」

瑠姫愛

「無理でーす」

笑い声。

そして。

六人はそれぞれの方向へ歩き始める。

高校生活が終わった。

でも。

きっとこれは、“終わり”じゃない。

春の空は、 どこまでも青かった。

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