第60話 「二次試験」
二月中旬。
☆
朝。
まだ夜の名残が残る時間。
☆
駅には、 同じような顔をした受験生が並んでいた。
☆
誰も多くは喋らない。
イヤホン。
参考書。
小さなため息。
☆
結衣は改札前で立ち止まった。
結衣
「……ほんとに来ちゃった」
☆
龍也が隣で笑う。
龍也
「来るしかない日だろ」
☆
瑠姫愛は少しだけ深呼吸していた。
瑠姫愛
「緊張やばい」
☆
でも。
誰も逃げない。
☆
それぞれが、 自分の大学へ向かう。
☆
一将は静かに言った。
天野一将
「行くぞ」
☆
結衣は頷いた。
☆
「うん」
☆
その一言で、 全員が動き出す。
☆
——試験会場。
☆
空気が違った。
☆
静か。
重い。
張り詰めている。
☆
机に座る。
番号を見る。
問題冊子が配られる。
☆
手が少し震える。
☆
結衣は手を握りしめた。
☆
(大丈夫)
(ここまで来た)
☆
試験開始の合図。
☆
——開始。
☆
一気にページがめくられる音。
☆
鉛筆の音。
呼吸の音。
☆
世界が変わる。
☆
教室の中は、 “戦場”になった。
☆
普通科。
☆
玲緒菜も同じように席に座っていた。
篠田玲緒菜
京大。
☆
問題冊子を開く。
☆
一問目。
☆
(解ける)
☆
少し安心。
でもすぐ次が来る。
☆
難しい。
☆
手が止まる。
☆
(落ち着け)
☆
深呼吸。
☆
隣の雷斗の言葉が頭に浮かぶ。
——焦るな
☆
玲緒菜は鉛筆を握り直す。
☆
もう一度考える。
☆
(まだ終わってない)
☆
午前が終わる。
☆
昼休み。
☆
誰も多く喋らない。
☆
パンを食べる音だけ。
二月中旬。
☆
朝。
まだ夜の名残が残る時間。
☆
駅には、 同じような顔をした受験生が並んでいた。
☆
誰も多くは喋らない。
イヤホン。
参考書。
小さなため息。
☆
結衣は改札前で立ち止まった。
結衣
「……ほんとに来ちゃった」
☆
龍也が隣で笑う。
龍也
「来るしかない日だろ」
☆
瑠姫愛は少しだけ深呼吸していた。
瑠姫愛
「緊張やばい」
☆
でも。
誰も逃げない。
☆
それぞれが、 自分の大学へ向かう。
☆
一将は静かに言った。
天野一将
「行くぞ」
☆
結衣は頷いた。
☆
「うん」
☆
その一言で、 全員が動き出す。
☆
——試験会場。
☆
空気が違った。
☆
静か。
重い。
張り詰めている。
☆
机に座る。
番号を見る。
問題冊子が配られる。
☆
手が少し震える。
☆
結衣は手を握りしめた。
☆
(大丈夫)
(ここまで来た)
☆
試験開始の合図。
☆
——開始。
☆
一気にページがめくられる音。
☆
鉛筆の音。
呼吸の音。
☆
世界が変わる。
☆
教室の中は、 “戦場”になった。
☆
普通科。
☆
玲緒菜も同じように席に座っていた。
篠田玲緒菜
京大。
☆
問題冊子を開く。
☆
一問目。
☆
(解ける)
☆
少し安心。
でもすぐ次が来る。
☆
難しい。
☆
手が止まる。
☆
(落ち着け)
☆
深呼吸。
☆
隣の雷斗の言葉が頭に浮かぶ。
——焦るな
☆
玲緒菜は鉛筆を握り直す。
☆
もう一度考える。
☆
(まだ終わってない)
☆
午前が終わる。
☆
昼休み。
☆
誰も多く喋らない。
☆
パンを食べる音だけ。
二月中旬。
☆
朝。
まだ夜の名残が残る時間。
☆
駅には、 同じような顔をした受験生が並んでいた。
☆
誰も多くは喋らない。
イヤホン。
参考書。
小さなため息。
☆
結衣は改札前で立ち止まった。
結衣
「……ほんとに来ちゃった」
☆
龍也が隣で笑う。
龍也
「来るしかない日だろ」
☆
瑠姫愛は少しだけ深呼吸していた。
瑠姫愛
「緊張やばい」
☆
でも。
誰も逃げない。
☆
それぞれが、 自分の大学へ向かう。
☆
一将は静かに言った。
天野一将
「行くぞ」
☆
結衣は頷いた。
☆
「うん」
☆
その一言で、 全員が動き出す。
☆
——試験会場。
☆
空気が違った。
☆
静か。
重い。
張り詰めている。
☆
机に座る。
番号を見る。
問題冊子が配られる。
☆
手が少し震える。
☆
結衣は手を握りしめた。
☆
(大丈夫)
(ここまで来た)
☆
試験開始の合図。
☆
——開始。
☆
一気にページがめくられる音。
☆
鉛筆の音。
呼吸の音。
☆
世界が変わる。
☆
教室の中は、 “戦場”になった。
☆
普通科。
☆
玲緒菜も同じように席に座っていた。
篠田玲緒菜
京大。
☆
問題冊子を開く。
☆
一問目。
☆
(解ける)
☆
少し安心。
でもすぐ次が来る。
☆
難しい。
☆
手が止まる。
☆
(落ち着け)
☆
深呼吸。
☆
隣の雷斗の言葉が頭に浮かぶ。
——焦るな
☆
玲緒菜は鉛筆を握り直す。
☆
もう一度考える。
☆
(まだ終わってない)
☆
午前が終わる。
☆
昼休み。
☆
誰も多く喋らない。
☆
パンを食べる音だけ。
結衣は天井を見上げていた。
「……生きてる」
龍也が笑う。
「大げさ」
「いやマジで」
☆
一将は静かに水を飲む。
☆
「まだ半分」
☆
午後。
☆
再び試験。
☆
時間が重い。
☆
問題が進むたび、 心臓が鳴る。
☆
結衣は必死に書いた。
消して。
また書く。
☆
(あと少し)
☆
時間が消えていく。
☆
終了の合図。
☆
——終了。
☆
一瞬の静寂。
☆
そして。
鉛筆が置かれる音。
☆
終わった。
☆
玲緒菜も同じように、 鉛筆を置いた。
☆
長い沈黙。
☆
(終わった……)
☆
でもまだ、 何も終わっていない。
☆
帰り道。
☆
夕方。
冬の空。
☆
結衣は歩きながら呟いた。
「やり切ったか分かんない」
☆
一将は少しだけ空を見る。
「それでいい」
☆
「え?」
☆
「受験はいつもそう」
☆
結衣は少し笑った。
「なにそれ」
☆
でも。
少しだけ安心した。
☆
普通科。
玲緒菜は夜空を見上げる。
☆
「……終わったね」
雷斗が隣で言う。
武田雷斗
「まだ結果は出てない」
☆
玲緒菜は小さく笑う。
「うん」
☆
でも。
やり切った感覚はあった。
☆
長い受験生活。
ついに一つの区切りへ。




