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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第56話 「勘違い」

共通テスト自己採点から二日後。

朝。

教室の空気はまだ重かった。

判定システム。

出願相談。

共通テストリサーチ。

受験生たちは、 点数という現実と向き合っていた。

その中。

結衣は机へ突っ伏していた。

結衣

「終わった……」

完全に沈んでいる。

龍也が苦笑する。

龍也

「まだ言ってる」

「だって数学がぁ……」

瑠姫愛も心配そうだった。

瑠姫愛

「結衣、昨日からずっと元気ないよね」

当然だった。

結衣は本気で、 “失敗した”と思っている。

東大。

一将と同じ場所。

そこへ行きたかった。

でも。

共通テストで崩れた。

そのショックが、 まだ抜けていない。

一方。

一将は静かに問題集を解いていた。

天野一将

相変わらず冷静。

結衣が恨めしそうに見る。

「なんで平然としてるの……」

「終わった試験だから」

「メンタル強すぎる!」

その時。

担任が教室へ入ってきた。

「共通テストの正式データ返ってきたぞー」

教室がざわつく。

結衣の肩が跳ねた。

怖い。

見たくない。

でも見なきゃいけない。

担任が一人ずつ返していく。

そして。

結衣の前へ紙が置かれた。

結衣はゆっくり見る。

沈黙。

「……え?」

止まる。

もう一回見る。

数学。

——満点。

結衣の思考が完全停止する。

「…………は?」

龍也が見る。

「どうした」

結衣は震える手で紙を見せる。

「満点なんだけど」

教室が止まる。

「は???」

「え!?」

「マークミスじゃなかったの!?」

結衣自身が一番混乱していた。

「え!?!?」

「でもズレてたよ!?」

一将が採点表を見る。

そして静かに言った。

「問題番号見間違えてただけ」

沈黙。

結衣の顔が固まる。

数秒後。

「えぇぇぇぇぇ!?!?!?」

教室爆発。

龍也が笑い崩れる。

「二日間落ち込んでたの何だったんだよ!」

瑠姫愛も笑って涙出てる。

「よかったぁ……!」

結衣は完全にパニック。

「いや待って!?!」

「私二次終わった気でいたんだけど!?」

一将が小さく息を吐く。

「騒がしい」

「だって!!」

その時。

担任が苦笑しながら言った。

「ちなみに総合点、東大教育学部かなり上位な」

静寂。

結衣が固まる。

「……え?」

「判定ほぼ満点クラス」

再び教室騒然。

「強すぎ!?」

「なんで病んでたんだよ!」

結衣は机へ突っ伏した。

「恥ずかしいぃぃ……!!」

顔真っ赤。

二日間、 完全に絶望していた。

でも。

全部勘違い。

玲緒菜も笑いながら言う。

篠田玲緒菜

「結衣らしすぎる……」

雷斗も珍しく少し笑っていた。

武田雷斗

「無駄に落ち込んでたな」

「ほんとだよ!!」

でも。

その空気で、 教室が少し明るくなる。

ここ最近、 ずっと張り詰めていた。

でも。

今だけは、 みんな笑っていた。

放課後。

帰り道。

結衣はまだ顔を覆っていた。

「消えたい……」

一将が隣を歩く。

「二日間ずっと人生終わったみたいになってた……」

「実際は満点だった」

「やめてぇぇ……!」

一将が少しだけ笑う。

ほんの少し。

結衣が止まる。

「……今笑った?」

「気のせい」

「絶対笑った!」

でも。

その空気が、 少し嬉しかった。

冬の空。

冷たい風。

受験は苦しい。

怖い。

不安になる。

でも。

こういう時間が、 彼らを少しずつ支えていた。

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