表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/470

第46話 「文化祭のあと」

文化祭終了から三日後。

月曜日。

朝。

学校は驚くほど静かだった。

数日前までの、

音楽

笑い声

装飾

熱気

それが全部消えている。

廊下から文化祭の飾りも外され、 いつもの校舎へ戻っていた。

でも。

“いつも”には戻っていなかった。

結衣は教室へ入るなり言った。

結衣

「文化祭返して……」

龍也が苦笑する。

龍也

「文化祭ロス重症だな」

「静かすぎるの!」

瑠姫愛も窓の外を見る。

瑠姫愛

「なんか急に現実戻ってきた感じする」

その言葉に、 何人かが静かに頷く。

文化祭が終わった。

つまり。

次はもう、 受験へ一直線。

その時。

担任が教室へ入る。

黒板へ書く。

——共通テストまで96日

教室の空気が変わる。

結衣が崩れ落ちる。

「二桁ぉぉ!?!?」

一将が静かに参考書を開く。

天野一将

「減ったな」

「冷静すぎる!」

普通科。

玲緒菜も黒板を見て固まっていた。

篠田玲緒菜

「96日……」

文化祭中は忘れていた。

でも。

現実は止まっていない。

雷斗が隣へ座る。

武田雷斗

「切り替えろ」

玲緒菜が苦笑する。

「早いよぉ……」

でも。

雷斗の机には、 もう赤本が開かれていた。

昼休み。

屋上。

以前より、 少し静か。

結衣がパンを食べながら呟く。

「文化祭終わったら急に寂しくなった」

龍也も頷く。

「分かる」

瑠姫愛が小さく笑う。

「でも終わったからこそ、楽しかったって思えるのかも」

その言葉で。

一瞬、 第44話の一将の言葉が重なる。

——終わるから覚えてる。

結衣が少し空を見る。

「……高校生活って短いね」

誰も否定しなかった。

放課後。

自習室。

空気は完全に変わっていた。

文化祭前より、 さらに静か。

誰も喋らない。

ただ、 問題を解く音だけ。

結衣は英語長文。

一将は東大数学。

龍也は現代文。

瑠姫愛は世界史論述。

玲緒菜は京大過去問。

赤本を開く。

問題を見る。

難しい。

文化祭の楽しい余韻。

でも。

現実は甘くない。

玲緒菜は小さく息を吐く。

「……難し」

その時。

隣から声。

「去年の第二問」

雷斗だった。

「そこ、条件整理先」

玲緒菜が少し笑う。

「またそれ」

「基本」

でも。

その言葉で、 少し落ち着く。

夜。

帰り道。

秋風。

少し寒い。

文化祭が終わった学校は、 どこか寂しかった。

でも。

彼らは立ち止まれない。

結衣が歩きながら言う。

「次の楽しみ何?」

龍也が苦笑する。

「受験終わり」

「重い!」

瑠姫愛が笑う。

「でも、そこまで行きたいね」

その言葉に、 みんな少し静かになる。

受験の先。

大学。

未来。

別々の道。

でも今はまだ、 同じ場所で戦っている。

玲緒菜は空を見る。

文化祭は終わった。

青春の一ページが閉じた。

でも。

物語はまだ終わらない。

次は

“未来”を掴む戦いだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ