第45話 「文化祭二日目」
文化祭二日目。
最終日。
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朝の学校は、 昨日以上に騒がしかった。
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一般客。
保護者。
他校生。
後夜祭目当ての生徒。
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校門前はすでに人だらけ。
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結衣は朝から走っていた。
結衣
「ステージ準備お願いしまーす!」
完全に実行委員モード。
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龍也が笑う。
龍也
「昨日より仕上がってるな」
瑠姫愛も頷く。
瑠姫愛
「すごい楽しそう」
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一方。
一将は冷静に仕事を処理していた。
天野一将
「備品足りない」
「持ってくる!」
「走るな」
「無理!」
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完全に保護者。
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その頃。
普通科。
玲緒菜たちのクラスは大盛況だった。
篠田玲緒菜
「いらっしゃいませー!」
笑顔。
クラスTシャツ。
楽しそうな空気。
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雷斗は入口整理担当。
武田雷斗
しかし。
怖い。
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女子客が小声で騒ぐ。
「店員さん怖い!」
「でもかっこいい!」
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玲緒菜が吹き出す。
「接客向いてないよ」
雷斗が即答。
「知ってる」
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昼過ぎ。
屋上。
少しだけ休憩。
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文化祭の音が遠くから聞こえる。
ダンス。
拍手。
歓声。
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結衣がジュースを飲みながら言う。
「終わっちゃう……」
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昨日より、 その言葉が重かった。
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龍也も空を見る。
「最後だもんな」
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瑠姫愛が小さく笑う。
「高校生終わる感じする」
その言葉に、 少し静けさが落ちる。
☆
受験。
大学。
未来。
そこへ向かって進んでいる。
でも。
今この時間は、 確かに“高校生”だった。
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その時。
校内放送。
『後夜祭ステージ、間もなく開始です』
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結衣が立ち上がる。
「行かなきゃ!」
一将も立つ。
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放課後。
後夜祭。
体育館。
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暗転。
照明。
歓声。
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バンド。
ダンス。
ビンゴ大会。
文化祭最後の盛り上がり。
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玲緒菜たちも観客席にいた。
☆
「すご……」
体育館の熱気がすごい。
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その時。
突然ステージ側がざわつく。
『文化祭実行委員から一言です!』
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結衣がステージへ押し出される。
「え!?!?」
体育館爆笑。
マイクを持たされる。
完全にパニック。
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「え、えっと……!」
観客の視線集中。
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結衣は顔を真っ赤にしながら言う。
「文化祭、めちゃくちゃ大変だったけど!」
「すごく楽しかったです!!」
拍手。
歓声。
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「受験生だけど!」
「最後にちゃんと青春できた気がします!!」
さらに拍手。
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結衣は少し涙ぐみながら笑った。
「みんなありがとうー!!」
体育館が揺れる。
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その後ろ。
一将が静かに見ていた。
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龍也がニヤける。
「完全に主人公だな」
瑠姫愛も笑う。
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玲緒菜はその景色を見ながら、 少し胸が熱くなった。
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青春。
恋。
友情。
受験。
全部混ざってる。
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こんな高校生活、 ずっと続けばいいのに。
少しだけ、 そう思った。
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夜。
後夜祭終了。
外。
秋風。
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校舎には、 まだ文化祭の飾りが残っている。
でも。
祭りは終わった。
☆
結衣が空を見る。
「……終わっちゃった」
その声は、 少し震えていた。
一将が隣へ来る。
少し沈黙。
そのあと。
「楽しかったな」
結衣が止まる。
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一将から、 そんな言葉が出ると思わなかった。
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結衣は少し笑う。
「……うん」
☆
遠くで、 片付けの音が聞こえる。
文化祭は終わった。
つまり。
次に来るのは——
受験本番への時間だった。




