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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第41話 「文化祭実行委員」

十月初旬。

放課後。

教室。

文化祭まで、 あと二週間。

校内は完全に準備モードだった。

段ボール。

ペンキ。

装飾。

試作品。

笑い声。

受験生だらけの三年ですら、 少し浮ついている。

結衣は教室後方で騒いでいた。

結衣

「青春してる感じする!!」

龍也が呆れる。

龍也

「テンション高いな」

「高校最後の文化祭だよ!?」

瑠姫愛も笑う。

瑠姫愛

「結衣、今日ずっと元気だよね」

一方。

一将は普通に参考書を開いていた。

天野一将

結衣が即反応。

「なんで勉強してるの!?」

「受験生」

「今だけ文化祭モードになろうよ!?」

そんな中。

担任が教室へ入ってくる。

「おーい、文化祭実行委員まだ決まってないぞー」

教室が静まる。

「誰かやる奴いないか?」

沈黙。

全員、 目を逸らす。

理由は簡単。

“面倒”。

しかも受験期。

結衣が小声で言う。

「絶対大変なやつ……」

龍也も頷く。

「今やるには重い」

担任がため息をつく。

「このままだと俺が決めるぞー」

その瞬間。

「はい!!!!」

結衣が勢いよく手を挙げた。

教室が止まる。

「え?」

「は?」

「結衣!?」

結衣本人も勢いで挙げた顔していた。

「……あ」

龍也が吹き出す。

「お前ほんとノリで生きてんな」

「違うの!!」

「なんか空気で!?」

担任が即答。

「じゃあ決定」

「早い!!」

教室が笑いに包まれる。

すると。

担任がさらに言う。

「あともう一人必要」

再び静寂。

結衣が周囲を見る。

誰も目を合わせない。

「えぇぇぇ……」

完全に焦る。

その時。

「俺やる」

静かな声。

全員が見る。

一将だった。

結衣が固まる。

「……え」

一将は普通に言う。

「一人だと騒がしいから」

教室爆笑。

「言うなぁ!」

「その通りだけど!!」

結衣は顔を真っ赤にする。

「なんでやるの!?」

一将は少しだけ結衣を見る。

「放っておくと危ない」

「保護者みたいに言うな!」

でも。

少し嬉しかった。

放課後。

実行委員会。

大量の資料。

スケジュール。

配置図。

タイムテーブル。

結衣が絶望顔になる。

「多いぃ……」

一将が淡々と紙を整理する。

「だから面倒って言われる」

「今さら!?」

文化祭実行委員の仕事は想像以上だった。

クラス確認

ステージ調整

ポスター許可

出店管理

当日進行

完全にブラック。

結衣が机へ突っ伏す。

「終わった……」

一将が静かに言う。

「まだ始まってない」

「そのセリフ最近多い!」

その頃。

玲緒菜たち普通科も準備中。

段ボールを運びながら、 玲緒菜が笑う。

篠田玲緒菜

「文化祭って感じするね」

雷斗が横で木材を持つ。

武田雷斗

「疲れる」

「それはそう」

でも。

雷斗も少しだけ表情が柔らかい。

玲緒菜が小さく聞く。

「雷斗くん、文化祭好き?」

少し沈黙。

そのあと。

「嫌いじゃない」

玲緒菜が笑った。

「それ、好きってことじゃん」

「違う」

そんなやり取りの奥で。

受験の不安は、 まだ消えていない。

でも。

今だけは少し忘れられる。

夕方。

校舎は夕焼け色。

騒がしい廊下。

笑い声。

結衣は資料を抱えながら歩く。

「受験も文化祭もあるとか忙しすぎる……」

一将が隣を歩く。

「でも楽しそう」

結衣が止まる。

「……え」

一将は少しだけ視線を逸らす。

「今のお前」

その一言だけ。

結衣は少し黙る。

そして。

「……反則」

小さく笑った。

高校最後の文化祭。

それはきっと、 ただのイベントじゃない。

“今しかない時間”

そのものだった。

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