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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第36話 「全国模試」

九月中旬。

大型全国模試当日。


校内の空気は、 夏とは比べものにならないほど重かった。

理由は簡単。

——全国順位が出る。


つまり。

“全国の受験生の中で、自分がどこにいるのか”

それが数字になる。


朝。

昇降口。

結衣は顔面蒼白だった。

結衣

「全国って怖すぎる……」

龍也が苦笑する。

龍也

「夏模試より緊張してるな」

「だって全国だよ!?」


瑠姫愛も少し硬い表情。

瑠姫愛

「さすがに緊張する……」


一方。

一将はいつも通りだった。

天野一将

結衣が見る。

「なんでそんな平然としてるの」

「模試だから」

「兼次郎くんと同じタイプだ!」


普通科側。

玲緒菜は深呼吸していた。

篠田玲緒菜

雷斗が隣へ来る。

武田雷斗

「顔固い」

「だって全国……」


玲緒菜は小さく言う。

「もし全然通用しなかったらって考える」

雷斗は静かに答えた。

「通用させる」

「簡単に言う……」

「今まで何してきた」


その一言で、 玲緒菜は少し笑った。

確かに。

この夏、 ちゃんと積み重ねてきた。


試験開始。

教室。

問題用紙。

張り詰めた空気。


英語。

夏より難しい。

でも。

結衣は以前ほど焦らなかった。


(読める)

全部じゃない。

でも。

確実に前より読めている。


数学。

玲緒菜は問題を見て、 一瞬だけ止まる。

難しい。

でも。

逃げない。

条件を書く。

整理する。

考える。


雷斗に何度も言われた。

『途中で諦めるな』

その言葉が頭に残っていた。

昼休み。

教室。

全員かなり疲れている。


結衣が机へ倒れる。

「全国の人たち賢すぎる……」

龍也も苦笑する。

「分かる」


瑠姫愛が静かに言う。

「でも前より戦えてる気がする」

その言葉に、 みんな少し頷いた。


午後終了。

完全に消耗。

でも。

以前とは違った。

“やり切った感”がある。


帰り道。

夕方。

結衣が空を見ながら言う。

「なんかさ」

「ん?」

「前より、“無理”って思わなくなったかも」

一将が隣で答える。

「慣れたな」

「その言い方!」

でも。

少し嬉しかった。


玲緒菜も静かに歩いていた。

雷斗が聞く。

「どうだった」

玲緒菜は少し考える。

「……怖かった」

「ん」

「でも、逃げなかった」


雷斗は短く頷く。

「なら十分」

その言葉が、 玲緒菜には何より嬉しい。


夜。

それぞれの部屋。

机。

参考書。

模試の自己採点。


受験は厳しい。

全国には、 もっと上がいる。

天才もいる。

努力してる人もいる。


でも。

彼らも負けていなかった。


夏を越えた彼らは、 確実に強くなっている。

そして。

全国模試の結果は、 数週間後。

新たな現実を、 彼らへ突きつけることになる。

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