表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/449

第35話 「秋の入り口」

九月。

新学期。

夏休みが終わった学校は、 どこか空気が違っていた。


特に三年生。

夏を越えた受験生たちは、 明らかに雰囲気が変わっている。


朝。

教室。

結衣は席へ座るなり机へ突っ伏した。

結衣

「夏休み返して……」

龍也が笑う。

龍也

「始業式初日からそれか」

「学校モード戻れない!」


瑠姫愛も苦笑する。

瑠姫愛

「でもなんか久しぶりだね」


教室には、 夏を越えた空気があった。

以前より静か。

以前より真剣。

受験が“本番へ近づいてる”感じ。


その時。

担任が入ってくる。

「はい席つけー」

そして黒板へ大きく書く。

——共通テストまで132日


教室が静まった。


結衣が震える。

「数字で見るのやめてぇ……」

一将は普通にノートを開く。

天野一将

「もうそんなか」

「冷静すぎる!」


一方。

普通科。

玲緒菜も黒板を見て固まっていた。

篠田玲緒菜

「132日……」

雷斗が隣で言う。

武田雷斗

「短いな」

「怖い言い方しないで!?」


でも。

玲緒菜は少し思う。

以前なら、 この数字だけで押し潰されていた。

でも今は違う。

怖い。

だけど、 逃げたいとは思わなかった。


昼休み。

屋上。

いつものメンバー集合。


結衣がパンを食べながら唸る。

「A判定取ったのに不安消えないんだけど」

龍也が笑う。

「受験ってそんなもんじゃね?」


瑠姫愛も頷く。

「判定良くても、“本番”じゃないもんね」


茉優が静かに言う。

茉優

「でも夏前より、自信ついた気がする」

兼次郎も頷いた。

兼次郎

「積み重ねたからな」


その言葉に、 全員少し静かになる。


夏。

彼らは確かに頑張った。

だから今、 ここに立てている。

玲緒菜が小さく笑う。

「なんかさ」

「ん?」

「“受験生”って感じする」

結衣が即答。

「それはずっとしてる!」

「結衣は騒がしい受験生だけどね」

「否定できない!」

笑いが広がる。


放課後。

自習室。

新学期初日なのに、 席はかなり埋まっていた。


受験モード。

誰もが、 本気になり始めている。


結衣は英語。

一将は数学。

龍也は現代文。

瑠姫愛は世界史。

玲緒菜は京大数学。

雷斗は英作文。

兼次郎は法学部小論文。

茉優は教育学部対策。


静かな空間。

シャーペンの音だけ。

でも。

以前と違う。

“やらされてる勉強”じゃない。

未来を掴むための勉強だった。


夕方。

帰り道。

空は少し高くなっていた。

夏の終わり。

秋の始まり。


玲緒菜が空を見る。

「……夏終わっちゃったね」

雷斗が隣を歩く。

「次は秋」

「受験の秋かぁ」


少し沈黙。

そのあと。

雷斗が静かに言う。

「ここから本番」

玲緒菜は頷く。

「うん」


夏は、 彼らを変えた。

そして秋は、 その努力をさらに試していく。

青春の時間は、 少しずつ未来へ近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ