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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第28話 「浴衣」

夏祭り当日。

夕方。

駅前。

待ち合わせ場所には、 すでに人が集まり始めていた。

屋台の匂い。

遠くで聞こえる祭り囃子。

夏の空気。

そして——

浴衣姿の女子たち。

最初に来たのは瑠姫愛だった。

瑠姫愛

淡い水色の浴衣。

髪も少しだけまとめている。

龍也が固まった。

龍也

「……え」

瑠姫愛が不安そうに聞く。

「へ、変じゃない?」

龍也は数秒止まったあと、 小さく言った。

「可愛い」

瑠姫愛の顔が一気に赤くなる。

「っ……!」

「思ったより破壊力ある」

「もうやだ……」

でも。

嬉しくて仕方ない。

次に来たのは結衣。

結衣

白とピンクの浴衣。

慣れない下駄でふらついている。

「歩きにくいぃ……」

そこへ一将が到着。

天野一将

結衣が見る。

一将が止まる。

数秒沈黙。

結衣が耐えきれず聞く。

「……どう?」

一将は静かに答える。

「似合ってる」

結衣が固まる。

「……それだけ?」

「かなり」

「語彙力!!」

でも。

耳が赤いのを見て、 結衣は少し笑った。

その頃。

玲緒菜は待ち合わせ場所の端でそわそわしていた。

篠田玲緒菜

紺色の浴衣。

少し大人っぽい。

でも。

本人は落ち着かない。

「遅い……」

そこへ。

雷斗が現れる。

武田雷斗

黒い私服。

いつも通り。

玲緒菜が振り向く。

「……あ」

雷斗は一瞬だけ止まった。

玲緒菜がさらに緊張する。

「えっと……変じゃない?」

雷斗は静かに答える。

「似合ってる」

短い。

でも。

真っ直ぐ。


玲緒菜の顔が赤くなる。

「そ、それだけ?」

「十分だろ」

「もっとこう……あるじゃん!」

雷斗は少しだけ玲緒菜を見る。

「……可愛い」

玲緒菜が完全停止。

「っ!!」

雷斗は普通に歩き出す。

「行くぞ」

玲緒菜は顔を押さえながら追いかけた。

「今日の雷斗くん強い……!」

最後。

兼次郎と茉優。

兼次郎

茉優

茉優は淡い紫の浴衣だった。

兼次郎は静かに見る。

茉優が少し照れながら聞く。

「……どうかな」

兼次郎は即答。

「綺麗だ」

茉優が固まる。

「え」

「似合ってる」

さらっと言う。

破壊力だけ高い。

茉優は顔を真っ赤にして俯く。

「……急にそういうこと言う」

兼次郎は首を傾げる。

「事実」

「ずるい」

そして。

全員集合。

完全に青春だった。

結衣がテンション全開。

「祭りだぁぁ!!」

龍也が笑う。

「受験生とは思えんな」

「今日だけ解放!」

屋台通り。

焼きそば。

りんご飴。

射的。

かき氷。

人混み。

笑い声。

夏そのもの。

玲緒菜が屋台を見ながら笑う。

「なんか久しぶり!」

雷斗は隣を歩く。

人が多い。

その時。

玲緒菜が人にぶつかりそうになる。

「あっ」

雷斗が自然に手を掴む。

玲緒菜が止まる。

「……え」

雷斗は普通。

「迷うぞ」

手は繋がれたまま。

玲緒菜の心臓が跳ねる。

「……それ反則」

「何が」

「もういい!」

でも。

繋いだ手は、 離さなかった。

夜空には、 まだ花火は上がっていない。

でも。

彼らの夏は、 今まさに一番輝いていた。

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