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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第25話 「帰る場所」

夏合宿最終日。

朝。

別荘には静かな空気が流れていた。

最初に来た時より、 みんな少し疲れている。

でも。

どこか満たされた顔をしていた。

リビング。

テーブルには朝食。

しかし。

全員かなり静か。

結衣がぼんやりトーストを見つめる。

結衣

「……帰りたくない」

龍也が笑う。

龍也

「夏休み終了みたいな顔してるぞ」

「だって現実戻るじゃん!」

瑠姫愛も少し寂しそうだった。

瑠姫愛

「ここ居心地よかったなぁ」

茉優が頷く。

茉優

「みんなでずっと勉強してたもんね」

玲緒菜が苦笑する。

篠田玲緒菜

「勉強の思い出しかないの嫌すぎる」

雷斗が短く言う。

武田雷斗

「受験合宿だからな」

「正論禁止!」

その時。

兼次郎が立ち上がる。

兼次郎

「片付けるぞ」

全員。

「現実戻すの早い!!」

笑いが広がる。

午前中。

全員で掃除。

食器洗い。

布団片付け。

ゴミまとめ。

完全に修学旅行最終日みたいだった。

結衣は掃除機を持ちながら叫ぶ。

「なんで私だけ家政婦みたいになってるの!?」

一将が荷物をまとめながら言う。

天野一将

「動いてるから」

「理由になってない!」

玲緒菜は窓を開ける。

夏の風が入ってくる。

眩しい。

楽しかった時間ほど、 終わるのが早い。

そのあと。

荷物を車へ積み込む。

別荘前。

全員が自然と建物を見上げた。

龍也が笑う。

「なんか、めっちゃ青春だったな」

瑠姫愛も頷く。

「うん」

茉優が小さく言う。

「また来たいね」

兼次郎は短く答える。

「受験終わったらな」

結衣が反応する。

「え、また来れるの!?」

兼次郎は普通に頷く。

「別にいい」

「神!?」

車に乗り込む前。

玲緒菜は少しだけ立ち止まった。

雷斗が隣へ来る。

武田雷斗

「どうした」

玲緒菜は別荘を見る。

「……なんかさ」

「ここ来る前より、受験怖くなくなったかも」

雷斗は少しだけ目を細める。

「そうか」

「うん」

玲緒菜は笑った。

「一人じゃないって分かったからかな」

雷斗は静かに言う。

「一人じゃ受からない」

玲緒菜が吹き出す。

「それ励まし!?」

「事実」

でも。

その言葉が嬉しい。

帰り道。

車内。

最初は騒がしかった。

でも。

途中から、 みんな静かになる。

疲れている。

そして。

それぞれ少しだけ、 未来を考えていた。

結衣は窓の外を見ながら呟く。

「……来年どうなってるかな」

一将が隣で答える。

「大学生」

「ざっくり!」

「受かれば」

結衣が笑う。

「ほんとブレないよね」

夕方。

駅前へ到着。

いつもの街。

いつもの景色。

でも。

少しだけ違って見えた。

別れ際。

龍也が伸びをする。

「よし、また勉強地獄だ」

瑠姫愛が苦笑する。

「現実……」

結衣が両手を上げる。

「次集まる時までに東大E判定に落ちないよう頑張ります!」

一将が即答。

「落ちる前提やめろ」

「怖いんだもん!」

笑いが起きる。

玲緒菜はみんなを見る。

受験。

恋愛。

未来。

不安はたくさんある。

でも。

このメンバーなら、 頑張れる気がした。

そして。

夏休みは、 まだ続いていく。

彼らの青春も。

夢も。

恋も。

全部を乗せたまま、 少しずつ未来へ進んでいた。

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