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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第24話 「夜更けの本音」

花火のあと。

別荘は少し静かになっていた。

時計は十一時過ぎ。

みんな疲れているはずなのに、 誰もすぐには眠ろうとしない。

夏の夜。

楽しかった時間のあと特有の、 少し寂しい空気が漂っていた。

リビング。

テーブルにはジュースとお菓子。

参考書は端に追いやられている。

結衣がソファへ沈む。

結衣

「今日だけで青春一年分やった気がする」

龍也が笑う。

龍也

「まだ夏休み始まったばっかだぞ」

「もう満足!」

瑠姫愛が小さく笑う。

瑠姫愛

「でもほんと楽しかった」

玲緒菜も頷く。

篠田玲緒菜

「なんか、普通の高校生っぽかった」

雷斗が短く言う。

武田雷斗

「高校生だろ」

「そうだけど!」

しばらく笑い声。

でも。

そのあと、 少し静かになる。

茉優がふと呟いた。

茉優

「受験終わったら、どうなるんだろうね」

空気が少し変わる。

結衣が小さく言う。

「大学、みんな違うかもしれないし」

龍也も頷く。

「住む場所も変わるかもな」

瑠姫愛は少し俯く。

「……遠距離とか?」

その言葉に、 何人かが黙る。

現実味がある。

兼次郎が静かに口を開く。

兼次郎

「変わるのは当たり前だ」

結衣が見る。

「……兼次郎くん」

兼次郎は続ける。

「高校と同じままではいられない」

静かな声。

でも。

否定じゃなかった。

「だから今、頑張るんだろ」

その言葉に、 全員が少し止まる。

一将も静かに言う。

天野一将

「未来を選ぶために受験する」

結衣が苦笑する。

「たまに名言みたいなの言うよね」

「事実」

「そこで崩してくる!」

笑いが戻る。

そのあと。

話題は将来へ変わっていく。

「大学入ったら一人暮らししたい」

「分かる」

「でも料理できない」

「結衣絶対毎日コンビニ」

「否定できない……」

玲緒菜が小さく笑う。

「なんかさ」

全員が見る。

「少し前まで、“大学”って遠かったのに」

「今は普通に未来の話してるの不思議」

雷斗が頷く。

「近づいた」

玲緒菜は少しだけ目を細める。

「怖いくらいにね」

窓の外。

夏の夜空。

遠くでまだ小さく花火の音がする。

龍也がソファにもたれる。

「でもさ」

「来年の今頃、“受験懐かしい”とか言ってんのかな」

結衣が即答。

「絶対泣いてる」

「なんで」

「東大の課題で!」

一将が小さく吹き出す。

かなり珍しい。

結衣が固まる。

「……今笑った?」

「別に」

「絶対笑った!」

その空気に、 全員が笑う。

受験生。

不安だらけ。

未来なんて分からない。

でも。

今この瞬間だけは、 みんな同じ方向を見ていた。

深夜。

部屋へ戻る前。

玲緒菜はテラスへ出た。

夜風が気持ちいい。

その隣へ、 雷斗が来る。

武田雷斗

「何してる」

玲緒菜は空を見る。

「ちょっと考え事」

「またか」

「またです」

少し笑う。

玲緒菜は静かに言った。

「……変わるの、怖いね」

雷斗は少し黙る。

そして。

「変わらない方が怖い」

玲緒菜が見る。

雷斗は夜空を見たまま続ける。

「止まったまま終わる」

その言葉は、 やっぱり雷斗らしい。

玲緒菜は少し笑った。

「でも」

「ん」

「みんなでまた集まりたい」

雷斗は短く答える。

「なら受かれ」

玲緒菜が吹き出す。

「結局それ!」

でも。

その言葉が、 今はすごく頼もしかった。

夏の夜。

未来はまだ見えない。

それでも。

彼らはちゃんと、 前へ進んでいた。

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