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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第23話 「夏の花火」

夕方。

別荘二日目。

勉強会は想像以上にハードだった。

机。

参考書。

過去問。

赤本。

完全に受験合宿。

結衣が机へ突っ伏す。

結衣

「……もう英語見たくない」

一将が問題集を閉じる。

天野一将

「あと一時間」

「鬼!」

龍也が笑う。

龍也

「東大組怖ぇ」

瑠姫愛も苦笑する。

瑠姫愛

「でも今日かなり頑張ったよね」

その時。

玲緒菜が窓の外を見る。

篠田玲緒菜

「あれ?」

全員が外を見る。

遠く。

山の向こう。

小さく花火が上がっていた。

「花火大会?」

結衣が立ち上がる。

龍也も窓を見る。

「近くで祭りあるっぽいな」

玲緒菜が目を輝かせる。

「行きたい!」

しかし。

兼次郎が静かに言う。

兼次郎

「人多い」

「却下!?」

結衣が叫ぶ。

茉優が苦笑する。

茉優

「でも少しくらい休憩したいかも」

瑠姫愛も頷く。

「気分転換大事だよね」

数分後。

結局。

別荘の庭で花火をすることになった。

夜。

庭。

大量の手持ち花火。

線香花火。

打ち上げ花火。

完全に夏。

結衣がテンション全開だった。

「青春きたぁぁ!!」

一将が花火へ火をつける。

「危ないから騒ぐな」

「お母さん!?」

玲緒菜は線香花火を持ちながら笑う。

「なんか久しぶり、こういうの」

雷斗が隣に立つ。

武田雷斗

「小学生以来」

「それは盛ったでしょ」

「覚えてない」

火がつく。

パチパチと光る。

玲緒菜が少し笑う。

「綺麗」

雷斗は花火じゃなく、 玲緒菜を見ていた。

でも何も言わない。

少し離れた場所。

龍也と瑠姫愛。

瑠姫愛が花火を見つめる。

「夏って感じするね」

龍也が頷く。

「受験生だけどな」

「それ言わないで!」

二人で笑う。

その時。

瑠姫愛の線香花火が落ちる。

「あっ」

龍也が自然に手を伸ばす。

近い。

瑠姫愛の顔が赤くなる。

龍也が少し笑う。

「顔赤い」

「花火のせい!」

「ほんとか?」

「……たぶん」

結衣は打ち上げ花火で騒いでいた。

「うわぁぁ!!」

一将が少し離れて見る。

「子供」

「楽しいんだからいいの!」

結衣は笑う。

でも。

少しして静かに言った。

「……来年の夏ってさ」

一将が見る。

「ん」

「みんな別々なのかな」

一瞬だけ静かになる。

花火の音だけが響く。

一将はゆっくり言った。

「受かれば会える」

結衣が苦笑する。

「受験脳」

「事実」

でも。

その言葉が、 少し安心する。

兼次郎と茉優はテラス側にいた。

茉優が夜空を見る。

「綺麗だね」

兼次郎も空を見る。

「そうだな」

茉優は少し笑う。

「なんか今だけ、受験忘れられる」

兼次郎は静かに言う。

「忘れるな」

「ひどい」

でも。

少しして。

「……でも、こういう時間は必要だ」

茉優が驚く。

「兼次郎くんがそんなこと言うなんて」

「俺を何だと思ってる」

「勉強ロボ」

兼次郎が少し笑った。

最後。

全員で線香花火。

静かな時間。

落ちる火を見つめながら、 それぞれ願う。

受かりたい。

離れたくない。

この時間が続いてほしい。

そして。

最後の火が落ちた瞬間。

玲緒菜が小さく言った。

「来年も、こうして集まれたらいいね」

誰もすぐ答えなかった。

でも。

全員同じことを思っていた。

——そのために、 今を頑張るんだと。

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