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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第21話 「夏の夜のキス」

深夜。

別荘。

窓の外では虫の声が静かに響いていた。

時計は午前一時。

勉強会の疲れで眠いはずなのに——

誰も、少しだけ眠れなかった。

最初に動いたのは、 龍也だった。

龍也

部屋の灯りは暗い。

ベッドへ座る瑠姫愛を見る。

瑠姫愛

「……まだ起きてた」

瑠姫愛が小さく笑う。

「龍也くんも」

龍也は隣へ座った。

近い。

それだけで、 瑠姫愛の心臓が跳ねる。

龍也が静かに言う。

「今日、A判定の話とかしてさ」

瑠姫愛が頷く。

「うん」

「なんか急に現実になってきた」

瑠姫愛は少し俯く。

「怖い?」

龍也は少し笑う。

「ちょっと」

そして。

「離れるのとか嫌だし」

瑠姫愛の目が揺れる。

龍也は静かに瑠姫愛を見る。

「だから」

「今、ちゃんと隣にいたい」

瑠姫愛の呼吸が止まりそうになる。

次の瞬間。

龍也が優しくキスをした。

短く。

でも。

大切に触れるみたいなキス。

瑠姫愛は顔を真っ赤にしながら小さく笑う。

「……ずるい」

「何が」

「急に真面目になるの」

龍也も少し照れたように笑った。

一方。

玲緒菜の部屋。

篠田玲緒菜は、 まだベッドでごろごろしていた。

「寝れない……」

雷斗は窓際にもたれている。

武田雷斗

「考えすぎ」

「雷斗くんが平然としすぎなの!」

玲緒菜が枕を抱える。

しばらく沈黙。

そのあと。

玲緒菜が小さく呟く。

「……京大、受かるかな」

雷斗は即答した。

「受かる」

「なんでそんな即答なの」

「お前が諦めてないから」

玲緒菜は止まる。

胸が熱い。

雷斗が玲緒菜を見る。

「怖いか」

玲緒菜は少し笑った。

「うん」

正直だった。

「でも、頑張りたい」

雷斗は静かに近づく。

玲緒菜の心臓が一気に跳ねる。

「ら、雷斗くん?」

次の瞬間。

軽く額へキス。

玲緒菜が完全停止。

「……え」

雷斗は普通に戻る。

「これで落ち着け」

玲緒菜の顔が真っ赤になる。

「む、無理!!」

「うるさい」

でも。

玲緒菜は枕に顔を埋めながら、 ずっと笑っていた。

別室。

結衣は完全に固まっていた。

結衣

一将が普通に参考書を閉じる。

天野一将

「寝る」

「う、うん」

でも。

距離が近い。

意識しない方が無理だった。

一将がふと聞く。

「まだ不安か」

結衣は少し黙る。

「……東大?」

「ん」

結衣は小さく頷く。

「怖いよ」

「落ちたらどうしようとか」

「期待裏切ったらどうしようとか」

声が少し弱い。

一将は静かに結衣を見る。

「お前、頑張ってる」

結衣が顔を上げる。

「だから大丈夫」

その言葉だけで、 泣きそうになる。

結衣が笑う。

「一将くんってさ」

「ん」

「たまにすごい破壊力ある」

「意味分からん」

結衣は少しだけ勇気を出す。

そして。

「……好き」

一将が止まる。

数秒。

静かな時間。

そのあと。

一将がそっと結衣へキスをした。

優しい。

静かなキス。

結衣の頭が真っ白になる。

離れたあと。

一将が静かに言う。

「俺も」

結衣は完全に赤くなる。

「待って今のは反則……」

でも。

嬉しくて仕方なかった。

最後。

兼次郎の部屋。

茉優は窓の外を見ていた。

茉優

兼次郎が隣へ座る。

兼次郎

「眠れないか」

茉優は小さく笑う。

「ちょっと」

しばらく静かな時間。

でも。

それが落ち着く。

茉優が小さく呟く。

「来年、みんな別々になるのかな」

兼次郎は少し考える。

「かもしれない」

「……寂しいね」

兼次郎は静かに言った。

「離れても終わらない」

茉優が見る。

兼次郎は少しだけ近づく。

「お前とは」

そのまま。

そっとキスをした。

短い。

でも。

言葉よりずっと安心するキス。

茉優は少し目を潤ませながら笑う。

「……ずるい」

兼次郎は小さく首を傾げる。

「何が」

「そういうの、急にするところ」

兼次郎は少しだけ笑った。

夏の夜。

受験。

不安。

未来。

全部怖い。

でも。

好きな人が隣にいる。

それだけで、 “頑張ろう”と思えた。

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