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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第20話 「夜、二人きり」

夜十時。

別荘。

勉強会が終わり、 リビングには少しだけ疲れた空気が流れていた。

結衣がソファへ倒れ込む。

結衣

「……受験ってなんでこんな疲れるの」

龍也が笑う。

龍也

「夏休み初日でそれ言ってたら終わるぞ」

「終わってる!」

瑠姫愛も苦笑する。

瑠姫愛

「でも今日かなり集中したよね」

その時。

兼次郎が静かに言う。

兼次郎

「部屋、割り振る」

結衣が顔を上げる。

「おっ」

兼次郎は紙を見る。

「男子部屋二つ、女子部屋二つ空いてる」

玲緒菜が頷く。

篠田玲緒菜

「うんうん」

そして。

兼次郎は普通に続けた。

「カップルはそれぞれ別部屋使え」

数秒。

全員停止。

「…………は?」

最初に固まったのは結衣。

瑠姫愛も真っ赤。

「えっ!?」

龍也が吹き出す。

「お前サラッと爆弾投げんな!?」

茉優が慌てる。

茉優

「兼次郎くん!?」

兼次郎は真顔。

「部屋余ってる」

「そういう問題じゃなくて!」

玲緒菜も顔が熱くなる。

「ちょ、ちょっと待って!?」

隣で雷斗は普通。

武田雷斗

「別にいいだろ」

玲緒菜が振り向く。

「雷斗くん!?」

「寝るだけ」

「その言い方やめて!?」

結衣が完全に混乱していた。

「いやいやいや無理無理無理!」

一将が静かに聞く。

天野一将

「何が」

「全部!!」

龍也が腹を抱える。

「結衣テンパりすぎだろ」

「だって!? 一将くんと同じ部屋って!?」

一将は少しだけ首を傾げる。

「嫌か」

結衣が止まる。

「……そういう聞き方ずるい」

顔真っ赤。

瑠姫愛も龍也を見ていた。

「……どうする?」

龍也は少し笑う。

「俺はどっちでも」

「ずるい!」

「でも嫌なら普通に分ける」

その言い方が優しくて、 瑠姫愛は少し安心する。

「……じゃあ、一緒」

龍也が少しだけ目を細めた。

そして。

結局。

・兼次郎&茉優

・龍也&瑠姫愛

・雷斗&玲緒菜

・一将&結衣

で分かれることになった。

部屋前。

結衣はまだ固まっていた。

「……ほんとに?」

一将がドアを開ける。

「入れ」

「うぅ……」

部屋は広かった。

ベッドも大きい。

余計に意識する。

結衣は端っこに座る。

一将は普通に参考書を机へ置いた。

「勉強するか」

結衣が叫ぶ。

「この状況で!?」

「受験生」

「強い!」

一方。

玲緒菜の部屋。

玲緒菜は落ち着かず歩き回っていた。

「なんでこんな緊張するの!?」

雷斗はベッドへ座る。

「知らん」

「絶対緊張してないでしょ」

「してない」

「うわぁ……」

玲緒菜は頭を抱える。

雷斗は少しだけ玲緒菜を見る。

「お前、考えすぎ」

玲緒菜が頬を膨らませる。

「だって普通意識するじゃん!」

雷斗は短く言う。

「なら意識しとけ」

玲緒菜が固まる。

「……っ!」

そのまま顔が真っ赤になる。

「雷斗くん今日たまに変なの言う!」

別室。

瑠姫愛は静かにベッドへ座っていた。

龍也が飲み物を置く。

「大丈夫か」

「……ちょっとだけ緊張してる」

龍也は苦笑する。

「俺も」

瑠姫愛が少し驚く。

「え」

「そりゃするだろ」

その言葉が嬉しくて、 瑠姫愛は少し笑った。

兼次郎の部屋。

茉優は小さく息を吐く。

「……なんか今日すごかったね」

兼次郎は頷く。

「騒がしかった」

茉優が笑う。

「でも楽しかった」

兼次郎は少しだけ茉優を見る。

「そうだな」

短い。

でも。

その声は少し柔らかかった。

深夜。

別荘は静かだった。

虫の声。

遠くの風。

そして。

それぞれの部屋で、 誰も少しだけ眠れない。

受験。

未来。

恋愛。

全部が近づいている。

でも今だけは。

“好きな人が隣にいる”

それだけで、 少しだけ心が落ち着いていた。

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