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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第19話 「夏と別荘と、受験生」

夏休み初日。

朝七時。

駅前。

強い日差し。

セミの鳴き声。

そして。

大量の参考書を持った高校生たち。

「……重い」

結衣がキャリーケースに突っ伏す。

「なんで夏休みなのに参考書こんなあるの」

隣で瑠姫愛が笑う。

「勉強会だからだよ」

「泊まり会って聞いてもっと青春っぽいの想像してた!」

龍也が肩をすくめる。

龍也

「受験生にそんなもんない」

「悲しい!」

その時。

黒い高級車が止まる。

全員が振り向く。

運転席の窓が開く。

兼次郎

「乗れ」

結衣が固まる。

「……え?」

瑠姫愛も目を丸くする。

「え、何その車」

兼次郎は普通に答える。

「別荘用」

「別荘用って言葉初めて聞いた!」

後ろから茉優が苦笑する。

茉優

「兼次郎くん家、ちょっと規模感違うから」

「ちょっと!?」

そして。

雷斗と玲緒菜も到着。

武田雷斗

篠田玲緒菜

玲緒菜は車を見て固まる。

「……ドラマ?」

雷斗が短く言う。

「金持ち」

「感想雑!」

数時間後。

山道を抜けた先。

そこにあったのは——

巨大な別荘。

白い外壁。

広い庭。

テラス。

そして奥にはプールまで見える。

結衣が完全に止まる。

「……は?」

瑠姫愛も固まる。

「いや待って」

龍也が笑う。

「ホテルじゃん」

兼次郎は普通に荷物を下ろす。

「入れ」

玲緒菜が小声で言う。

「慣れてるの怖い」

茉優が苦笑する。

「私も最初びっくりした」

中へ入る。

広い。

とにかく広い。

結衣がソファへ沈む。

「終わった……ここ住みたい……」

一将が荷物を置く。

天野一将

「勉強しろ」

「現実戻すの早い!」

大将は窓の外を見る。

大将

「静かでいい」

龍也が笑う。

「お前ほんとどこでも落ち着いてんな」

その後。

全員で勉強スペースへ。

長テーブル。

大量の参考書。

完全に合宿。

結衣が絶望した顔をする。

「……逃げたい」

一将が即答。

「無理」

「ですよねー!」

勉強開始。

数時間後。

空気は完全に受験モード。

「ここ違う」

「え、なんで?」

「条件見落としてる」

「うわぁぁ……」

玲緒菜は数学に苦戦していた。

「無理無理無理」

雷斗が隣で問題を見る。

「ここ」

「え?」

「途中式飛ばしすぎ」

「またそれ!?」

雷斗は淡々とノートを書く。

「こう」

玲緒菜が固まる。

「……分かりやす」

「基礎」

「言い方冷たい!」

でも。

ちゃんと教えてくれる。

反対側。

結衣が英語長文で倒れていた。

「長いぃ……」

一将が普通にページをめくる。

「まだある」

「東大って敵なの!?」

瑠姫愛が吹き出す。

「結衣ちゃん今日ずっと面白い」

夜。

勉強終了。

全員で夕食。

テラスには夜風。

遠くで虫の声。

受験の話。

大学の話。

未来の話。

いつの間にか、 みんな自然に語れるようになっていた。

龍也がジュースを持ちながら言う。

「来年どうなってんだろうな」

瑠姫愛が隣で笑う。

「受かってたい」

「それはそう」

茉優は静かに空を見る。

「なんかさ」

兼次郎が見る。

「ん」

「今って、青春なのかな」

少し静かになる。

結衣が笑う。

「参考書だらけだけどね」

玲緒菜も吹き出す。

「青春感ゼロ」

雷斗が小さく言う。

「でも悪くない」

全員が少し止まる。

玲緒菜が目を丸くする。

「雷斗くんが珍しくエモい」

「うるさい」

笑いが広がる。

深夜。

それぞれの部屋。

机の上には参考書。

でも。

昼間より少しだけ心が軽い。

一人じゃない。

同じ未来を目指す仲間がいる。

怖い受験も。

苦しい勉強も。

今だけは少し、 楽しく思えた。

そして。

夏は、 まだ始まったばかりだった。

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