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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第8話 「選ばれた側と、残された側」

その知らせは、朝のHRで突然告げられた。

担任教師が教室に入った瞬間、空気がいつもと違った。

手に持っていたのは、いつものプリントではない。

一枚の“正式通知”。

教室がざわつく前に、担任が言う。

「学校からの通達だ」

一拍。

「本日より、三年生に“超難関進学コース”を新設する」

その瞬間、空気が止まる。

結衣の心臓が跳ねる。

結衣の心臓が跳ねる。

結衣

「……超難関?」

隣で天野一将は無表情のまま聞いている。

担任は続ける。

「対象は成績上位者」

「兼次郎、瑠姫愛、龍也、大将、天野一将、結衣」

名前が呼ばれるたびに、 教室が揺れる。

兼次郎

瑠姫愛

龍也

大将

そして。

一将と結衣。

「……え?」

結衣は固まる。

「私も?」

瑠姫愛が小さく笑う。

「結衣ちゃん、完全に上位組じゃん」

でもその笑いは、 どこか緊張していた。

担任は淡々と続ける。

「このコースは通常クラスとは別管理」

「授業進度・評価基準も別枠になる」

「つまり——」

一瞬の間。

「完全な進学特化クラスだ」

教室がざわつく。

その頃。

廊下側の教室。

玲緒菜はプリントを見ていた。

篠田玲緒菜

「……超難関、ってなにそれ」

隣で雷斗が淡々と言う。

武田雷斗

「上のクラス」

「それだけ?」

「それだけ」

玲緒菜は少しむっとする。

「一将くんたち、そっち行くんだよね」

雷斗は頷く。

「そうなる」

玲緒菜は小さく呟く。

「……遠くなるじゃん」

雷斗は一瞬だけ止まる。

そして短く言う。

「距離は関係ない」

「え?」

雷斗は前を見たまま続ける。

「やることが同じなら、離れても同じ」

玲緒菜は少し黙る。

でも、その言葉は少しだけ救いだった。

教室内。

結衣はまだ現実を飲み込めていない。

「え、つまり……別クラス?」

一将は淡々と答える。

天野一将

「そうなる」

「え、普通に寂しいんだけど!」

一将は少しだけ間を置く。

「また会う」

結衣は固まる。

「それ雑!」

瑠姫愛が笑う。

「一将くんの優しさそれだからね」

「どこが」

一将は即答する。

放課後。

新設コースのメンバーは教室の前に集められる。

そこには、 今までと違う空気があった。

“選ばれた側”

それと同時に。

“隔離された側”

その境界線がはっきり見える。

結衣は小さく息を吐く。

「……なんか、始まった感じする」

一将は横で言う。

「始まってる」

瑠姫愛が前を見ながら笑う。

「じゃあさ」

「ここから本番じゃん」

その言葉で、 空気が少しだけ締まる。

一方。

玲緒菜は教室でペンを握っていた。

雷斗は窓の外を見ている。

武田雷斗

玲緒菜は小さく言う。

「……私も、そこ行きたかったかも」

雷斗は即答する。

「なら上がれ」

玲緒菜は少し笑う。

「簡単に言うよね」

雷斗は静かに言う。

「簡単なことしか言ってない」

その言葉が、 少しだけ悔しくて。

少しだけ悔しくて。

でも——

少しだけ、前に進みたくなる。

その日。

三年生の構造は完全に分かれた。

超難関進学コース。

そして通常クラス。

同じ学校なのに、 もう同じ場所ではない。

結衣は帰り道で呟く。

結衣

「……遠くなったのに、近くにいたいのはなんでだろ」

その問いに答える者は、いなかった。

ただ一つだけ確かなことがある。

この分断は、終わりではない。

“序章の終わり”にすぎなかった。

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