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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第3話 「最初の崩落」

その日は、何の変哲もない朝だった。

――はずだった。

三年A組の教室。

結衣は、朝のプリントを受け取りながら小さく首を傾げる。

「……なんか今日、空気重くない?」

隣で天野一将が即答する。

「気のせい」

「またそれ!」

でも、結衣自身も分かっていた。

気のせいじゃない。

朝のHR。

担任が教室に入ってくる。

担任教師

「今日は少し連絡がある」

一瞬で教室が静まる。

「次の模試、範囲を拡張する」

ざわっ。

「さらに、A組内での平均点が基準を下回った場合——」

その言葉で空気が止まる。

「一部再編成の可能性がある」

「……再編成?」

誰かが小さく漏らす。

瑠姫愛の顔から笑みが消える。

瑠姫愛

茉優も視線を落とす。

茉優

「……そんなに厳しくするんだ」

教室の空気が一気に重くなる。

昼休み。

屋上。

結衣はフェンスに手をかけたまま動かない。

結衣

「再編成って……やばくない?」

天野一将は冷静だった。

「普通」

「普通じゃない!」

一将は少しだけ結衣を見る。

「落ちるやつが出るだけ」

結衣は黙る。

その“だけ”が怖い。

廊下。

雷斗と玲緒菜。

武田雷斗

篠田玲緒菜

玲緒菜は足を止める。

「ねえ雷斗くん」

「ん」

「これ、かなりやばいやつじゃない?」

雷斗はプリントを見たまま言う。

「普通」

「どこが普通!?」

雷斗は淡々と答える。

「落ちるやつが出るだけ」

玲緒菜は固まる。

「それ一将くんと同じこと言ってる!」

雷斗は少しだけ目を細める。

「同じだろ」

その一言が、 妙に冷たく響いた。

放課後。

教室。

兼次郎がノートを閉じる。

兼次郎

「再編成が入るなら、今の順位は意味が変わる」

龍也が顔をしかめる。

龍也

「最悪じゃんそれ」

瑠姫愛は笑えないまま言う。

「じゃあ、ほんとに“落ちる人”出るってこと?」

茉優は小さく頷く。

「……うん」

その瞬間、教室の空気が完全に変わる。

夕方。

玲緒菜は帰り道で立ち止まる。

篠田玲緒菜

「落ちる……って、誰?」

雷斗は少しだけ間を置く。

「弱い順」

玲緒菜は息をのむ。

「そんな簡単に言うの?」

雷斗は前を見たまま言う。

「簡単じゃない。現実」

その言葉は、 優しさがないのに正しかった。

玲緒菜は小さく呟く。

「……怖い」

雷斗は少しだけ視線を落とす。

そして短く言う。

「だから上がれ」

その瞬間。

三年A組は初めて気づく。

――これは“順位争い”じゃない。

生き残りの戦いになり始めている。

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