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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第2話 「崩れ始める影」

翌日。

三年A組は、昨日と同じ教室にいるはずなのに——

どこか違って見えた。

理由は単純だった。

「順位が動く前の空気」が、もう教室に染み込んでいた。

結衣は、朝から落ち着かない。

「ねえ一将」

天野一将はノートを開いたまま答える。

「ん」

「ほんとに次のテストで何か変わると思う?」

一将は少しだけ間を置く。

「変わる」

即答だった。

結衣は眉をひそめる。

「即答やめて怖い」

一将は淡々と続ける。

「今のままなら、上も下も入れ替わる」

その言葉に、結衣の背中が少し冷える。

後ろの席。

瑠姫愛がペンを回しながら笑う。

「結衣ちゃん、顔こわばってるよ」

「だって……」

茉優が静かに言う。

茉優

「実際、ちょっとずつ差が開いてる気はするよね」

結衣はハッとする。

「え?」

茉優は少しだけ目を伏せる。

「同じように頑張ってるつもりでも、 伸び方が違う感じ」

その一言が、 やけに現実的だった。

廊下。

雷斗と玲緒菜。

武田雷斗

篠田玲緒菜

玲緒菜は問題集を見ながら歩いている。

「ねえ雷斗くん」

「ん」

「なんかさ、最近みんな静かじゃない?」

雷斗は即答する。

「静かじゃなくて、集中してるだけ」

玲緒菜は少しむっとする。

「それ怖いってことじゃん」

雷斗は少しだけ横を見る。

「怖いなら上がればいい」

玲緒菜は止まる。

「……簡単に言うね」

雷斗は前を向く。

「簡単なことしか言ってない」

その言葉は冷たいのに、 なぜか正しかった。

昼休み。

屋上。

結衣はフェンスにもたれながらため息をつく。

「もう無理かも」

天野一将は即答する。

「無理じゃない」

「どっちなの!」

一将は少しだけ空を見る。

「やるかやらないか」

結衣は黙る。

そして小さく笑う。

「ほんと極端だよね」

放課後。

教室。

兼次郎が静かに言う。

「次で序列が固まる」

龍也がため息。

「またそれかよ」

瑠姫愛は笑う。

「でもさ、今のまま固定される方が逆に怖くない?」

その言葉で、少し空気が止まる。

茉優がぽつりと呟く。

「……固定されないから、頑張れるのかも」

夕方。

玲緒菜は帰り道で立ち止まる。

篠田玲緒菜

「ねえ雷斗くん」

武田雷斗

「ん」

「もしさ、私が落ちたらどうする?」

雷斗は少しだけ間を置く。

「落ちるなら上げるだけ」

玲緒菜は目を見開く。

「それ、優しいの?」

雷斗は少しだけ言う。

「事実」

玲緒菜は笑ってしまう。

「……ほんとズルい」

雷斗は前を向いたまま言う。

「お前も上がれ」

その一言だけが、 やけに重く残った。

そして——

誰も気づかないまま。

“順位の均衡”は、確実に崩れ始めていた。

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