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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第2章 「崩れ始める順位と、選ばれる関係」 第1話「静かな違和感」

朝。

三年A組の教室は、 一見いつも通りだった。

シャーペンの音。 ページをめくる音。 誰かの小さなあくび。

でも、その“いつも通り”の中に、 ほんのわずかな違和感が混じっている。

結衣は、 机の上のプリントを見ながら呟いた。

「……最近、ちょっと空気変わった気がする」

隣で天野一将が即答する。

「気のせい」

「出た、即否定」

結衣はむっとする。

でも、一将は本気でそう思っている顔だった。

後ろの席では、 瑠姫愛がペンを回している。

「ねえ、結衣ちゃん」

「ん?」

「最近さ、みんなちょっと余裕ない?」

結衣は少し考える。

「余裕……あるようでないような?」

茉優が静かに頷く。

茉優

「成績上がってる人ほど、逆に焦ってる感じはあるかも」

その言葉に、 教室の空気が少しだけ重くなる。

廊下。

雷斗と玲緒菜。

武田雷斗

篠田玲緒菜

玲緒菜は歩きながら言った。

「ねえ、雷斗くん」

「ん」

「このまま行けると思う?」

雷斗は少しだけ間を置く。

「無理なやつは落ちる」

玲緒菜が顔をしかめる。

「言い方!」

雷斗は続ける。

「でも今のままだと、 順位は簡単に動く」

玲緒菜は黙る。

その言葉が、 妙に現実的だった。

昼休み。

屋上。

風が少し強い。

結衣はフェンスにもたれていた。

結衣

「一将」

天野一将

「ん」

「最近さ、みんなちょっと怖くない?」

一将は空を見たまま答える。

「普通」

「普通って何!?」

一将は少しだけ間を置く。

「本気のやつが増えただけ」

結衣は少し黙る。

その言葉は、 否定できなかった。

放課後。

教室。

兼次郎は、 静かにノートを閉じた。

「次のテストでまた変わる」

龍也がため息をつく。

「また順位の話かよ」

瑠姫愛が笑う。

「でもさ、実際そうじゃない?」

茉優が小さく頷く。

「うん……みんな伸びてるから」

その“伸びている”という事実が、 逆に不安を生んでいた。

夕方。

玲緒菜は帰り道で立ち止まる。

篠田玲緒菜

「……最近、静かじゃない気がする」

隣で雷斗が歩く。

武田雷斗

「嵐の前」

玲緒菜が見る。

「え?」

雷斗は前を見たまま言う。

「次の結果で分かる」

その言葉は、 いつもより少しだけ重かった。

玲緒菜は小さく息を吐く。

「……怖いね」

雷斗は短く言う。

「だから面白い」

その瞬間。

静かだった均衡が、 ほんの少しだけ揺れた気がした。

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