❀七話❀「トイレ君、ありがとう。」
よし、このトイレを使おうではないか。
幸運なことだ。まさに、俺達2人を結ばせるためにトイレがあるようなものだな。
トイレ君………ありがとう。
心の中でトイレ君に深々と謝意を述べた。
俺は先程、思いついた計画を変更して行動に移した。
座席から立ち上がり、俺が座っていた座席の上に新聞を置いておいて新聞の上に俺の個人用の携帯電話とメールアドレをボールペンで書いておいた会社用の名刺を1枚添えてトイレを使うフリをしてトイレに入ったのだ。
そして、便器に座り数分待つことにした………。
そう、この行動こそが良い考えのひらめきなのだ。
最初は違う車両に移動する予定だった。だが、たまたまこの車両にトイレがあったため突如、計画変更となったのだ。
因みに、新聞を席の上にのせた理由は他の乗客に座らせないようにと思ってのことだ。
名刺1枚だと気付かれずに座られてしまう可能性があると思い念のためだった………。
運命の男は必ずや新聞の上に置かれている俺の名刺を手にするであろう!!!
俺からのメッセージを受け止めてくれるはずであろう!!!
運命の男は相当な照れ屋である。俺のこのリアクションに驚きを隠せずに顔を赤らめ動揺しながら俺の名刺を手にして握り締めながら再び違う車両に逃げ去ってしまうのであろう。
そして、気持ちを落ち着かせた後に俺に連絡をしてくれるのだ。
そこで、お互いの愛を告白し合うのだ。
運命の男と結ばれる、めでたし、めでたし計画。
ムフフフ…………。完璧な計画だ……………ムフフフフフ…………。
笑いが止まらん。
話をかけるとゆう選択は俺の中には無かった。なんとなく気軽過ぎる気がしたため断固拒否したのだ。
おっ!!電車が駅に停車したようだ。
フム………電車が発車したらトイレから出ることにしようか。既に数分は経過したであろう。
「ドキッ!!ドキッ!!ドキッ!!」
めっちゃ、胸が高鳴っとるじゃないか!!
めでたし、めでたし計画が成功したらと想像すると喜びの感情で溢れてしまうのだ。
今、俺の顔は普段、社員達には見せることの無い超が連発するぐらいのニヤニヤの笑顔になっていることは間違いないであろうな。
ドキドキとニヤニヤが止まらん………。
ムム…………電車が動き出した。発車したようだ。
では………参るか………あの座席に…………。
まずは深呼吸してからだな。鼻から大きく空気を吸い込み口から吸い込んだ空気をゆっくり吐き出した。
何時も重要な仕事の前にはこうして、深呼吸を何回かすることにしているんだ。
リラックス効果、抜群!!
よし、席に戻るとするか。
鍵を外しゆっくりと扉を開けた………。
❀七話❀終わり………八話に続く。




