390話 ようやく貰った勲章
バキアの町で流行り始めたパチンコ攻撃の噂が、王都でも広がり始めており、キツネィさんのギルドが生産した物を王都は取り入れることにしたらしく、大名行列のようにして運ばれてくる。
もちろん護衛をしているのは冒険者なのだが、自分たちが発明したかの様な面をしていた。
「あれはギルマスが考えた物じゃないですか!」
アオイちゃんが憤慨しながら俺に言ってくる。
「別に誰が作ったところで、特許権が有るわけじゃないだろ」
ゲームをしながら言うと、アオイちゃんは目の前に立って、画面が見えない。
「トッキョとか訳の分からない言葉で誤魔化さないで下さい!」
この世界では特許等が無いため、作った者勝ちになるのである。
「特許というのは、その権利をって言っても分からないか……。でも、その内、誰かが考えたかも知れないだろ? 遅かれ早かれの問題だ。いちいち、そんなくだらない話に付き合っていられないよ、それに国が増強されるのなら、問題ないでしょ。魔族に対抗できるのが勇者だけなのも問題があると思うよ」
そう言うと、アオイちゃんは納得ができないと言って俺の部屋から出て行くのであった。
文句を言いたかっただけなのだろうか……。
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せっかくギルマスが考えた道具を、他の人たちに手柄を取られるのは許せない。どうにかしてギルマスの手柄にしたいのだが、私の知識ではこれ以上のことが浮かばないのが、歯痒くって悔しい思いをしてしまったのだった。
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アオイちゃんのことだから、どうせ手柄について考えているのだろう。俺には無縁な話だし、興味が無い。
そう思いながらゲームをしていたのだが、少しだけギルドマスターの仕事をした方が良いと思ったので、仕方なくゲームの電源を切って、出かけることにした。
キツネィさんが作成したパチンコ台だが、それ以上の文明を発展させるつもりは無いので、それ以上のことを教えるつもりは無いが、新しい武器をカモネールに教えるくらいは良いだろう。これであれば量産させても別に構わないし、大した文明開花にはならないはずだ、そう思いながら俺はパソコンの電源をいれ、一枚の紙を印刷するのだった。
テレポートを使おうとしたが、王宮の中に入ることができない。もしかしたら王宮に侵入されないよう、魔法障壁でも使用しているのかもしれない。
仕方がなく、俺は秘密道具を召喚してカモネールがいる女王の間にやってくると、大臣たちは狼狽えていたのだが、カモネールは驚きの顔をした後、嬉しそうにして微笑んでいた。
「女王殿下、突然の訪問にご無礼いたします。この度、魔族との戦いに置いて、新しい武器を提案したくやって参りました。この書類に目を通して頂けないでしょうか」
そう言ってカモネールに紙を渡すと、少し驚いた顔をして俺が手渡した物に目を通し、近くにいた大臣らしき人に書類を渡して直ぐに量産して使い方を練習させるよう指示を出した。
「この武器があれば、弓矢ではなく違った戦い方ができるやもしれません。タイチさん、本当に感謝いたします」
カモネールは手を叩き、侍女らしき人を呼びつけると、いつぞやの勲章を持って来させて、手に取って、俺のそばにやって来た。
「こうすれば、賊に狙われることがありませんよね」
そう言って、俺の胸に勲章を取り付けてカモネールは授与するのだった。
「随分と考えるようになったじゃん」
「タイチさんが私を強くしてくれているんです! 私はもっと強くなりますよ。この国を豊かな国になるまで……」
カモネールは悪戯っ子の笑みを浮かべるように笑って、玉座に腰掛けた。
「なら、俺はそれを見守るとしようかねぇ。気が向いたらまた来てやるよ」
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ようやく胸に勲章を取り付けることができ、私は胸が高鳴る気持ちを抑えながら、私は玉座に座って、タイチさんを見つめると、タイチさんは私の言葉に笑いながら見守ってくれると言い残し、不思議なドアを出して立ち去ってしまう。
タイチさんがくれた資料は物凄く精密に記載されており、これがあれば、空にいる魔族を攻撃するのにも楽になる。
本当に感謝の言葉しか出てこないが、彼はどこまで知識が高いのだろうか……。
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カモネールに取り付けて貰った勲章を外し、大切にしまうため、箱を召喚して勲章を大事にしまう。
夕方になり皆が戻ってきて、俺は夕食を皆の席に並べるように置くのだが、アオイちゃんは難しい顔をしていた。
皆が夕食を食べているときに俺は新しい武器について話と、皆は王都に運ばれてきた物だと思っているようで、そんなのは知っていると声を揃えて言う。
「それが違うんだよね。あれは複数人で攻撃する物だが、俺が女王に提案したのはコレだ」
そう言ってボウガンを召喚して皆に見せると、皆は驚いた顔をしていた。
「ちなみに、俺は女王からこんな物も貰ったよ」
袋の中から箱を取り出し、女王から貰った勲章を見せると、アオイちゃんは驚いた顔をして俺を見ていた。
「たまにはギルドマスターらしい功績をあげても良いだろ?」
そう言うと、皆は珍しく拍手をして俺を讃えるのだった……。




