391話 知らない洞窟
カモネールの行動は早く、直ぐに大量生産を開始していた。
魔族が飛来しているところに、ボウガンを大量斉射すれば避けるのが難しくなるし、弓のように自分の力を加減や、狙いを定めるのに苦労するが、ボウガンであれば狙いだけに絞れるので、攻撃は比較的に良くなるのである。
それを含めての勲章だと思い、俺は仲間たちに自慢する様に勲章を見せびらかして、とても良い気分だった。
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ギルマスが見せびらかす勲章は、我々にとっても良い話だった。何故なら、ギルマスが勲章を貰ったと言う事は、我々のギルドが評価されたのと同じである。
「凄いじゃないですか!」
我々も喜びながらギルマスに言う。
「やる時はやるんだよ、俺は」
ギルマスは私を見て、笑いながら言い、私に勲章を渡してきた。
「アオイちゃんに預けておくから、大事に保管するように! これは命令だよ」
悪戯な声でギルマスが言い、私は元気よく返事をしたのだが、本当に私が預かって良いのか、疑問に思ってしまうのだった。
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勲章が欲しくて教えた訳では無いが、この国がより良い国になるのなら、俺は協力を惜しまないだろうが、俺を裏切った瞬間に、俺は国に対して宣戦布告をするだろう。
俺がボウガンについて設計書を渡してからしばらくの間、王都の防衛に関しては俺が手伝っていたのは言うまでもないが、それを公に出すことはしない。
しかし、前に王都で暮らしていたときは、ここまで攻め込んで来る事はなかったが、勇者は何をしているのだろうか……。
このままでも構わないけど、少しだけ探索してみた方が良さそうと思い、その夜に皆へ通達すると、全員に緊張のような空気が流れ、皆はいそいそと準備を始める。
翌日になって、朝食を食べ終わる頃に俺は言う。
「俺は自分の評価を気にしないが、ギルドの名前を汚す事はできない。さて、俺たちが平和の鍵を握っているかも知れないので、気合を入れていくぞ」
最初の話は笑って聞いていたが、俺たちが鍵を握っているかも知れないと言うと、皆は表情を引き締めて強い声で、それぞれが返事をした。
俺が片付けている間に、皆は旅仕度をして、俺の作業が終わる頃に皆の準備が終わりって外に出る。
玄関のドアに鍵を閉めて、俺たちは王都から出ていく。
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タイチさんが珍しく国のために動くと聞いて、最初は驚いたが、カモネール女王陛下がいる王都が被害にあっている事と、女王陛下に被害が及ぶかも知れないから対応することにしたのだろう。
王都を出て、我々は森のある方へ向かう。その理由として、魔族が飛来して来る方向が森の方からだからだ。
険しい道を掻き分けるようにしながら先へと進んでいくと、魔物を発見したのだが、ここらでは見たことのない魔物だった。
「あれはコボルト? 少し違うように見えるけど……」
コボルトが二足歩行しており、しかも鎧や剣を装備している。今まであのような魔物はいなかったはずだ。
我々は武装したコボルトと戦闘が始まるのだが、相手は素早い動きをするうえ、地形を利用した攻撃をしてきて、我々は苦戦を強いられるのだが、タイチさんは様子を窺っているようだった。
銃で攻撃をしようとしたが、相手は岩陰に隠れてこちらの様子を窺っているようだった……。
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どうやら魔物が進化したようで、コボルトが武具を装備している。しかも岩陰に隠れてくれているため、銃で攻撃するのが難しいし。
俺はマインスロアーを召喚して、コボルトに向けて撃ち放つと、コボルトは岩陰に隠れたのだが、ホーミングを舐めてはならない。矢が方向転換して、隠れたコボルトに突き刺さる。
だが、相手は少しだけ知能があるらしく、岩陰から出てこない……が、矢が爆発してコボルトは絶命するのだが、その側にいた仲間のコボルトは怪我をしたらしいのと、驚いてしまって岩陰から出てくる。
俺はそれを見逃さず、コボルト目掛けて銃を撃ち放ち、コボルトの集団を仕留めた。
「どうやら相手は進化しているようだな。ただのコボルトと思わないよう、注意していこう」
俺の言葉に全員が頷き、俺たちは険しい山道を進んで行き、数日が経ったころ、俺たちは洞窟を発見したのだが、前に調査をしに来た時は、この様な洞窟は見当たらなかった。
「新しい洞窟ができたんスかね?」
地図を観ながらカミュが呟く。
「いや、どうみても人工の洞窟だ。少しだけ離れた場所で、様子を窺った方が良さそうだな」
そう言って俺たちは洞窟からこちらが見えない場所に移動し、キャンプを張ることにしてテントを組み立てる。
食事はレトルトで簡単に済ませて、交代しながら洞窟の様子を窺っていると、洞窟の中から武装したコボルトが出てきたり、魔族が出てきたりしているのを確認して、全員が翌日に備えることになった。
翌朝になり、俺たち朝食を簡単に済ませ、装備の確認を行ってから洞窟の中へ入って行く……。




