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私の可愛い奴隷人形  作者: 葉都菜・創作クラブ
第2章 信頼する人 ――プレリアシティ――
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第15話 フードの女性

 【プレリアシティ 市内】


 バトル=アルファやバトル=ベータが銃撃を繰り返しながら、警備軍兵士や傭兵を撃ち殺してゆく。形成は連合軍の優勢であった。だが、政府特殊軍がやってきたら、それは一気に逆転するだろう。

 多くのガンシップが飛び、地上の兵士に向かって爆撃を行う。砲弾が飛び、爆音と共に地面が砕け、数人の兵士やバトル=アルファなどが一緒に吹き飛ばされる。また、砲弾がビルなどの建物にも直撃し、崩れてゆく。

 そんな激戦が繰り広げられる中、警備軍兵士たちが射撃を繰り返す陣地にトワイラルとミュートがやって来る。


「形勢はどうだ?」

「劣勢です!」

「ぐぁぁッ!」


 トワイラルの隣の兵士が悲鳴を上げ、ひっくり返るようにして倒れる。白い装甲で覆われたその肩から赤い血が出ていた。すぐに他の兵士が近づいて彼を後ろに連れて行き、いなくなった場所に別の兵士が入り、射撃を開始する。


「しかし、援軍が近くまで来ています! ディンター将軍はすでに連合軍の妨害を突破し、プレリアシティの郊外に入ったと!」

「よし、あと少しだ!」


 トワイラルはスタンロッド型の魔法発生装置を振り、物理シールドを張る。そして、ゆっくりと前進を続けるバトル=アルファの軍勢に向かって数本の雷を落とす。地響きと共に、眩しく光る数本の雷が落ちる。何十体ものバトル=アルファが倒れる。


「トワイラル軍曹! 敵の総指揮官です!」

「なにッ!?」


 トワイラルは兵士が指差す方向を見る。そこにいたのはスピーダーにまたがり、高速で飛ぶ、灰色のローブを着た人間だった。

 その側には同じスピーダーにまたがった14機のバトル=メシェディと呼ばれる人間型の護衛兵器。バトル=アルファとは比べものにならないほど高性能な軍用兵器だ。

 その分隊は真っ直ぐと本部要塞の方へと飛ぶ。それを見たトワイラルは近くにあったスピーダーにまたがると、飛んで行った分隊を追うようにして飛び出した。



 【プレリア防衛師団本部 本部要塞 ヘリポート】


 プレリア防衛師団本部には数人の兵士がいた。彼らは空から聞こえてきたスピーダーの音に上を向く。その途端、爆音が鳴り響き、兵士達は次々と爆撃に倒れる。

 煙の上がるヘリポートに15機のスピーダーが降りてくる。連合軍のスピーダー。さっき、トワイラルが見かけた分隊だ。


「かかれ、ヴァランを殺害しろ!」

[はい、将軍]


 逆三角形の赤い目。黒い鋼の体。護衛兵器のバトル=メシェディに与えられた命令はヴァランの殺害であった。

 ローブの女性は右腕に取りつけた無線機の電源を入れる。すると、そこに小さな立体映像が映し出される。写っているのはクラスタだった。


「クラスタ将軍、侵入完了しました。ご命令通り、ヴァラン抹殺の為の分隊を送り込みました」

[よくやった。お前はこれからトワイラルとミュートを殺せ。それが出来たら正式に連合軍将軍としてやる。死んだデスピア将軍の後任に、な]


 鋼の仮面に覆われていない口からは何か言葉を発そうとする。だが、なかなか出て来ない。まるで詰まったかのように出て来なかった。

 立体映像に映るクラスタが不愉快そうな顔をして何か喋ろうとした時だった。空からスピーダーの音。トワイラルのスピーダーが降りて来た。


「クラスタ将軍、敵出現の為、これでアウトします!」


 素早くそう言うと彼女は通信を切り、トワイラルの方を向く。


「お前がクラスタか。ファンタジアでのお返しをさせて貰うぜ!」

「わ、私は…… クラスタ将軍の部下だッ!」

「…………! チッ、部下か。でも、それでもお前を逮捕する!」


 トワイラルはアサルトソードを鞘から引き抜くと、ローブの女性も同じようにアサルトソードを引き抜く。銀色の刃が冷たい雨に濡れる。

 2人は剣を握り締め、走り出す。雨が降る中、相手を殺す為に。残酷な、あまりに酷い高い金属音が辺りに鳴り響いた――……



 【ファンタジア防衛師団本部 最高司令室】


 ファンタジアシティの最高司令室。そこにある大型立体映像投影機に映る2人の人間。プレリアシティのヘリポートで戦うトワイラルとローブの女性だった。

 2人は何度も剣を打ち合う。ほぼ互角……いや、ローブの女性の方がやや実力は上でトワイラルは防戦になっていた。


「ハハハ、殺せ。“かつての仲間”を……」


 薄い青色の立体映像を眺めるのはクラスタと数人の連合軍将校たちだった。しばらく2人の戦いを見ていると、クラスタの右手首に付けた無線機から通信が入る。クラスタがスイッチを押すと、その通信機から立体映像が表示される。映っているのはバトル=メシェディだった。


[こちらヴァラン抹殺分隊。ヴァランを発見しまシタ]

「よし、殺せ」

[あのー、ヴァランがクラスタ将軍と話がしたいと……]

「…………。いいだろう、代われ」


 クラスタがそう言うと、立体映像はヴァランに変わる。彼はその場に座らされ、バトル=メシェディによって頭にハンドガンを突きつけられていた!

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