麻薬カルテルの討伐 ~ RESULT ~
配下であるはずのその男は主人であるグレンの首元を切り裂いた。
これによりグレンは絶命し、辺りは静寂に包まれた。
「はじめまして……私は獅童会幹部。グレオールと申します。」
「獅童会?レッドドラゴンではなくて?」
エルザはそう問い返す。
「ええ。私はボスの命を受けてこちらの組織に潜入させて頂いておりました」
「レッドドラゴンとオロチの同盟関係締結を破談させるために来たのですが……。お二方がおられたおかげで破談どころかオロチは壊滅」
「そして、レッドドラゴンのリーダーを殺害することができました。」
エルザは警戒感を顕にしながら、グレオールを見つめる。
「そんなに警戒しないでください。今日はこれで終わりです」
「あなたにこんなに手傷を負わされてしまったんですから……」
身体を広げ、傷を見せる。
グランの首を切り取り、布で包む。
「ボスはトレントには今のところ何かするつもりはないでしょう」
「昨日、うちの店を張らせてた奴らも獅童会の依頼でやっていたのよね」
そうエルザが答えると少しだけ驚いたようにグレオールは言った。
「驚きました。もう気付かれていたとは……」
「でも……。今私が言ったことは事実です。ただ、今回の件で認識を改める必要があるでしょうな」
「オロチを単独で壊滅させてしまったのですから……。」
そう言って、グレオールはレインの方を見て聞いた。
「あなた名前は?」
「レイン」
「そうですか……覚えておきます」
そう言って、グレオールは立ち去った。
屋根にいたはずの傭兵2人もいつの間にか消えていた。
◆
ひとまずレインはエルザの様子を見るため、駆け寄る。
見たところあばら骨が何本か折れてしまっているようだ。
「今治療します」
そう言ってバッグから魔道書を取り出し、詠唱を行い治療した。
レインは治療の魔法があまり使えなかった。
レインの場合、血操術により切り傷は止血できる。骨も折れたことが一度もなかっため、使いどころがなかった。
あまり使わないため何度も魔道書を見て、少しオドオドしながら治療を行った。
「終わりました。どうですか?」
「ありがとう。治ったわ」
しっかりと魔法を行使できたことにレインはホッとした。
「もう屋敷には生きている人はいないの?」
「はい。間違いなく全員死んでると思います」
エルザはにっこり笑って言った。
「なら、屋敷の中の証拠品を回収しましょう。王都への流通拠点がわかるものがあると思うから」
「わかりました」
そう言って、2人は屋敷に戻った。
「ああ、そうそう」
そう言って、エルザが振り返ってレインをみる。
「屋敷にある金品や美術品は2人はで山分けね。」
ニヤリと笑いながら、レインに行った。
「ザックには内緒ね」
そう言ってエルザは顔の前に人差し指をあてる。
それを見て、思わずレインもニヤリと笑ってしまう。
「いいんですか?そんなことして?」
と言いつつ、レインのニヤニヤした顔が戻ることはなかった。
「いいのよ!2人で何もなかったって言えばそれで終わりよ」
「了解しました!!」
そして、2人は手分けして金目のものと証拠品をテキパキとピックアップしていく。
(エルザさん。最初は大人でしっかりしたお姉さんって印象だったけど、意外とそうでもないのか?)
任務が始まる前はドキドキして話すことすらままならないぐらい緊張していたが、それがすっかりなくなっていた。
そんな自分の気持ちに疑問を持った。
話し合いの結果、貨幣はこの場で半分に分けて、美術品などのデカいものはレインが住みかにした屋敷に持ち帰り、夜が明ければ、ディランを通じて換金に行くことにした。
レインは足元に細長い楕円形の大きな水玉を作り出し、その上に量の美術品を水玉の上に置き、進行方向に移動させた。
「これ凄いわね!!」
エルザは感激したように言った
「これは王都である駆け出しの魔法師がやっているの見てそれを再現したものです。」
これは馬車の車輪の原理と同じだ。水玉を車輪のように回転させて推進力を作っている。
そうして、美術品を含む金品財宝をレインの住みかに運びこんだ。
だが、レインは忘れていなかった。
任務の直前にした約束を……
「エルザさん。任務の前に言ったこと覚えてますか?」
「ええ。覚えているわ」
それを聞いてエルザに身体が触れそうな位置まで接近したし、壁際まで追いやった。
「ど、どうしたの?レイン君」
「刺激的なことを教えてくれると言ってたじゃないですか?教えてください!!是非!!」
レインは前のめりになりながら、言った。
「ストップ!ストォーップ!!」
エルザは顔を赤らめながら、レインを突き放した。
「レイン君。確かに刺激的なことを教えるとは言ったけど、Hなことをするとは一言も言ってないわよ?」
(え?)
「それに強引に女性に迫るのはよくないわよ?」
レインは申し訳なさそうに俯いた。
「すみません……」
「いいのよ!今日は助けてもらったし、許します。」
「それに私も言い方が悪かったし…」
ヘヘッとエルザは笑った。
「でも約束は守るわ。明日、ブラックマーケットで美術品売り終わった後は空けておいてね」
エルザは少し興奮気味で笑った。
「デートしましょう!」
この作品を読んでいただきありがとうございます。
拙い文章ではございますが、楽しんでいただければ幸いです。




