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殺し屋レインのお仕事  作者: ナマケモノ
2章 トライザント 修行編

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39/50

商家の娘 アリスの回想

前話の続きは次話から…

回想(ep16~eq19)の内容含む。


周りから言われなくてもわかっている。


私は王都。いや…王国全体で見ても私より可愛い女の子はそうそういない。


それが齢12歳ごろに知った現実の話だ。



街を歩けば、通りすぎた男性は私をもう一度見るために振り返る。


そして人と話す時も可愛いねって…大体言われる。


正直な話。もう聞き飽きている。


これは私の宿命なんだわ。生まれついた時から人の視線にさらされる人間なのだ。



でも私は人から注目されるのは嫌いじゃない。

むしろ好きだ。


同性の男の子達は私の気を引こうと色々な事をしてくれるし、色々なことを話してくれる。

私だけのために。


そして、私に対して独占欲を持ってきたりする男の子もいたよね……



そして、女の子達もそうだ。

私のことを可愛いといってくれる子もいれば、好きな男の子が私に夢中になって、嫉妬を剥き出しにしてくる子もいる。



好意的な感情であろうと、負の感情であろうと…。


自分に対して、強烈な感情を抱かれるのは好きだ。


何でかって?

そんなの決まっている。


それは自分を中心に世界が回っていると実感できるからだ。


この世界は舞台だ。この舞台においての主役は私。

それは生まれた時からそうだったのかもしれない。


主役たる私はどれだけ褒められても称賛されても自惚れずに努力することを怠らない。

それがあるべき姿だ。


今も商家の勉強に芸術。そして剣術も習い始めた。


美しく可愛い人間に生まれたのなら、その容姿に相応しい人間になるというのが私のモットーだ。


それが美の女神に選ばれた人間の義務なのだ。




そんな順風満帆な生活を送っていた私にトラブルが襲う。


両親と一緒に他の領地に行ってきた帰りに盗賊に襲われたのだ。


護衛は全員殺され、私達家族は捕えられた。


私達は薄暗い洞窟に引きずり回されて、連れてこられた。

ここまでの絶望を感じたのは人生で始めてだった。

助かるために必死で足掻いたが、どうやら無理そうだ。


盗賊達の話によると私を奴隷に売り飛ばす気らしい。


私はこの世界の主役なんかじゃないのかもしれない。


でも…でもね……。

そんなことはなかった。


私達をある男の子が助けてくれた。

その子はレインと名乗る男の子だった。


その子は地味な服に地味な容姿だった。

私の思い描いた美しくてカッコいい王子様ではないけれど、そんなことは関係ない。



彼が境地を救ってくれたのは事実。

彼が私の王子様。いや…そんな風貌ではないから、ナイト様かしら。



そんな彼はとても強いのにとてもシャイな性格だった。

私のことを見て、照れてくれる顔がとても愛らしい。それに顔もイケメンではないけれど、可愛い顔立ちをしている。



(こういう感じもいいな~)



そう思って私は彼に自分のナイト様の地位を与えたい。そう思った。


今の王国は全体的にあまり治安が良くない。

そんな時に主役たる私のことを守ってくれる存在は必要なのだ。


そんな彼と私はデートすることにした。

私の初デートをあげたのだ、感謝して咽び泣いてくれてもいいのよ?



泣くことはなかったが、レインはとても嬉しそうだった。その顔が見られて私も嬉しい。



そんなデートの最中にいつも話している友達と出くわした。友達と話しつつもレインに意識が向く。



レインは私が友達と話している姿をじっと見ていた。レインの切ない顔を見ると、とても嬉しかった。


嫉妬してくれているのね。



間違いなく今、彼の心の中心に私がいる。



それがとても心地よい。


演劇を見終わって、彼の顔を見ると、とても満足した顔をしていた。



次の日は家庭教師が来る日だったから、レインとゆっくり話すことはできなかった。



でも…大丈夫だよね。

彼の心の中は私でいっぱいなはずだから…


それに造花をうちの商家で販売することになった。だからいつでも会えるよね?




でも、そうはならなかった……。

彼がここを経って、しばらく過ぎた頃私は思った。



(おかしい……)




私のことが好きなら、一週間に一回は私に会いにきてしかるべきだ!!


なのにいつも来るのは、剥げてる髪を帽子で隠したおじさんだ。



あなたは別に求めていない!!レインを出して!!

私は心の中でずっとそう思っていた。



さらにしばらくした後、今度は女の人がきた。20代くらいで整った顔立ちをしてる女性だ。



帽子を被ったおじさんの知り合いだろうか…。

だが…あるものを見て、私はフリーズする。



彼が飼っている可愛い白猫をその女の人が肩に乗せていた。


「………………」

私は数秒間、何も言えなかった。


私に会いに来ず、この年増女といるの?レイン?


なんで?なんで?なんで?


おかしいよね……信じられない!!

レインは私のものなのに……



おっと…。いけないわ私。

舞台上の主役はこんな感情は抱かない。



でも自分の中から黒い感情が溢れて来るのを感じる。

つい言葉が強くなってしまう、そして笑顔がぎこちなくなってしまうのを感じる。



これが独占欲ってやつなのかな…



その年増女が去って行くのをじっと見る。

この女……。顔を覚えたぞ。



そしてレイン。あなたも悪いのよ。私をほったらかしにして……。



次に会った時はお仕置きが必要かもね。







当作品を読んでいただきありがとうございます。

拙い文章ではございますが、楽しんでいただければ幸いです。

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