↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺し屋レインのお仕事  作者: ナマケモノ
2章 トライザント 修行編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/48

レイン VS 覚醒のオルストン


カザエルはこれから3日間来なくなる。


その間、どうするかをレインは考えた。


闘気を使いこなす訓練は絶対に必要になる。

そして締め切りの近い造花もつくらなければならない。


……意外とやることは多いかもしれない。



今日はこれからもう1つやることがある。


以前言っていたクライの憑依だ。


夢に出てきた悪魔は月光丸の身体では現れなかった。


今の月光丸はただの猫だ。

こっちの月光丸は偉そうにあれこれ言わないので、可愛いい。


いつもどおり、月光丸を撫でながらオルストンの話を聞く。だが…


「オルストン…。理屈はもういい。結局のところやってみなければわからないんだから…」

安全性について十分に注意するのはわかるが…


「レインの言う通りよ!オルストン…」

レインにならってエルザもそう言う。


「不安なのはわかるけど、安全にできると思うよ。」


「その根拠は何だい?」

(意外とこいつもビビってるのか…)


「月光丸とクライ。それぞれ一回ずつ成功している。そして失敗例は…ない。これじゃ不満か?」


オルストンは少し深呼吸をする。


「ちょっと取り乱していたようだ。申し訳ない。」

そう言って、オルストンは謝罪した。


レインはクライの方を見る。

「クライ…。またな…」


「ええ……。ありがとうございました。」

そう言ったところで、オルストンの身体にクライが入りこむ。


「う…うぅぅ!」

オルストンが苦しみ出したため、血操術でオルストンの癇癪を抑える。


徐々に気持ちが落ち着いていく。オルストン。


(よし……成功だ。)


あまり見た目に変化はなかった。


だが、体内にある魔力量はとてつもなく増えている。


「おお……。これが…これが悪魔の力かあ!!!」

そう言って、オルストンは立ち上がった。


「素晴らしい!素晴らしすぎるぞぉぉぉ!!」

(もう一回、抑え込んだ方がいいかな…これ)

オルストンのあまりの興奮にレインはそう思った。


「ああぁぁぁ。この身体を使えば私は……」

(それって、悪魔側のセリフじゃない?)


レインがそう思ったとき、オルストンの頭を叩く音がした。

スパンッと実によく響く音だった。


「ちょっと、うるさい……」

そう言って、エルザはオルストンの後ろに立って言った。



「フフッ…。よかったねエルザ…。今の僕なら君を簡単に八つ裂きにできるが…。」

「僕は今気分が良い!特別に許してあげるよ。」

そう言って、腕を組んでエルザを見る。



「へぇ~。随分な自信ね。やるなら受けてやってもいいけど、貴方が恥をかくだけよ。」



(この2人はもしかして仲が悪いのか?)



エルザも3日連続で僕の血操術による肉体改造を行っており、肉体の強度と魔力量は遥かに上昇している。1対1なら近接戦もできるエルザの方に軍配が上がる可能性が高い。


クライの権能によってはそれもひっくり返るだろうが、オルストンがクライを憑依して直ぐに使いこなせるかどうかはわからない。


(でも…ちょうどいいかもな)


「良かったら、僕が相手になろうか?オルストン。」

レインはカザエルに教わった技で試し斬りしたいと思っていたのだ。


「レイン君。君でも只では済まないかも知れないよ?」


それにしても…随分と威勢がいい。

クライの力はそれほどのものなのだろうか…。


「わかった。楽しみにしているよ」



◆



翌日の午後


レインとオルストンは正面で向かい合う。


オルストンは昨晩ずっと何やら作業に更けていたのを知っている。


今この瞬間のためにクライの力を制御できるようにしてきたのだろうか?


(でも…やることは変わらない)


レインは自分の剣を見る。その剣には闘気が込められている。


レインは闘気を攻撃に転用できるようになった。

後は実践でも活用できるかどうかというところだ。



「いつでもいいよ!」


オルストンはそう言って、手を広げる。

それを見て、エルザは開始の合図をした。


(隙だらけだな…)


レインは腰を落とし、抜刀の構えをする。

地面を思いっきり蹴り、オルストンに向かって木剣を振り抜く。


オルストンは咄嗟に防御しようとしたが、間に合わない。レインの木剣はオルストンの首元にあった。


「え?」

驚愕の表情でオルストンはレインを見る。


「オルストン。魔法って発動が遅いんだ。戦闘経験がないとわからないかもしれないけどね。」


そう言って、レインはオルストンから離れる。


(やはり、力は強くなっていてもオルストンはあまり戦闘馴れしていない。)


「オルストン。次は先攻を譲るから…」


レインはクイクイと、指を曲げてかかってくるようにジェスチャーをする。


「……!!」


オルストンは手を前に出すと巨大な大鎌を生成した。


オルストンが大鎌を大きく横に振ると、強烈な突風がレインに襲いかかる。非常に攻撃範囲の広い。


レインは横に飛び、風を躱す。

木に隠れるて攻撃の隙を狙おうとしたレインに向かい再び大鎌を振る。今度は炎波がレインに襲いかかる。炎は木々に飛び火して、レインの動きを封じる。


(あの大鎌は魔法使いの杖のようなものか…。)

魔法使いにおける杖の役割は、術者の魔法を補助し、威力や精度を増強させる。



逃げ場を失ったレインに魔力をのせた斬撃を放った。


レインはその斬撃を剣で斬るが、全てを防ぐことができずに剣を持つ手の甲に傷を負った。


「……!?」

(手に力が入らない…。)


レインが手に力が入らないことを確認し、オルストンは言った。


「手に力が入らないかい?」


どれだけ力を入れても腕が動かない。

「相手の感覚を遮断する能力さ。これがこの大鎌の真の力なのさ。」


「これって…どうやったら治るの?」


「この大鎌を破壊するか僕が術を解くしかないね」


「そうか…」

(なら、問題ないな…)


「どうする?降参するかい?」


「いや?」


そう言って、血操術で動かない右手を血で覆う。



相変わらず右手の感覚はないが、内部の神経が機能しなくなっているため、外部の力で手を動かす。


右手に木剣を持たせ、それを血液で固定する。


それを見て、オルストンは息を呑む。


「嘘だろ…?」

オルストンは驚きを隠せない声で言った。


「上出来だよ。オルストン。」


レインはゆっくりと剣を構える。


「そうだ。そのまま構えておいて。」

警戒して大鎌を構えたオルストンにそう言った。


そして次の瞬間、轟音と共にオルストンの大鎌は折れ、木々を倒しながら、後方に吹き飛んだ。


そして、レインの右手に感覚が戻ってくる。


(神撃(ゴッドスラッシュ)。……完璧だ)


この技は風魔法と火魔法の爆発により、体を加速させ、土魔法で自分の質量を最大限に高めて、相手に風、雷、火の3属性の魔法を付与させる剣直撃させる技だ。

レインが見た技の中でこれが一番速く、威力が高い。


(あ……ヤバい…。)


「オルストン!大丈夫か!!」


そう言って、レインはオルストンに駆け寄った。


オルストンは気絶していた。外傷は現在進行系で治療されていた。内側からクライがやっているのだろう。


「大丈夫?そいつ…」

声の方向を向くとエルザが立っていた。


「うん。しっかりと治療されているよ。」


「体の神経を奪う能力ってところ?恐ろしいわね」

エルザはオルストンの力を見て、そう評した。


ひとまず、オルストンをログハウスに連れて帰ることにした。



◆



オルストンとの模擬戦の後はトライザントを探索した。


今回の探索では新しい種類の魔物のテイムが成功した。


種族名はヨウサイ。鎧のように固い皮膚と一角竜の如き鋭い一本角をもつ巨大な魔獣だ。


このヨウサイはジェットウルフのように縦横無尽に動き回ることはできないが、強力な突進力をもつ魔物だ。

この突進をまともに受けるとほとんどの魔獣はノックアウトしてしまう。まさに重戦車という感じだ。

彼らは5体テイムしている。


草食というのも素晴らしい。餌をレインが用意しなくていいのだから。

ジェットウルフは肉食で数が増えると餌に困ってしまう。だから今日はテイムしていないのだ。



レインとエルザは探索から帰る際にトライザントの中央部の一角を遠視で一緒に見る。


「エルザ。何が見える?」

これは偵察を兼ねてエルザにある魔法を教えている。

千里眼(クレアボヤンス)だ。


「何か…青紫色の液体。そして3つの頭を持つ竜。あれが…ヒドラ…。」

恐れを滲ませてエルザはそう言った。


「思ったよりもデカイね」

予想だと全長40メートル程度ある。

それに膨大な魔力量だ。


だが、今なら…テイムすることは十分可能だ。




そろそろトライザント攻略の第三段階。

ヒドラとの決戦も見えてきた。






当作品を読んでいただき、ありがとうございます。

拙い文章ではございますが、楽しんでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。