表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻りが許されるダンジョンでは、バトルロワイアルが日常です。  作者: 昼ライス
3章:沖縄ダンジョン編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/129

3章44節

毎日17:30投稿

爆音が、空気を裂いた。


ヤチヨの大曲剣が振り下ろされるたび、

地面が悲鳴を上げる。


ジップは、それを――正面から受けていた。


「――ッ!!」


金属と金属が噛み合う衝撃。


本来なら、

受け止められるはずのない一撃。


だが、ジップのセスタスが、それを弾く。


否――

叩き潰す。


「……まだだ」


ヤチヨの目が、光を失わない。


むしろ、

燃え上がっていた。


(足りない……?)


(違う)


(――“上”を見ろ)


その瞬間。


ヤチヨの背後に、

何かが“立ち上がった”。


それは幻覚ではない。


彼女自身の存在感が、

一段、上の位相へ跳ね上がる。


「……は」


ジップが、短く息を吐く。


「来たか」


ヤチヨの剣が、

さらに“重く”なる。


振るうたび、

世界が従う。


自分が、正しい。

自分が、上だ。

自分が、勝つに決まっている。


――傲慢の臨界。


「押し潰してあげるわ」


低く、女の声。


次の瞬間。


剣が、嵐のように叩き込まれた。


斬撃、斬撃、斬撃。


間合いを殺し、

防御を許さず、

退路を断つ。


ジップの足が、

一歩、後ろへ下がる。


「……ッ」


拳で受ける。


肘で逸らす。


肩で弾く。


だが、

押されている。


(なるほど)


(これが――)


ジップの奥歯が、軋む。


「……いい」


「実に、いい」


次の瞬間。


彼の足が、

地面を踏み抜いた。


爆発。


怒りが、内側から噴き上がる。


憤怒の臨界。


それは、

理性を焼き尽くすものではない。


ジップの場合――

制御された怒りだった。


「――だが」


「それでも、足りない」


拳が、空を殴る。


衝撃が、遅れて到達する。


ヤチヨの身体が、

見えない何かに殴り飛ばされた。


「――ッ!?」


空中で体勢を立て直そうとする。


だが、次の一撃が来る。


今度は、

確実に。


腹部。


息が、抜ける。


膝が、落ちる。


「……くっ……!」


それでも、

剣は離さない。


傲慢が、

彼女を立たせ続ける。


「……まだ……!」


振り上げた剣を――


ジップは、

真正面から叩き落とした。


セスタスが、

剣の腹を打つ。


金属音。


コンクリートの地面にひびが入るほどの衝撃。


大曲剣が、地面に転がる。


一瞬の静寂。


ヤチヨの視界に、

影が落ちる。


「終わりだ」


低い声。


拳が、

彼女の喉元で止まる。


殺せる距離。


だが、

殺さない。


拳を引き、

代わりに、肩を掴む。


「お前は強い」


「だが――」


「戦場を選べていない」


ヤチヨは、

歯を食いしばり、笑った。


「……あんたも、同じでしょ」


「殺せない癖に」


ジップは、答えない。


ただ、

彼女を地面に叩き伏せ、拘束する。


戦いの勝敗は、明確だった。


勝者、ジップ。


だが、

どちらも無傷ではない。


憤怒と傲慢がぶつかり、

世界は、確かに揺れていた


いつもありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、

★★★★★評価・ブックマークで応援していただけると嬉しいです。


本作は毎日更新中です。

明日もお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ