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DAY90  空に轟く違和感

雨が上がり一馬達は、廃倉庫を後にする。

激しい雨が濁流となり、

陥没したコンクリートへ飲み込まれていく。


高低差のある瓦礫を慎重に降り、

死の大地へ向けて進んでいく。


あがー


上の方からゾンビが、覗き込み落下する。

崩れたコンクリートに身体を打ち付けるが、

足を引きずりながら襲いかかる。


ブォン


鍊次のスレッジが振り抜かれる。

頭蓋骨は一瞬で破裂音を奏でる。

各自が荷物に自転車まで背負っているせいか、

全体的に反応が鈍い。


隼人が先導し、瑠奈は後方を気にしながら進む。

一馬は記憶を探りながら、

周囲を確認しながら隼人に続く。


濡れた足場に、

不安定な文明の残骸を進んで行く。


一馬は突然G17(グロック)を抜く。


ドンッドンドン


光が遮られて空間に弾丸を数発撃ち込む。

一斉に警戒態勢に入り、

皆声を潜め、コンクリートの闇を凝視する。


ドサッ・・・ドサッ・・・


スキャヴァーが2体、虫の息で地面に転がる。


ドンッドン


隼人が近づきトドメを刺す。


隼人「よく、わかったね?流石」

一馬「ウッス!」


一馬は短く隼人に返事をする。


隼人は一馬の反応に違和感を覚えるも、

状況が状況なだけに自分自身を納得させる。


黒羽(クロウ)も、軽口を叩かない

一馬の緊張感を感じ取る。


朱華「・・・・・六花」


朱華は一馬の様子に苛立ちを感じる。


一馬が警戒しなければいけない

「何か?」がわからないからだ。


六花「はい」

朱華「いいか、一馬を最優先に守れ」

六花「はっえ?しかし・・」

朱華「・・・・・」


朱華は六花に本気の殺気を向ける。


六花「・・・・・わかりました」


渋々ではあるが、六花は朱華の命令を承諾する。

先に進むにつれ、

瓦礫が高く壁のように伸びていく。


崩れた建物のエントランス部分が見える。


隼人「ここから地上には登れそうかな?」

一馬「行けるとは思います。」


実際一馬は一度地上に出た記憶があるのが、

断言まではしない。


一馬(この先から・・・)


崩れた建物は地上12階、地下1階の

元オフィスビル。

地下は地盤沈下の際、ビルの重みで跡形もない。


オフィスビルの非常階段を確認する。


エントランス1階からは、

登れそうになかった。


エレベーターは構造上耐久性がある。

確認するとエレベーターの存在感は、

崩れていなかった。


錬次と武臣で無理やり

エレベータの扉をこじ開ける。


ワイヤーが切れエントランスまで、

エレベーターBOXが落ちてきている。

後ろを警戒しつつ、

エレベーターBOXの中に入り、

メンテナンス用の上部扉を開ける。


瑠奈「私が先に行きます」

隼人「・・・わかった頼むね」

一馬「気を付けろよ」

瑠奈「うん」


メンテナンス用の扉は狭く作られているため、

ここからは身軽で小柄な瑠奈が先導する。


軽快に扉をよじ登り、

エレベーターBOXに上がる。

瑠奈はペンライトと拳銃を構え、

光が遮へいされた空間を観察する。


瑠奈(・・・・何もいない、三回から少し光が漏れている?)


隼人も上がってくる。


隼人「一馬くん、とりあえず3階から入れそうだから待機していて、あとバールも頂戴・・・瑠奈ちゃん、様子を見てきて」


瑠奈「わかりました」


瑠奈はリュックと自転車を降ろす。


身軽な体を活かし、

スムーズに3階まで上がっていく。

3階のエレベーターの扉は、

拳ひとつ分の隙間がある。


どこかで拾ったコインを投げ込む。

コインの金属音が響く。

瑠奈はゆっくり10秒数え耳を澄ます。


瑠奈は隼人にペンライトを向け、

点灯を繰り返す。


隼人「OKだ!一馬くん、順番に登ってきて。自転車は・・・」

一馬「残念ですが、持っては行きません」

隼人「うん、そうだね」


状況を整理し、隼人は3階へと昇って行く。

一馬は自転車を置いていくように指示を出す。

錬次だけが最後まで、

拒んだがしぶしぶ別れを告げた。


ガコンッ


3階の錆びた扉が重々しく開く。

荷物はひとまずエレベーターBOXの上に降ろし、

身体だけ上まで運ぶことにした。


錬次と武臣を先に登らせ、

後に続く人間を引っ張り上げる。


一馬は一番最後まで

エントランス側で待機をする。


ドンドンッ


紛れ込んでくるゾンビの額を撃ち抜く。

荷物が全て引き上げられたので、

一馬も上に向かう。


3階も周囲が地面に囲まれてはいるが、

非常灯のおかげで光源の確保は出来ている。


一馬「進もう」


3階の非常階段を進む。

非常階段から一気に12階まで登る。


一馬は予定調和の展開を淡々と進む。

一馬は素早くG17(グロック)を構える。


一馬「来るぞ!!!」


一斉に全員警戒態勢に入る。


ドンドンドンッ

ドンドンッ


昼間とは思えない量のゾンビが、

歓迎のあいさつをする。

瑠奈は警戒にゾンビの襲撃を躱し、

ナイフで頭蓋に風穴を開ける。


隼人と黒羽(クロウ)は丁寧にゾンビを片付ける。

朱華と錬次は自由に動き、

六花と武臣は、

誠・葵・トーマスを中心に立ち回る。


一馬は前衛で戦いながら違和感を探す。

ゾンビを躱しながら、ゾンビに弾丸を打ち込む。


一馬(ゾンビ‥ゾンビ‥ここで!)


一馬にゾンビ犬が複数体襲い掛かる。

ゾンビ犬の動きに六花が反応する。


一馬に襲い掛かるゾンビ犬を、

六花がライフルで狙いを定める。

一馬が六花の反応に気がついた。


ダンッ


コンクリートの瓦礫の山に

銃声とが響き渡る。

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