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DAY66 守る暴力と対峙する格

迷路のようなガレッジ(軍用大学拠点)

傭兵の追撃を避けながら進む瑠奈と隼人。


東棟から西棟へ回り、

更にガレッジ(軍用大学拠点)奥へと進む。


進んだ先で敷地の外へ出ると大きな別館がある。

”UNIVERSITY LIBRARY ”


瑠奈「図書館…?」

隼人「うん、そうだね。」


ガレッジ(軍用大学拠点)内は、

軍事拠点になった時点で大きく改造されている。


電子制御付き鉄格子を、

侵入ルートの制限や緊急時に備え、

過剰なまでに溶接してある。


図書館の入り口の大きなガラス扉は、

侵入歓迎と言わんばかりに割れている。


隼人「ここから奥に行くよ。いいね?」

瑠奈「はい」


2人は慎重に図書館の建物に入る。

割れたガラスの破片を、

ゆっくり潰すように歩く。


瑠奈「うぷっ」

隼人「こほっ」


思わず2人はせき込む。

大量のカビと埃そして…

インクの匂いが立ち込める。


鼻と口を布で覆い、

周囲の音に聞き耳を立てながら、

大きな1階ロビー奥へと進んで行く。


1階裏口の入り口は

防火シャッタが閉まっている。

非常用扉を開け押すも、

外側からの圧力に開く様子は無い。


瑠奈「隼人さん…」

隼人「ちょっと待ってて。」


隼人は少し周囲を確認して回る。

図書館の見取り図を眺めながら、

少し考える様子を見せる。


隼人が瑠奈に視線を向け、

見取り図に指し示す仕草をする。

瑠奈が見取り図の前まで近づいてくる。


隼人「多分だけど、

3階からしか外には出れないかもね。」

瑠奈「どうしてですか?」


見取り図には、

4階までのレイアウトが記されている。

2階から4階までは、

大きな本棚と読書スペースがある。


隼人はレイアウトを指さし

非常口の場所を確認しながら説明する。


1階”RESTROOM”の文字とマーク。

非常口は1階と3階にしかなく、

2階と4階は本棚と読書スペースのみ。


隼人「電気が通っていたら、

電子柵の開閉は可能だからね。

開放的な施設の侵入経路は最低限にした感じだね。」


瑠奈「そこまで不自由にする理由はなんですか?」


隼人「ゾンビもそうだけど、敵の侵入を制限できるからね。守る箇所を限定的にすれば、人員も確保しやすいでしょ?」


瑠奈「確かに…

でも大きい大学じゃなくても…」


隼人「大きいからこそだよ。日本のことわざに…”大は少を兼ねる”?だったかな。軍事用の武器は場所も取るし。在住…住む事が前提だからね。強固で安全で大きくて広い。大学は条件としては完璧だよ。」


突然隼人が口元に指を立て、瑠奈に合図をする。

上の方から、足音が聞こえる。


上への階段は手前と奥にあり、

どちらからでも4階までいっきに上がれる。

上から下へ誰かが降りてくる。


瑠奈は受付カウンターに身を隠し、

隼人は階段の死角から様子を覗う。


男がハンドガンを向けながら、

周囲をペンライトで確認する。


ペンライトを階段死角に向けた瞬間…

隼人はハンドガンを絡め盗り、投げ捨てる。


流れるように男の首元に、

親指と人差し指の間を強く打ち付ける。


男の呼吸が一瞬止まる。

隼人は左手で男の袖を掴み引き寄せ、

右手で顎を強く掌打を叩きこむ。


男の膝が力なく崩れるも、

隼人は左手で支えゆっくり床へおろす。


隼人が瑠奈へ合図をしようとするが、

瑠奈の後ろに人影が見える。


カチリ…


瑠奈は音に反応し、素早く後方に後転する。


ドンッ!


銃声が虚しく床を撃ち抜く。

瑠奈が片足を抱え、

更に後転し男の体勢を崩しに掛かる。


瑠奈は体勢を整え、

転倒した男はハンドガンを掴み捻り上げる。

テコの原理で指の骨をへし折る。


激痛の表情を滲ませながら、

男は左手で瑠奈を張り飛ばそうとする。


瑠奈は片膝を着いた状態で、

器用に回転しながら男から半歩離れ、

男の張り手を避け、立ち上がる。


起き上がろうとする男の顎目掛け、

ブーツのつま先を躊躇なくぶち込む。


隼人「wow! よし上がろう」

瑠奈「うん」


2階に駆け上がると、

警戒態勢なのが見て取れる。


忙しなく動く影とペンライトの光。


3階までの階段は意図的に潰してあり、

正面の階段からしか上がれない。


隼人は2手に分かれるよう、

ハンドサインをする。

瑠奈は頷き隼人の反対側に向かう。


瑠奈(誠も錬次も大丈夫かな…今は集中しよう。まずは生き残らないと…。)


**********


ガシャンッ!

ガシャンッ…カシャカシャ…


錬次「よし」

誠「ちょ、ちょっと大きい音聞こえちゃうよ!」

錬次「でも、窓割って真っ直ぐ進む方が速いっしょ?」

誠「そうだけど…」

錬次「いいから行くぞ」


錬次と誠は袋小路に入るも、強引に進んで行く。

錬次のスレッジハンマーと、

怪力だから成せる技とも言えるが…。


大きな音を奏でるから、

傭兵が次々と襲い掛かる。

錬次が死角から

金属バットで後頭部を強打される。


男(やったか!)

錬次「えっ?痛ったー…あっ!」


ペコッ!


錬次が金属バットを掴み、

金属の筒がアルミ缶のように凹む。


男「あっ」


男の左頬が大きく歪み、

頭を軸に右方向へ半回転する。

男に肩から力は抜けており、

千鳥足になっている。


錬次は左手で右肩を掴み強引に振り向かせる。


男は虚ろな目で錬次を見上げたその瞬間、

錬次平手打ちが左頬を再び歪ませる。


男の頭から足の先まで伸びきり、横方向に倒れる。


幸い、肉弾戦を挑む傭兵ばかりで、

錬次の暴力に押しつぶされていく。


錬次も作戦は意外に合理的で、

ドンドンガレッジ(軍用大学拠点)奥へ進む。


誠「ここは…」


”GYMNASIUM and AUDITORIUM ”


錬次「????????何?」

誠「あっうん。えーと…

体育館と大講堂だね」

錬次「大…こ…???まっ入ろう」

誠「えっ?ちょ、待って」


誠は体育館施設の、見取り図を確認する。


大きなテニスコートが有り

奥には大きなバスケットコートが3つほど並んでいる。


バスケットコートが大講堂を兼ねている。


テニスコートを経由しないと

大講堂にはたどり着かない。

錬次は臆する事無く、どんどん進んで行く。


「止まれッ」


錬次が足を止める。

遅れて誠が合流し錬次の背中にぶつかる。


誠「痛っど、どうしたの?れん…じ、く…」


錬次の表情を見て、誠は身がすくむ。

錬次は目の前の男に対して殺気を放っている。


誠は錬次の後ろから男を確認する。


誠「!!!」


誠は男の姿を見て腰が引ける。

錬次が誠に手を伸ばし、

後ろに下がるよに指示をする。


男「退()かないか?」

錬次「あ?」

男「今なら逃がしてやる。」

錬次「……ほざけよ」

男「名は?」

錬次「……」


錬次は黙ったまま男に歩み寄る。

男は錬次より身長は高く、骨格も一回り大きい。


男「名は?」

錬次「…………」


錬次が殴り掛かる。

錬次の拳を躱し、

袖と胸ぐらを掴み投げようとする。


反応した錬次は腰を落とし、

力任せに腕を振り切る。


男の腕は錬次の胸ぐらを力強く握り離さない。


男は錬次が振り切る為に、

後ろに下がった勢いに合わせ手を離す。


錬次は少し体勢を崩し、男はその間合いを潰す。

男の掌打が錬次の脇腹に打ち込まれる。


錬次「がはぁ…」


男の肘が錬次の顔目掛け追撃してくる。

錬次の顔が勢いよく横に弾かれ、

錬次の膝が揺れる。


三の矢の掌打が錬次の頭目掛け飛んでくるも、

錬次が腕力で男を押し、掌打は空を切る。


錬次は大量の鼻血を出している。


ぶぅぅぅぅぅぅ


曲がった鼻を強引に指で直し、

親指で片鼻を抑え血を思いっきり外へ出す。


男「いい胆力(たんりょく)だな…名は?」

錬次「はぁはぁ…お前は誰なんだよ…はぁはぁ」

男「ああ…そうだな。武臣(たけおみ)だ。で、名は?」

錬次「はー…。うるせーよ」


錬次は再び殴り掛かる。

大きな空間に男の息遣いだけが響いている。

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