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DAY60 師と兄弟子と新たな展開

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


セントマーク病院の正面駐車場へ

雄たけびを上げながら

一人の大きな男が飛び出してくる。


錬次がスレッジハンマーを振り回し、

ウォーカー共を一掃している。


隼人はスコープから覗きながら、

よく動く男だと感心している。


様子を覗いながら女性も飛び出してきた。

周囲を忙しく確認しながら、

大きな声を張り上げている。


隼人(仲間?…男は振り向きもしない…

女性も…男にはあまり関心が無い…のかな。)


遅れて、別の男が慌てて飛び出してくる。

足がもつれて転倒し、

ゾンビが男に向かい襲い掛かる。


女性が男に向かい走りだす。

女性はゾンビの襲撃を躱し、

立ち位置を入れかえ男を守る。


スコープから視線を外し、全体を見渡す。

視界の隅に白いドレスの女型ゾンビが映る。


隼人はスコープを向け確認する。


隼人(叫喚(きょうかん)型…クライヤー)


長い黒髪の白いドレスを着た女性のゾンビは

攻撃性よりも周囲に

ゾンビを呼び寄せる性質がある。


大きく甲高い叫び声をあげ、

ゾンビが音の周波数に呼び寄せられる。


ダァン……


隼人は思わずトリガーに指を掛け、

クライヤーの頭に目掛け銃弾を叩きこむ。


隼人「んーーー…。

ほっとけないよね…」


我関せずと言わんばかりに

ゾンビと戦う事に夢中な男に、

男を一人守ろうとする女性の姿。


隼人は手荷物を背負い、

屋上に予め用意していた

降下用ロープで地上に向かう。


元特殊部隊にとっては

最も簡単で早い移動方法。


隼人にもゾンビは

襲い掛かろうとしてくるも…

落ち着き正確にゾンビの頭蓋を撃ち抜いていく。


女性と男の方にまっすぐ向かい、

襲い掛かるゾンビを一蹴していく。


隼人「大丈夫ッ?君、立って」

誠「あ、あな…」

隼人「説明はあとあと…いくよ…君も良いね?」


隼人は女性と目を合わせ、

同意を求める。


瑠奈「誠ッ!走るよ…」


隼人は錬次前の

ゾンビの頭蓋を撃ち抜き錬次の注意を向ける。


錬次「あーー!ああっ?」


錬次は隼人の方へ振り向き

目を合わせる。


隼人は錬次に

(こっちにこい)と

ハンドサインで合図をする。


首をかしげる錬次に隼人は

地下駐車場入り口に見えるポルータを指さす。

錬次はニヤリと笑みを浮かべ

ポルータに向かい走り出す。


隼人達も合わせて地下駐車場へ向かう。

3人はわざわざ外に出てきたが、

隼人は再び病院内に戻そうと誘導する。


戦況範囲を狭くする事で、

ゾンビが襲ってくる方向を限定する作戦。


鉄筋コンクリートに隠れているゾンビはいない。


瑠奈には誠を保護するように

屋上へ上がらせる。


安全を確認しつつ

隼人は錬次をサポートしながら、

病院内をぐるぐる動き回る。


赤い雲がいつもの色に戻っている。

狂乱の血死潮(クリムゾンムーン)が終わった。


隼人「はぁはぁはぁ…

はー。正直おじさんにはキツいね…強いね君」

錬次「はぁはぁはぁはぁはぁ…

あはっまあね…はぁはぁはぁ」


残党を確認して隼人は構えた銃を下げる。

屋上に上がり終わった事を伝える。


瑠奈「た、助かりました。」

誠「ありがとうございます。」


隼人は久しぶりの

感謝の言葉に少し照れくさく感じた。


隼人「それより…大きな彼は…仲間?」


瑠奈「…??いえ、

確かにいたような気はしますが…。」


隼人「じゃあ下で休んでるから

顔を合わせたらお礼しといてね。

彼の戦力のおかげでもあるかあね。」


誠「わ、わかりました…」

瑠奈「…わかりました」


隼人は自己満足だと思うが

いい青年達を助けた事に

とても気分が良くなった。


隼人「また会えるといいね…」


少し何か心残りを感じつつ

隼人は病院を後にする。


4人はローザのギバーで早い再会を果たす。


**********


ドドドドドドド…

ドゥルン…ド


一馬「ここか…痛ッ」


一馬と黒羽(クロウ)と葵は、

”マリア”のギバーに到着する。


”マリア”が扱う商品は主に電子機械関係。

元々機械エンジニアをしていた

”マリア”が営むギバー。


ここまでの移動手段として使った

黒羽(クロウ)達のバイク部品を揃えたギバーでもある。


マリア「…葵に黒羽(クロウ)

彼は…新顔ね。私はマリア…あなたは。」


一馬「え?あっ一馬です。」


マリアは一馬の顔をマジマジと眺める。


マリア「よろしく。

それよりあなた達ボロボロね…

はい、抗生物質と痛み止め…消毒」


淡々と商品を並べていく…


一馬「ちょちょちょちょ…

待って待って待った。」


葵・黒羽(クロウ)「???」


マリアも不思議そうに一馬を見つめる。


一馬「ありがたいんですが…

おいくらなんですか?」


マリアは頷きながら値段の説明を始める。

・抗生物質…3000PAY (1個)

・痛み止め…1000PAY(1個)

・消毒………300 PAY(1個)


一馬の表情は、

苦虫を口に含んだ顔をしている。


黒羽(クロウ)「なんて顔してやがる…」

葵「お金…無い…の??」

マリア「……どうするの?」


一馬のゾンビペイは還元率が悪く、

ゾンビを倒す為の準備で

毎回毎回ギリギリの状態。


一馬はアプリを開き

ゾンビペイの残高を確認する。


一馬の動きが止まる。


黒羽(クロウ)「高金利なら貸してやるよ…」

葵「もう」

黒羽(クロウ)「痛て、叩くな!チッ」


一馬は残高を食い入るように見つめる。


一馬「ゼロが…1…2……5

……7…7…7?…7、ナナッー

2、2、200万…200万PAY!?

うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


一馬の突然の歓喜に

3人はすこし驚いく。


しかし小さい幸せを壊す者がすぐ近く現れる。


スゥー

黒羽(クロウ)「………」


一馬の視界に黒羽(クロウ)

スマホの残高が映し出される。


一馬「しゃ、3、3、3千…

600万………3600万…ぺ、ぺ、PAY」


一馬は嫉妬で黒羽(クロウ)を睨みつける。


下から上、右から左、左から右…

黒羽(クロウ)の顔を

舐めまわすように執拗(しつよう)に睨みつける。


黒羽(クロウ)

ニヤニヤしながら一馬を見つめる。


マリアと葵は

顔を見合わせクスクスと笑い出す。


マリア「でも意外だね。」

葵「??何が……ですか?」

マリア「あの不愛想が笑う所…

長い付き合いだけど初めてみるよ。」

葵「……はい、私も意外でした。」


一馬と黒羽(クロウ)の睨み合いはしばらく続いた。

一馬は予備の薬に

武器の補充と食料品をそれぞれ購入した。


一馬「本当にいいのか?」


一馬にG17とG19と

新しい”ボウイナイフ”そして…


一馬「125CCのクロスカブ…まじで」


葵「うん。

狂乱の血死潮(クリムゾンムーン)を生き残れたの

一馬のおかげだから…。ねっ、黒羽(クロウ)。」


黒羽(クロウ)「……」


黒羽(クロウ)は愛想の無い態度をとる。


しかし、バイクも武器も

黒羽(クロウ)が用意したと葵は説明する。


一馬と黒羽(クロウ)は怪我の処置をして

3人は無言でギバーの入り口まで向かう。


門を出てお互い無言のまま顔を合わす。


黒羽(クロウ)「おい!」

一馬「な、なんだよ」

黒羽(クロウ)「お前……ウチの所に来ないか?」


黒羽(クロウ)

意外過ぎる突然の誘いに一馬と葵が驚く。


葵「うん、うん。一緒に行こうよ!

朱華姉…BOSSも一馬の事

絶対、絶対気に入るよ。一緒に行こうよ。」


一馬はまさかの提案に心が揺れる。

何より黒羽(クロウ)が提案してきた事に衝撃を受ける。


一馬はしばらく黙ったまま考える。

3人の沈黙が続く…一馬が口を開く。


一馬「…行けない」

葵「どうして…」

黒羽(クロウ)「………」

一馬「会いたい人…

守りたい人達が…いるんだ。」


一馬は黒羽(クロウ)の目をまっすぐ見つめる。

葵が口を挟もうとした瞬間、

黒羽(クロウ)が肩に手を置き制止する。


黒羽(クロウ)「……わかった。

……次に会った時は背中には気をつけろ。」

一馬「ふん。またボコボコにしてやるよ。」


一馬は泣きそうな顔を見せたくない為

さっさとバイクにまたがり

2人に振り返らず走り去っていく。


黒羽(クロウ)は黙ったまま

一馬の背中を視線で追い続ける。


葵「え…なんでよ!なんで引き止めないの!」

黒羽(クロウ)「チッ、

覚悟のある奴を止める方が野暮(やぼ)だろ」

葵「???わからない、わからないよ…」

黒羽(クロウ)「チッ、いいから俺達も戻るぞ…」


黒羽(クロウ)は一馬に不思議な感覚を抱いていた。


黒羽(クロウ)にとって一馬が

弟弟子(おとうとでし)のような存在なのは

黒羽(クロウ)は気づく事は無い…一馬は…


一馬「隼人さんの教え子…教え子…

えっ…アイツ俺の兄弟子(あにでし)みたいな感じなのか!?」


大きな怪我と対価を手に入れ、

(さび)の匂いに包まれたスクラップの街を後にする。

こんにちは

「7日目の月は最恐最速ゾンビ世界で100日間サバイバル生活」

作者の”れおまる”です。

ここまで読んで支えて頂き、とても感謝しています。

初作品として9月から連載を始めました。

読むこと専門だったのでいざ書いてみると

語彙や言葉が中々出てこない?とか、

日本語大丈夫かな?とか考えながら今にいたります。

文字を書く事は楽しく発見もあり勉強の毎日です。

私の作品が少しでも

皆様の息抜きと楽しみになってくれれば幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願い致します。

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