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DAY106 孤高の華に誓う想い

人が囲む空間に、

2人の鈍い音だけが聞こえる。


黒羽(クロウ)(あの女・・いい動きはしているが・・)


六花は朱華に向かい、

攻撃を繰り出し続ける。


しかし身長差がそれを許さない。

そして技術的にも大きな乖離がある。


正直黒羽(クロウ)は、

六花の初動で、実力差を感じ取る。


黒羽(クロウ)(俺が感じるぐらいだ。

あのデカ女も気づいてるんだろうな・・。)


朱華は余裕を見せながら、

六花の攻撃を流し、避け続ける。


六花は届かない攻撃に苛立ち、

攻撃のひと振りひと振りに力が入る。


六花「なぜ攻撃してこないっ!」


怒声を朱華に向ける。

朱華は笑みを浮かべ手を伸ばす。


ドスン


タイミングよく六花の顔面を捕える。

六花の顔から鼻血が噴き出る。


六花「ア・・ア・・」


一瞬動きが止まるも、

六花の闘志はむき出しのまま。


六花が朱華に詰め寄ろうと動くも、

動きを読んでいたかのように朱華が詰め寄る。

長い脚が横から振り抜かれ、

六花の左腕に叩きつける。


六花の腕は力なく垂れ下がり、

激痛に顔を歪める。


六花「ああああああ」


痛みに堪えながら、朱華に飛び掛かる。

六花は右拳を朱華に向かって叩きつける。


朱華の顔面に六花の拳が触れた瞬間、

六花の体はくの字に折れ曲がる。


六花「うっぷ!おええええええええ」


朱華は六花の肝臓目掛け、

左拳を叩きつけていた。


長い腕から鋭角に刺さる拳に、

六花は耐える事は出来なかった。


朱華「おい、もう終わりか?」


六花は朱華を見上げ睨みつける。


葵「黒羽(クロウ)・・止めてよ」


黒羽(クロウ)「チッ、止めれるかよ。あの女まだ戦う気だぞ」


黒羽(クロウ)も内心、

勝負はついていると感じている。


しかしこの戦いは喧嘩ではない。


黒羽(クロウ)「プライドとプライドの戦いに水を差せない」


葵「・・・私わからないよ」


六花が震える脚を抑えながら立ち上がる。

鼻血を啜り、目を閉じる。


朱華「ふふ、こい!」


六花は朱華に勢いよく飛び掛かる。

朱華も前に出るが・・。


ぶぅうううう


六花が口から血の霧を吹き出し、

朱華の顔が真紅の血に染まる。


六花は仕込んであったナイフを抜き、

朱華の腹部目掛けナイフを刺す。


朱華「おしいっ」


視界を奪ったはずなのに、

朱華は両目を開き、笑顔を向ける。


朱華は六花の右腕を、

はじくように払いのける。


六花は体勢を崩す。


六花「あ、あ、あ」


朱華の脚が六花の腹部に、

叩きつけられる。


六花は激痛に意識を失い倒れ込む。


朱華は崩れ落ちる六花を見下ろし、

顔の血を拭う。


朱華「いいか!これからお前たちは私の物だ!!」


朱華は大声を張り、

周囲全員に自分の存在を叩きつける。


朱華「葵!この女を手当てしてやれ。丁寧にな」


朱華は葵に向かい笑顔を向ける。


葵「あ、うん。わかった!まかせて朱華姉」


朱華「・・・はは、武臣!

黒羽(クロウ)!他の奴らの把握をしておけ!」


武臣は頷き、

黒羽(クロウ)も納得し、動き始める。


夜も更け、六花が目を覚ます。


葵「あっ起きたんですね。」


六花「・・・痛い」


葵「無理しないで下さい。

初めまして私、葵と言います。」


六花「・・・・六・・花」


葵は六花に笑顔を向け、身体を支える。


六花「それで・・・条件は?」


葵「えっとね」


黒羽(クロウ)「今日から俺達は仲間だ!」


六花は驚いた様子を見せる。


好戦的な人間の要求する事は、

だいたい変わらない。


”暴力と略奪”


六花「み、みんなは?」


葵「みんな一緒だよ!」


六花「え?」


黒羽(クロウ)「お前が、

どういう印象を持ったかは知らないが、

あのデカ女はただの戦闘狂だ!

それ以上でもそれ以下でもない」


葵「よろしくね。六花ちゃん」


六花「ちゃ、ん・・」


黒羽(クロウ)「とりあえず今日は休め。続きは明日だ」


痛めた部分が熱を持ち、

六花は眠れずにいた。


重い身体を起こし、

少しだけ涼みに敷地内の外に出てみる。


ドキん


六花は一瞬にして目を奪われる。

間接照明に照らされた、

下着姿で佇む朱華が目の前にいる。


妖艶・・・六花の目にはこの世のモノとは思えないほど。


結果として誰も殺されず、

全員を受け入れると提案した女がそこに居る。


朱華「ん?起きたか・・・」


六花「・・・」


朱華「眠れない・・・か?」


六花は生唾を飲み込み、黙ったまま頷く。

朱華はそのまま六花に歩み寄る。


六花は思わず恥ずかしくなり、

顔を横に向けて視線を逸らす。


朱華はクスクスと笑いながら、

身体が触れそうなほどまでに、近づく。

顎に手を添える朱華は、

逸らした顔を強引に、自分へと向ける。


朱華「今日からお前は私のモノだ」


強く優しい目が、六花を真っ直ぐ見つめている。

六花は吸い込まれそうな感覚に包まれる。


この世界では強さこそ正義。

仲間を守るのも自分を守るのも強くなくてはならない。


今、目の前の女は、

強く傲慢で何より・・・


六花「・・・綺麗」


朱華「ふふ」


朱華は六花を抱き寄せ、口づけを交わす。

六花の闘争心や警戒心は既に消えている。


六花(私はこの人の剣になりたい)


ゲームのような世界に迷い込み、

もがき続けた日常が、どうでもよくなってくる。


朱華に会うために、

今日まで生き抜いてきたと思うほどに。

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