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DAY101 再会と悪縁

日が陰り、土埃が立ち上がる。


ガサッガサッ


黒羽(クロウ)は周囲を丁寧に確認している。

風が強く、土埃で視界が悪い。


六花「朱華さま・・・」


黒羽(クロウ)「おい、六花!警戒する様に伝えろ」


六花「はぁ?どういう・・・」


黒羽(クロウ)「お客さんだ」


六花「!」


六花は瑠奈に声をかける。


屋上までの侵入ルートは、

車で侵入するスロープのみ。


黒羽(クロウ)「武臣と六花は待機、瑠奈は俺と。」


黒羽(クロウ)と瑠奈はスロープを慎重に下りていく。


ガサッ


スロープに放置された

廃車の死角から人影が飛び出してくる。

黒羽(クロウ)は身を捻り、

侵入者の攻撃を躱す。


瑠奈が黒羽(クロウ)の背後から飛び出して、

侵入者の足元を狙い転倒させる。


瑠奈が背後から羽交い締めにする。

黒羽(クロウ)が羽交い締めにされた男の顎に、

拳を叩きつけ、男は失神する。


極力音は立てない様に進んで行く、

相手も同じ事を考えている。


バシュパシュ


乾いた、軽い破裂音。


黒羽(クロウ)は太腿に違和感を感じる。

太腿に赤色の羽の付いた注射の様な物が刺さっている。


黒羽(クロウ)(ま、麻酔・・・弾)


パシュ


黒羽(クロウ)の首元に麻酔弾の針が刺さる。

黒羽(クロウ)の視界の端に瑠奈が倒れる姿が映る。


思考は奪われて、視界は黒く染まっていく。


錬次「テ、テンちゃん!あった!あった!」


一馬「マジで⁉︎」


錬次の食いしん坊センサーが埋もれていた、

ポテトチップスの箱を見つける。


ゴクッ


一馬と錬次が小声で話し始める。

今開けて食べるべきか否か?


一馬「おい」

錬次「えっ」


錬次は既にポテトチップスの筒を開け、

口の中で塩味の揚げたジャガイモを頬張っている。


朱華は酒を漁り、隼人は食料品を詰める。


隼人「早く、出よう」


一馬達はリュックを担ぎ直し、

来たルートを戻り始める。


ドサッ


吹き抜けの様な構造のショッピングモール。

上の階からゾンビが滑り落ちてくる。


強く床に打ちつけられた脆くなった身体は、

粉々に砕け、歩行することは出来ない。


搬送用駐車場を抜け、地上を目指す。


隼人「嫌な予感がする」


一馬「なんか聞こえますか?」


隼人「いや、逆だよ」


地上に近づくにつれ、

妙に周囲が静まり返っている。


スロープに転がっている

折り畳みのある梯子を壁に立てかける。


それぞれが大きな荷物を抱えながら

梯子を上っていく。


瓦礫と廃車で作られら壁をよじ登ると・・・。


「動くな」


壁をよじ登ると、

銃を構えた人間が周囲を囲んでいる。


隼人「まずいね」


一馬「な、なん」


パシュパシュ


錬次「テンちゃ・・・」


一馬と錬次に麻酔弾が撃ち込まれる。


隼人「待って待った!撃つな」


隼人が交渉を持ち掛けようとした瞬間、

朱華が飛び出し、男の一人を殴りつける。


一瞬の隙に隼人も荷物を素早く投げ捨て、

飛び降り、銃を構える。


パシュ


隼人の脇腹に麻酔弾が刺さる。

隼人の意識が薄れ、全身から力が抜ける。


しばらくして朱華も麻酔弾の餌食になる。


ゴトゴトゴトゴト


一馬の耳に音が聞こえてくる。

視界は暗く、少し息苦しい状態。


一馬の思考はまだ明瞭では無いが、

布を被せられ、車で移動している事は理解した。


一馬は薄れていく意識で、

状況の整理を始める。


一馬(麻酔?・・みんなは?殺す気は?・・無いみたいだけど)


大きな車でも8人乗り程度のバン。

左右前に数人の気配。

無理に暴れてもリスクがあるので、

一馬はもう一度眠る事にした。


「おい!おい!」


バシャ


一馬「ひゃっこい」


冷たい水を一馬に浴びせる男。

周囲はいつの間にか、

整理された倉庫へと移動していた。


男「おい!どこからきた?」


一馬は周りを見渡す。

布を被せられた、隼人達が座っている。


一馬「(ほっ、生きてるな)どこから?重要か?」


男「ははっこの状況で強気だな?」


一馬「別に・・・わざわざ麻酔銃を使ったんだから殺す気はないんだろ?」


男は笑いながら近づいてくる。


男「答え次第だ」


一馬は少し考える。

なぜ?場所が必要なのか?


一馬「南だよ!ガレッジ(軍用大学拠点)から更に奥から来た」


男「こいつらもか?目的は?」


一馬「とりあえず仲間を解放しろ!目的は解放してから話す」


男「交渉できる立場・・・」


一馬は太く固定していた結束バンドを断ち切る。


移動中の車の中で

握りこんでいた親指ほどのナイフ。


隼人の音声簡易クラフトが役に立った。


一馬の集中力は既にピークに達していた。


男「!!!」


男の手を引き、身体を後方へ反らせる。

その動きに合わせ

一馬は立ち上がり、足を掛け男を転倒させる。


一馬の動きに周囲の人間が反応する。


倒した流れで腰の銃を抜き、

銃を構えた人間の太ももを撃ち抜く。


一馬「動くなっ!」


一馬は転倒させた男を盾にする。


首元に腕を回し、頭に銃口を擦りつけ、

周囲をゆっくり睨みつける。


一馬「銃を床に置かせろ!」


男「クッ、お、お前ら銃を置け!」


銃を構えた男たちは顔を見合わせるが、

素直に銃を地面に置き、遠くへ蹴り飛ばす。


一馬は男の一人に

みんなの拘束を解くように指示する。


拘束の解けた隼人達は、男達を逆に拘束する。


隼人「あなたは何者?」


一馬に拘束された男に隼人は質問をする。


男「お、おれは・・・」


トーマス「オ、オリバー?」


オリバー「おま・・ト、トーマス?」


一馬(トーマスとオリバーと呼ばれた男は、

面識があるみたいだ)


朱華「クソ野郎・・生きてやがったんだな」


一馬(朱華とも面識があるのか?)


強く吹く風に巻き込まれ、

再会と悪縁が混ざり合う。

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