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第二十条 魔剣ネメシス

  


     王都を離れた街道


 聖剣教団の騎士たちが、逃亡した研究員たちの行方を追っていた。


 先頭を歩くのは、追跡部隊の隊長エドガー・ヴァレン。


 彼は腰に佩いた聖剣の柄に手を添えながら、周囲に目を配っていた。


「隊長、研究員たちを、この先で見たと言う情報が入っております」


 部下の報告を受け、エドガーは頷いた。


「引き続き追跡する。連中が持ち出した研究資料は、教団にとって重要なものだ。必ず取り戻す」


「はっ!」


 騎士たちは再び歩き始めた。


 彼らの目的は、逃亡した研究員たちを追跡し、持ち去られた資料を回収すること。


 しかし、この追跡が思いもよらぬ人物との遭遇につながるとは、誰も予想していなかった。


     ◇


 しばらく進んだ頃だった。


 前方の道に、一人の男が立っていた。


 黒い外套をまとい、腰には剣を帯びている。


 騎士たちが警戒して足を止める。


「何者だ!」


 部下の一人が声を上げた。


 男は答えない。


 ただ、こちらを見つめていた。


 その顔を目にした瞬間、エドガーの表情が変わった。


「……カシアン?」


 男がゆっくりと顔を上げる。


 そこにいたのは、数年前の事件以来、消息を絶っていた元騎士――カシアン・ヴェイルだった。


「久しぶりだな、エドガー」


 まるで旧友にでも再会したかのように、カシアンは軽く笑った。


 だが、エドガーは笑わなかった。


「生きていたのか……」


「見てのとおりだ」


「なぜ姿を消した? お前は教団を裏切り、魔剣使いと共謀して村を襲い、自分の部下まで殺したと聞いている」


 エドガーはカシアンを見据えた。


「俺は、お前がそんなことをする人間だとは思えなかった。だから聞きたい。なぜ裏切った?」


 カシアンはしばらく黙っていた。


 やがて、呆れたように息を吐く。


「何も知らない、おめでたいやつだな」


「何だと?」


「教団から聞かされた話を、そのまま信じているのか?」


「……!」


 エドガーの眉が動いた。


「ならば、真実を話せ。お前が本当に無実だというのなら――」


「無実?」


 カシアンは言葉を遮り、薄く笑った。


「お前に話したところで、理解できるとは思えないがな、教団の話を信じていたお前に」


「カシアン貴様、教団を愚弄するか」


 エドガーは腰の聖剣を抜き放った。


 白銀の刀身が光を受けて輝く。


「教団の騎士隊長として、お前を拘束して連れ帰り、裁きを受けてもらう」


 カシアンはその聖剣を見て、わずかに目を細めた。


「そうか。なら、相手をしてやる来い」


     ◇


 エドガーが地を蹴った。


「はあっ!」


 鋭い踏み込みとともに、聖剣が振り下ろされる。


 正面からの、迷いのない一撃だった。肩、腰、踏み込みが一直線につながり、聖剣の白い輝きが斬撃の軌道をなぞる。


 カシアンは魔剣を抜き、その一撃を受け止めた。


 金属音が森に響き渡る。


 衝突の瞬間、エドガーの腕に確かな手応えが返ってきた。だが、カシアンは力で受け止めたのではない。刃をわずかに傾け、エドガーの剣を滑らせていた。


 受け流し。


 かつて教団でともに鍛えた頃から変わらない、カシアンの剣技だった。


 続けざまにエドガーが剣を返す。


 横薙ぎの一閃。さらに踏み込んでの斬り上げ。


 エドガーの剣は、正確で速い。聖騎士として磨き上げられた型に無駄はなく、一撃ごとに相手の退路を削っていく。


 一方、カシアンの剣は型に縛られていなかった。


 半歩下がる。刃を立てる。肩を沈める。


 必要な動作だけで攻撃の線を外し、最小限の動きで次の反撃へつなげていく。


 カシアンはそれらを次々と受け流していく。


「どうした、カシアン! 逃げてばかりでは俺を止められないぞ!」


「威勢だけは昔と変わらないな」


 カシアンが剣を弾く。


 エドガーは後退せず、体勢を立て直して再び踏み込んだ。


 剣を弾かれた勢いさえ利用し、踏み込みを深くする。エドガーの剣は、守りから攻めへ移る切り替えが速い。カシアンが反撃へ移る前に、次の斬撃が迫った。


「聖剣《ヴァリアント》よ我に力を」


 聖剣の力が刀身へと集まる。


 白銀の光が刃の周囲に凝縮し、空気が震えた。


「聖剣技ブレイブスラッシュ!」


 鋭い斬撃がカシアンへと迫った。


 カシアンは剣で受け止めたものの、その勢いに押されて一歩後退する。


 足元の土が削れ、黒い靴底が地面に線を刻んだ。


 騎士たちの間から驚きの声が漏れた。


 カシアンが押された。


 それは、エドガーの聖剣が持つ純粋な出力と、正面からの技量がカシアンを上回ったことを意味していた。


 エドガーはその隙を逃さなかった。


「まだだ!」


 間合いを詰め、連続して剣を振るう。


 上段からの斬り下ろし。返す刃で脇腹を狙い、さらに足元へと斬撃を落とす。


 カシアンの剣を押し返し、左右から攻撃を重ねていく。


 エドガーの剣は、相手を追い詰めるための剣だった。


 一撃を防がせれば、次の一撃で逃げ道を塞ぐ。受ければ受けるほど、相手の姿勢を崩し、最後には聖剣の力で押し切る。


 対してカシアンは、攻撃を受けながらも決して同じ場所に留まらない。


 刃と刃が触れるたび、わずかに角度を変える。


 エドガーの剣先が肩を狙えば、身を沈めて肘を狙わせる。胸元へ迫れば、手首を返して刃を外へ流す。


 攻防は一瞬ごとに形を変えた。


 かつて同じ場所で剣を交えたこともある二人。


 エドガーは、カシアンの剣筋を知っていた。


 どのような間合いを好み、どの瞬間に反撃へ転じるのか。


 その記憶を頼りに、攻撃の手を緩めない。


 カシアンが右へ逃げる。


 エドガーは先回りするように斬り込んだ。


 カシアンが刃を返す。


 エドガーはその反撃を受け、鍔元で押さえ込む。


 互いの顔が、剣越しに近づいた。


「読めているぞ、カシアン!」


「昔の記憶だけで、俺を測るな」


 カシアンが手首をひねった。


 エドガーの剣がわずかに外へ流れる。


 だが、エドガーは即座に踏み込み直した。肩をぶつけるようにして間合いを潰し、柄でカシアンの腕を押し上げる。


 そのまま、聖剣を振り抜いた。


 ついにエドガーの剣が、カシアンの外套をかすめた。


 黒い布が裂け、赤い線が浮かぶ。


「……やるじゃないか、さすが聖剣使い」


 カシアンが口元を緩める。


 傷は浅い。だが、確かに刃は届いた。


「だが、これで終わりではない!」


 エドガーは剣を構え直した。


 呼吸は乱れている。腕にも重さが残っていた。


 それでも、ここで攻めを止めれば、主導権を奪われる。


 聖剣の力がさらに高まっていく。


「ヴァリアント・ラッシュ!」


 目にも留まらぬ連続斬撃。


 エドガーは一気に勝負を決めようと、全力で攻め立てた。


 斬撃が一つ、二つ、三つと重なる。


 カシアンは防御を続ける。


 その表情から、余裕の笑みが消えた。


 聖剣の光が森を白く染め、振り抜かれた刃が空気を裂く。カシアンは一撃ごとに刃を合わせ、受け、流し、時には紙一重で身をかわした。


 だが、完全には避けきれない。


 聖剣の光が外套を焼き、頬をかすめる。


 カシアンの足が、さらに半歩下がった。


 エドガーは勝機を感じた。


 あと一撃。


 この一撃を通せば、カシアンを倒せる。


 そして――


 最後の一撃が、カシアンの剣を大きく弾いた。


 乾いた音が響き、カシアンの腕が開く。


 エドガーの剣先が、カシアンの喉元へ迫る。


「捕らえたぞ!」


 しかし、その瞬間。


 カシアンが低く笑った。


「ふっ……ふっふっ」


 エドガーの背筋に、言いようのない悪寒が走る。


 勝ったはずだった。


 剣を弾き、喉元を取った。


 それなのに、目の前の男からは敗北の気配が感じられない。


「何がおかしい?」


「いい聖剣だ。隊長になっただけのことはある」


 カシアンは弾かれた剣を引き戻し、ゆっくりと構え直した。


 その動きには焦りがなかった。


 まるで、今の攻防さえも確かめるための試しにすぎなかったかのように。


「だが、お遊びはここまでにしよう」


 彼の手に握られた剣から、これまでとは異なる気配が漂い始める。


 最初に変化したのは、音だった。


 刀身が震えているわけではない。


 それなのに、周囲の空気が低く唸り、森のざわめきが一瞬だけ遠のいた。


 次に、光が消えた。


 ネメシスの刀身は黒い。だが、ただ光を吸収しているのではない。刃の周囲だけ、世界の色そのものが抜け落ちているように見えた。


 エドガーは目を見開いた。


「そ、それは……魔剣か!」


 カシアンは不敵に笑った。


「ふっふっ、お前にこのネメシスの力を見せてやろう」


「そ、それは魔剣……! 貴様、魔剣使いに堕ちたか!」


「堕ちた、だと?笑わせるな」


 カシアンの笑みが消えた。


「このネメシスで、お前たち教団を叩き潰すそして、罰を与える」


「何だと……!」


 エドガーは聖剣を握り直した。


 手のひらに汗が滲む。


 目の前の剣は、これまで何度も見てきた魔剣とは違っていた。禍々しい魔力を放っているわけではない。むしろ、気配が薄すぎる。


 そこにあるはずのものが、存在を拒んでいる。


 聖剣《ヴァリアント》が放つ清浄な光が、ネメシスの周囲だけ不自然に揺らいでいた。


 かつての同僚が、教団を叩き潰すと宣言している。


 もはや、言葉だけで引き返させられる相手ではなかった。


「ならば、ここで捕らえる!」


 エドガーは再び踏み込んだ。


 聖剣の光を正面に集め、先ほどと同じ軌道で斬り込む。


 だが――。


 カシアンの動きが変わった。


 先ほどまで受けていた攻撃を、今度は最小限の動きでかわしていく。


 エドガーが斬り込む。


 カシアンは半歩だけ身をずらした。


 剣が空を切る。


 違う。


 エドガーは即座に悟った。


 カシアンが速くなったのではない。


 自分の剣が、狙った場所からわずかに外れている。


 ネメシスの力は、相手の身体を直接操るものではなかった。


 刃が触れた瞬間、あるいはその気配が間合いに入った瞬間、相手の感覚にわずかなずれを生じさせる。


 目が捉えた距離と、足が感じた距離。


 振り下ろす手が覚えた角度と、実際の刃の軌道。


 耳が聞いた金属音と、身体が受け取った衝撃。


 それらの間に、ほんの一瞬だけ食い違いを作るのだ。


 踏み込んだ足が、想定より深く沈む。


 狙いを定めた目が、距離をわずかに誤る。


 振り下ろす手首が、覚えていた角度から外れる。


 狂いは一つひとつなら、取るに足らない。


 だが、剣技においては、その一瞬の誤差が命取りになる。


 刃は狙いを外れ、踏み込みは体勢を崩し、次の動作へのつながりまで断たれる。


 そのわずかな隙を、カシアンは決して逃さない。


 次の瞬間、カシアンの剣がエドガーの脇をかすめた。


「ぐっ!」


 鎧の継ぎ目が裂け、熱い痛みが走る。


 エドガーは身を引く。


 傷は深くない。だが、斬られた感触が妙だった。


 刃が触れた瞬間、力を奪われたような感覚があった。


 聖剣の光が、ほんの一瞬だけ弱まっている。


 ネメシスは感覚を狂わせるだけではない。


 相手が「こう動いた」と認識した瞬間、その認識と現実の間に黒い空白を挟む。


 攻撃を外したのか、外されたのか。


 受け止めたのか、受け止めさせられたのか。


 判断が遅れ、その遅れが次の動作を狂わせる。


 攻撃を立て直そうとしたところへ、カシアンの追撃が迫った。


 エドガーはかろうじて受け止める。


 黒い刃と白銀の刃が噛み合った。


 聖剣の光がネメシスに触れた瞬間、火花ではなく、黒い波紋が刃の表面を走った。


「なに……!」


 エドガーの腕から力が抜けかける。


 押し負けたわけではない。


 剣を握るという動作そのものを、ネメシスに拒まれているようだった。


 カシアンは力任せに押し込んでいるわけではない。刃を触れさせ、エドガーの力の流れと感覚のつながりを断ち切っている。


 握っている。


 受けている。


 押し返している。


 そのはずなのに、手の中の聖剣だけが、自分の身体から切り離されたように遠い。


 だが、先ほどまでのように攻め込む隙が見つからない。


 こちらの動きを先読みされている。


 そうとしか思えなかった。


「なぜだ……!」


 エドガーは必死に剣を振るう。


 上段。横薙ぎ。突き。


 教団で叩き込まれた連撃を、間を置かずに繰り出す。


 しかし、カシアンはその攻撃を見透かしたかのようにかわし、反撃を重ねていく。


 エドガーの剣は、相手を追い詰めるための剣だ。


 だが、ネメシスを手にしたカシアンの剣は、攻撃の起点そのものを奪っていた。


 斬ろうと意識した瞬間、刃の軌道がわずかにずれる。


 受けようとした瞬間、腕に力が入らない。


 踏み込もうとした瞬間、足元の感覚が遠のく。


 さらに厄介なのは、一度狂った感覚を、エドガー自身が正そうとすることだった。


 外れたなら、次は少し内側へ。


 浅かったなら、次は深く。


 遅れたなら、次は早く。


 そう修正した瞬間、ネメシスはその修正を新たな基準として狂わせる。


 エドガーは正しい動きを取り戻そうとするほど、正解から遠ざかっていった。


 ネメシスが何をしたのか、エドガーには理解できなかった。


 ただ、剣を交えるたびに、自分の技が少しずつ崩されていく。


 カシアンの剣技は、かつて知っていたものとは別物だった。


 以前の彼は、相手の力を受け流し、隙を突く剣士だった。


 今は違う。


 ネメシスの異質な力をまとった剣は、相手の攻撃を受けるのではなく、攻撃そのものの意味を薄れさせている。


 エドガーが渾身の突きを放つ。


 カシアンは刃をわずかに傾けた。


 突きの軌道が逸れ、エドガーの剣先がカシアンの肩の横を通り過ぎる。


 その瞬間、カシアンの肘がエドガーの腕を打った。


 聖剣が跳ね上がる。


「しまっ――!」


 体勢を崩したエドガーの懐へ、カシアンが踏み込む。


 鋭い一撃。


 エドガーは咄嗟に身をひねった。


 それでも、ネメシスの刃が聖剣の柄を捉える。


 黒い衝撃が走った。


 エドガーの手から聖剣が弾き飛ばされ、地面へと転がった。


 白銀の刀身が土の上で一度跳ね、光を失わずに横たわる。


 次の瞬間には、カシアンの剣がエドガーの喉元に突きつけられていた。


 冷たい刃が皮膚に触れる。


 エドガーは息を止めた。


 ほんの少しでも動けば、刃が喉を裂く。


「隊長!」


 部下たちが一斉に動こうとする。


「来るな」


 エドガーは声を張り上げた。


 騎士たちが足を止める。


 誰もが剣を抜きかけた姿勢のまま、動けずにいた。


 カシアンの剣先が、わずかにエドガーの喉へ食い込む。


 その黒い刀身から、冷気とも熱ともつかない異様な感覚が伝わってきた。


 喉元に剣を突きつけられたまま、エドガーはカシアンを睨みつけた。


 先ほどまで、確かに善戦していた。


 剣技では簡単に引けを取らないという自負もあった。


 正面から押し込み、カシアンを後退させ、外套に傷まで負わせた。


 だが、ネメシスの力を見せたカシアンは、エドガーの攻撃をことごとく封じてしまった。


 力で圧倒されたわけではない。


 速度で翻弄されたわけでもない。


 自分の剣技が通じる前提そのものを、ネメシスによって崩されたのだ。


 その実力差は、もはや明らかだった。


 カシアンは剣を引いた。


「お前じゃ俺を捕まえるのは無理だ。レオンあたりを連れてきな」


 エドガーは息を整えながら、問い返した。


「……レオンを連れてくれば、お前は捕まると?」


「さあな。だが、今のお前じゃ相手にならないことだけは確かだ」


 カシアンはネメシスを収めると、騎士たちに背を向けた。


「待て、カシアン! お前は何をしようとしている!」


 エドガーの叫びに、カシアンは足を止めなかった。


「真実を知りたければ、自分の目で確かめることだな、枢機卿には気をつけろ」


 それだけ言い残し、カシアンは森の奥へと姿を消した。


 エドガーは、地面に落ちた聖剣を拾い上げた。


 握りしめた柄に、力がこもる。


 聖剣の光は戻っている。


 だが、先ほどネメシスと触れ合った感触が、手の中から消えなかった。


 教団が語った裏切りの話。


 カシアンが口にした言葉。


 そして、魔剣ネメシスを手にした元同僚の姿。


 エドガーの胸には、消えることのない疑念が残っていた。


     ◇


 その日の夜。


 剣王ヴァルドの家。


 ヴァルドは部屋の中で、鋭い目つきで床を見つめていた。


「……最近、俺の家の周りを嗅ぎ回っている妙な奴らがいるな」


 ここ数日、家の周囲で不審な気配を感じていた。


 気配を消し、物音を立てずに動いているつもりなのだろう。


 だが、剣王の感覚を欺くことはできなかった。


「隠れているつもりか?」


 ヴァルドは腰の剣を抜き放った。


 そして、迷いなく床へと突き立てる。


「ギャッ!」


 床の下から、短い悲鳴が響いた。


 直後、床板が跳ね上がり、黒い影が飛び出した。


 影の正体は、聖剣教団の秘密部隊――神託の執行者、通称「無明」の工作員だった。


 暗殺術を身につけ、通常の聖剣を所持する実力者。


 彼はリュウガと剣王ヴァルドの身辺を監視し、二人の動向を探っていたのだ。


「ちっ……!」


 工作員は懐から何かを取り出すと、床に叩きつけた。


 白い煙が一瞬にして部屋を包み込む。


「小細工を……!」


 ヴァルドが煙の中で剣を振るう。


 しかし、その間に工作員は窓から外へと飛び出していた。


「逃がすか!クソ煙幕で前がみえん」


 ヴァルドが煙の晴れ始めた部屋で、入り口に立つリュウガへ鋭く声を飛ばした。


「リュウガ! 追え!」


「はい!」


 リュウガは即座に駆け出した。


 夜の闇へと消えていく工作員。その背中を追い、リュウガもまた闇の中へ飛び込んでいく。


 剣王の家を監視していた、謎の工作員。


 その逃走の先に何が待ち受けているのか――。


 リュウガの追跡が始まった。


第二十章 完

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


今回の章はいかがでしたでしょうか?


物語も少しずつ大きく動き始め、新たな出会いや戦い、そして聖剣と魔剣を巡る謎が、これからどのように物語へ繋がっていくのか――。


楽しみにしていただけたら嬉しいです。


感想や応援コメントなども、お気軽にお寄せください!


それでは、次の章でまたお会いしましょう。


三國ユウ

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