90.2023年8月 タンカー進水式と合成燃料
藤原秋風 30才 2011年高校三年生に転生し、大学卒業、四菱商事へ入社後、司法修習を経て独立。
2023年8月
長崎の旅館にて秋風と千尋の誕生日を温泉宿で迎えた数日後である。
造船所に併設されたタンカーの進水式に来ていた。
任意の出席にしたが、会社から旅費が出ることからほぼ社員総出で長崎に来ることになり集合していた。
管理部の総意により、テープカットは土屋綠が出ることになる。
「社長ではなくて私で良いのでしょうか?」不思議そうな顔で聞く土屋。
「土屋さんの方が華があって良いと、私が言ったの」千尋専務が答える横で秋風が頷いている。
暑い快晴の海辺はじっとしていると汗が滲んでくる。
水素エンジンのタンカーは世界初である事から海外メディアの取材も多く、寺尾輝と土屋緑が応対していた。特に海外メディアは2カ国語を話せる土屋が受け答えをしている。
進水式を終えて水を掻き分けるスクリューの推進力で進むタンカーだが、水音の方がモーター音より大きいのに驚く出席者。
「エンジン動いている?」などという声が聞こえる。
メディアからの質問で多かったのが、「燃料を水素意外にする事は考えなかったのですか?」の質問である。
「環境を考え、水素と合成燃料を検討しましたが、エネルギー効率を考えて水素にしました」
当初から水素エンジンを考えていたが、水素と空気中の二酸化炭素を使って造る合成燃料の技術が話題になり、検討もしたが、改造型の現状エンジンを使用することになる事と、燃料の容量が多くなる事を考えて水素エンジン導入を維持したのである。
冷房を入れた簡易テントに移り、ランチが出来るようにケータリングと数台のキッチンカーをお願いしていた。
メディアも一緒に招待していたので多くの人で活気のある祝賀会である。
祝賀会では、秋風が御礼を言う場面があった。
司会の案内で秋風にマイクが渡される。
「皆様、本日はタンカー『千の風』の進水式にご出席ありがとうございます。千の風はこれから高知に向かい、当社の水素プラントで水素を補充してからイランに向けて出発します。数年後には水素プラントに併設する合成燃料プラントで燃料を輸送する体制を整える事を考えております。是非お披露目の時には再度お集まりできる日を楽しみにしております」
石谷産業との連携会議の中で、合成燃料の話が出たのだが、ネックであるコストが秋風プラントでは実質コストゼロなので、複数の触媒をすれば高圧の元で合成燃料が精製できる合成プラント工場を併設するという、一貫生成プラント構想を発表したのである。
「社長、報告があります!」吉村葵が嬉しそうに近づいてきた。
「どうした?」
「先程、東京財務事務局から連絡があり、投資運用業の認可がおりそうだとのことです」
「おおー」秋風の周辺にいた従業員が喜びの声を上げた。
個人資産 ドル:14万ドル 円:1億円
日本秋風預金 80億円
日本秋風資産 228億円
日本運用資金 101億ドル(約1兆4千億円)
運用内容 ベンチャー・不動産投資 500億円
AI株式運用 3,000億円
ビットコイン 2,500億円
金 8,000億円
ハワイ秋風 60万ドル
ドバイ秋風 7億ドル
ドバイ秋風(運用) 22億ドル
1兆7800億円 日本への貸付金残70億ドル
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