62.厄災の目覚め
みんな大好き扉回だよ~
突如として起きた爆発は大半の施設を破壊し、抵抗した多くの陰陽師を死へ追いやった。
そんな中、立ち上がっているのは黒服に包まれた"片眼鏡の老人"と"目隠れの少年"の二人組。
「三十点」
「えーオイラ頑張ったよー?」
(フラルゴ・エールティ)。(鈴田 哲平)。
異界の扉の司祭、魔眼使いだ。
「ふんッ!! あんな下品な爆発、ワシは"芸術"と認めんぞ!!!!」
「別にオイラのは芸術じゃないしー? 壊せれば良くなーい?」
「黙れクソガキ!! 良いか!! 爆発は何一つとして同じ形が無い!! そう!! 爆発は偶然の産物、つまり神の奇跡にして」
「まーた始まったよー。オジサンの爆発話ー」
「ッ……このクソガキャア!!!!」
「その辺にしろ、フラルゴ」
フラルゴの右目が紅く変わった瞬間、片目に歯車目を嵌めた大男が「待った」を掛けた。
「ふんッ、随分と遅かったじゃないか」
「準備に手間取ったんだ。他意は無い」
「もーそこどーでも良くなーい? 早く行こーよー」
「けッ、まぁ良いわい。では案内頼むぞ____弐よ」
~~~~~
「ここか……」
普吾の目の前には厳重そうな鉄扉が見るも無残に破壊されていた。
ここは"危険物保管庫"、押収した呪物や魔眼などを封印している文字通り危険な部屋だ。
扉から見える部屋の中はまるで何かを探した後のように荒らされており、書類や道具が至る所に飛び散っている。
そんな部屋の中心には一人の陰陽師が佇んでいた。
「おい、ここで何してる」
「ぁらぁ、もぅ来たのですかぁ?」
その男は普吾が良く知る男であった……が、こんな独特な喋り方をした事は一度も無かった。
「お前、キャラ変えたのか? 似合わないからやめとけって」
「? 私はぁ私ぃ、変わりませんょ」
「……精神型か」
その問いに男は二チャリと顔を歪ませた。
いくら札で身を固めた所で人間と魔眼使いとでは雲泥の差がある。もしも精神型の魔眼使いに襲われれば元の男の精神はとっくに崩壊しているだろう。
「てめぇ……」
「ぁは……!! まさかぁ、こんなところでぇ隊長さんにぁぇるなんてぇ。興奮して来ましたぁ……!!」
「そうかよ、俺は部下を殺されてムカついている所だ」
「ぁははぁ、そぅ怒らなぃで下さぃょぉ? もうじきぃ終わりますからぁ」
「あ? 何言って……!?」
瞬間、今までの雰囲気が消える。
怖いとか恐ろしいとか、もはやそんな次元じゃない。
何か、何か得体の知れない化け物がそこには居た。
「ふぅ。ようやく、ようやく始まる」
(何だ、何が起きている……!!)
「ん……陰陽師か。ふはは、ならば一つ"良い事"を教えてやろう」
男は独特な喋り方を止め、力強く語る。
「悪魔が人間と契約する本当の理由…………それは」
その声はとても人間とは思えない位____重い。
「"受肉する為"だ、人間」
そこに居たのは人間ではなく
人間の形をした化け物だった。
「ッ!?!?」
普吾は一瞬にして"水の槍"を生成し、化け物目掛け飛ばした。長年の勘が「ここで仕留めなければ厄災になるぞ」と必死に叫んでいるからだ。
第四陰陽寮隊長、瀬流 普吾は契約悪魔 《クロケル》の【水を生み出す】魔眼使い。その攻撃速度は全陰陽寮一、人間の反射速度を優に超える。
そんな刹那の攻撃で狙うのは化け物の魔眼。「どんな化け物だろうと、魔眼を破壊すれば"必ず死ぬ"」、魔眼使いにおける絶対のルールを普吾は狙っていた。
しかし、既に化け物は第二契約......魔具を生み出していた。
「なッ!!」
弾丸のように打ち出された水の槍、だが魔具から発する黒い衝撃波によって軌道は左目に変わってしまう。
脳みそをぶちまけようが、呼吸すら忘れる程の一撃を加えようが…………当たらなければ意味が無い。
「は、ははは、はははははははははは!!!!!!」
普吾は化け物を殺す唯一の機会を逃してしまった。
「嘘、だろ……」
「残念だったな、人間…………外れだァァァ!!!!」
右目が紅に染まる。
「不味ッ、ぐはァ!!」
化け物を中心にして発生する衝撃波は近くのモノ全てを吹き飛ばす。
その姿はまさに__"厄災"であった。
やべぇ……最近一話一話が短い。。。ガンバル。。。
追記.修正しましたが内容的にはあまり変わってない(はず)です。。。
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